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SPELLの法則

2019年02月06日 | 教育
イギリス自閉症児協会・SPELLの法則について
日本の状況から考え,捉えてみる。

1 Structure「構造化」とはどのようなことか。

○環境設定や具体的教材をあげてみると,以下のようなことである。

「わかりやすい提示・環境づくりをするということ」

  これはTEACCHの構造化と同様で,整理され,次の手段が分かりやすい場づくりを
 することである。イラストや写真を提示する。必要な場所にイラストや写真を貼る。
 カラービニールテープなどで範囲を確定する。箇条書きでスケジュールを示すなど
 も構造化の一つである。教室にどの子も分かる仕組みを作るのである。

2 Positive「誉める」とはどのようなことか。

○どのような誉め方が適切であるのか。

「その子に伝わるやり方で誉める」

  自閉症の子は弱い言葉かけでは受け取り難いところがある。強く,届く言葉で伝え
 ることが有効である。「すごい!」と伝えるときはっきりとした声で目を見て言うの
 である。もしくは,親指を立てたり,指でOKのサインを作ったりするなど視覚的に示
 しながら,「Ok!」「グー!」と言って伝えるのも良い。触られて嫌だという触角過
 敏がなければ,誉めながら頭をなでる,「できたね」と肩にぐっと手を置くなども有
 効に働く。聴覚が良いか,視覚が良いか,触覚が良いか。その子に応じた伝わる誉め
 方を行うことが大切である。

3 Empathy「共感」とはどのようなことか。

○自閉症の子の行動をどのようにみるのか。

「行動を否定せず,そのまま受け止める」

  自閉症の子が理解しがたい行動をとったとする。それに対して,理解しようとする
 のではなく,「そういう行動になるんだ」と受け止める。「そう来るのか」と「行動
 特性上,致し方ない」とまず分かってあげることが必要である。その上で,正しい行
 動をとるように,どのような伝え方をすればよいか,どう構造化の工夫を施せばよい
 か考えていくのである。

4 Low arousal「低刺激」とはどのようなことでしょうか。

○情報をどうするとよいのか。

「情報を整理する」

  環境をシンプルにして,何を見ればよいか分かりやすくすることが必要である。黒
 板の周りに何も貼らない,黒板の中にも,必要な板書だけをする,ということも雑多
 な刺激を減らして,低刺激にするということである。また,教室の中で教師が静かに
 歩く,シーンとした学習場面を作り出す,聴覚的に過敏な子がいれば,金魚のエアー
 モーターも一旦止めるなど,視覚,聴覚に合わせた低刺激を意識し,静かな環境を与
 えることが必要である。

5 Links「周囲との連携」とはどのようなことでしょうか。

「信頼関係をもって共有するということ」

  最後のLinkは,学校や家庭,その他の場面でも,できるだけ対応の仕方の共有化を
 図るということである。しかし,自閉症の子は場面によってはできることができない
 場合もある。周りの人間と信頼関係を築き,安心して行動できる関係を作ることも合
 わせて必要である。


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