貧者の一灯 ブログ

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妄想劇場・歴史への訪問

2021年11月05日 | 流れ雲のブログ
















しかし、この宿屋にはノミがたくさんいて、とてもねむることは
出来ません。

(やれやれ、帰りもまた、ここで泊まらにゃならんが、
こんな事ではどうにもならん。何とかせにゃ)

次の朝、佐助じいさんは朝飯を食ベるとそうそうに旅仕度
をして、店先にいた宿の女主人に言いました。

「ばあさんや。お前さんの家では、なんとももったいない事
をしとるのう」

するとおばあさんは、不思議そうにたずねました。
「それはまた、何の事で?」

「いや、ほかでもないが、わしの村ではな、薬屋がノミを
買い集めておるわ。高値でのう。

それなのにお前さんのところではこんなにノミがおるのに、
なんでお売りなさらんのじゃ?」

「お客さま。ノミが、薬になりますかいな?」
「ああ、なるとも、なるとも」

「いったい、何に効きますのじゃ?」
「痛み、切りきず、ふき出もの、やけど、鼻づまり。
何でも効くぞ」

「それではお客さま。ぜひ、家のノミも買うてくだされまいか?」
「ああ、いいともいいとも。

わしはあと三日たったら、またお前さんの所で泊めてもらうで、
それまでに精を出してたんと捕まえておきなされ。

わしの村ヘ持っていって、売ってしんぜよう」
そう言って佐助じいさんは、宿を出ました。

さて、それから三日後。

佐助じいさんがこの宿にきて泊まると、ノミは
一匹もいません。
おばあさんがよほど精を出して取ったらしく、
お陰でぐっすりとねむることが出来ました。

あくる朝、佐助じいさんが宿を出ようとすると、
「旦那さま、旦那さま」

「何か、ご用かね?」

「あの・・・、ノミをたんまり捕まえておきましたで。
ほれ、この通り。どうぞ、これを売ってきてくだされ」
と、紙袋を差し出しました。

「どれどれ。おおっ、これはお見事。これだけの数を、
ようお取りなされた」

佐助じいさんは感心したように言うと、袋をていねいに
宿のおばあさんに返して、「この前、言うのを忘れて
おりましたが、

ノミは二十匹ずつ、ちゃんと串にさしておいてくだされ。
一串、二串と勘定せにゃ、とても数えられませんのでな。

近いうちにまたきますで串をこしらえて、ちゃんとさして
おいてくだされ。頼みましたぞ。

じゃあ、おおきに、お世話になりましたな」

そう言って佐助じいさんは、とっとと宿を出て行きました。
むろん、佐助じいさんがこの宿に来ることはありま
せんでしたが、

ノミのいなくなったこの宿は、それからとても繁盛(はんじょう
)したそうです。…

おしまい















あるところに、あるご夫婦が居ました。

この女房というお人 スタイル抜群の上に美人なのは
よろしいんですが、まことに性格がきつい、ばかりでなく
金遣いも荒い、

しかも酒癖が悪く昼間っから酒を呑んだり、何時間も
遊びまわって 夜遅く帰るという困った女性でございます。

ご亭主もほとほと手を焼いておりましたが、といって、
この女房をたたき出してしまおう、という気はさらさら
ございません。

と申しますのが、このご夫婦、夜の方の相性が抜群
によろしい。ご亭主が小言を言い始める、と

女房が長襦袢一枚で、腰をくねらせながら「ン、ねぇ~」
なんて...すると亭主はうへへへ...というわけで、
女房が使うぶん、亭主は仕事に励む。

亭主がそれほど頑張るのも、すべては女房に、
エェ、お手合わせ願いたいばっかりに、というわけですな。

ところがこの女房が、ちょっとした病気で寝付いた、
と思ったら、あれよあれよ、という間にコロッと死んじまった。

ふだんからの不摂生が祟ったんでしょうなぁ。

旦那は特にこの女の性格がよかったとか、人間に惚れて
いた、とか云うわけではないのでさほど落ち込みは
しなかったんですが、

抜群の相性であったところの、夜のお相手に死なれたの
はちょっと困りました。

亭主  あぁ、いい女だったよなぁ...
     こう、抱き甲斐のある身体でさぁ...
     尻なんぞプリプリしててさぁ...
     大事に使えばあと二十年や三十年は楽しめたんだよ
     あぁ、アソコだけでもいいから、化けて出ねぇかなぁ

女房   ひゅ~...どろどろどろどろ
亭主   な、なんだ、この音は!
女房   ...うらめしや~...

亭主  オォッ! こ、こいつぁ...あつらえた通りじゃねぇか!
     見ると、青白い陰火を伴って、暗闇の中にぼんやり
     と浮かび上がりましたのは、懐かしい女房の...

     アソコでございます。
     亭主が恐る恐る触わってみると、感触もおケケの
     生え具合もナニもカモ、昔のまんま。

亭主  こりゃ、ありがてぇ! 久しぶりにお相手願おう
     じゃぁねぇか!と、イチモツを取り出しますてぇと、

     ズッコン、ズッコンと...まぁ、アソコだけ浮かんで
     るってぇのもなかなかやり難いものですが、そこは
     永年慣れ親しみました相手ですので、なんとか
     こなしまして、

     あぁ、ご馳走サマ、とイチモツを引き抜こうとして驚いた。
     根元のとこでプッツリとちぎれて、無くなっている。

亭主   あぁっ、こ、こいつぁ、どうしたこった!!?
女房   あと二、三十年、大事に使わせてもらうよ...

おあとはよろしいようで…

Creator:seiwa(話し方教室講師)