30年以上も前から貧乏旅行を始めてカメラも持てない身分だったので鉛筆スケッチを始めたのですが、実物モデルを前にして3000人をくだらない数を描いたのが僕の自慢でもあるのだけど、携帯電話登場後の世知辛い世の中になってはもう誰も僕のような幸運には出会えないだろうと思っています。本当に携帯が登場する以前は僕たちの社会は今からは想像もつかないほどのんびりしていたのです。人々はとてもフレンドリーでエレベータの中で一緒になったくらいでもう気軽に食事に誘える様な塩梅だったのです。安宿の夜はみんなすることもなくビデオ鑑賞会を除けば雑誌を無意味に眺めているか、旅の情報を交換し合うか以外にすることは何もなかったのです。だからこそ面白い人物との出会いがまたとない旅の楽しみだったのです。スマホが登場してからは全くこんなことはなくなりました。情報は旅人に訊くよりスマホで得られるのだからそれにみんな揃ってスマホの画面を見ていてまるで会話がないのだから、どうして素晴らしい出会いに遭遇することができるのでしょうか。中にはせっかく観光地に来ていながら終日スマホに熱中している旅人がいたりして、僕はその知能の程度に驚かされることがしばしばであります。スマホでチェックして旅行気分になれるのなら何も初めから旅に出てくることはなかったじゃないの、と言ってやりたい気持ちにさせられます。ともかくも現代は僕みたいな古い人間には理解できないことが大変多くなりました。
さて僕は初めて絵画に挑戦したのが鉛筆でしたがタイの画廊の主人に自分のスケッチブックを見せたら、次回くるときにはパステルを持ってこい、一週間無料レッスンをしてやると約束され、その次には日本で仕入れたダイソーのパステル10色100円なりを数個買って楽しみにしてそのタイの離れ島を訪問したのです。ところが行ってみるとその画家の画廊はすでにその島に無く彼はまた別の島に渡っていたのでした。それでその画家とはそれっきりになったのですが、結果として自分は何セットも所持したパステルを独学で学ぶしかなくなりました。以下の作品は全く初心の頃のパステル画で、実物モデルかもしくは写真から描いたものです。すべて2003年以前に描いています。
初めてのパステル画。ダイソーの10色セットで描きました。
タイのハジャイで知り合ったタイ女性、とても美人だった。
マラッカで間借りしていた家の女主人。素晴らしく美人でセクシーな女性でした。一年間滞在して何もなかったので友達はみんな僕が不能者と思ったようです。しかし、そういう交わりのないきれいな関係も実におつなものなのです。素晴らしい体験でこの時が一番幸せにさえ思えたものでした。
その女主人の一人娘がヴィッキーというこの娘でした。素晴らしい歌唱力と喉を持った少女でこの娘にパステルセットをあげたら下の絵を描いてくれました。とても懐かしい思い出であります。
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