油彩 54x38㎝ 2017年
あらゆる生き物の世界では種の保存においてオスたちの激しい闘争が待ち構えているようだ。
2003年にバンコクでカナダ人女性と知り合って一緒に旅をすることになり、それから少し画風が変化した。それまではただひたすら自己流で人物をスケッチしてきたのだけど、これからは写真を見ながらじっくりと描き込めるようになったのだ。というのも彼女がカメラとラップトップを持っていたからだ。それでこれも大変役に立ったのだけど今想い返せばやはり実物のモデルを前にして描くのが一番楽しかったように思う。当時スマホがなかったので宿に帰ってきた旅人の多くは時間をもてあそんでいた。だから気軽にモデルになってくれた。今ならみんなスマホに夢中だからとてもたのめなかったかもしれない。この点僕は非常にラッキーだったと思っている。
油彩 30x40cm 2009年
この絵はポルトガルのシントラという有名な観光地の画廊に残してきたのだけど、僕は帰国してすぐに売れたという知らせを受け取った。売り上げの半金が僕の取り分となるのだけど僕はそれを画廊の店主の新妻に結婚祝いとして贈った。好きな絵柄なので帰国後もう一枚模写を繰り返して今自分の部屋に飾っている。この原作の作者は猫の絵ばかり描いていて僕は随分とたくさん模写をして勉強させてもらった。ポルトガルで描いた彼女の作品の模写はこれで全部完売した勘定だ。