歌:吉田拓郎
作詞:安井かずみ・作曲:吉田拓郎
酔いにまかせて 荒くれ夜は
海賊みたいに 七つの夜を
お前とゆれて波の間に
奪った船のキャビンには
女王陛下のエメラルド
正気のかけらのオン・ザ・ロックス
溶けて全ては楽になる
Oh Seven wines&Seven nights
私は、ふたりの愛する息子達、愛する俊さんがいて、とても幸せ。
「さぁ、食事を始めよう」
四人で美味しく頂きワインで乾杯した。
「来年の正月、良かったら、ホテルで迎えませんか。
友人のホテルですが、リニューアルオープンなので
部屋を予約したのです。
奥さんと相談してみて、出来たら新年を一緒に迎えよう。
僕に招待させてほしい。昼に帰ればいい」
「分かりました。妻と相談して母に連絡します。
俊輔さん、母をよろしくお願いいたします」
「分かりました。僕が大切し守って幸せにします。
今日はありがとう」
私は、幸せで涙が止まらなかった。
翌月の吉日に近藤さんに証人になって頂き、婚姻届を
区役所に出した。
「今日から、今井ゆりだね。僕が守って行く。
幸せになろうね」
「今井ゆりです。よろしくお願いいたします」
「健のところで結婚指輪を注文している。僕が選んだ。
気に入るといいな」 ジュエリーコーナーへ。
「今井さん、いらっしゃいませ。おめでとうございます。
お待ちしておりました」 応接室に案内されて指輪が来た。
「君に内緒で小さな結婚式の準備している。
子供達夫婦、孫達、友人と君の姉妹を呼ぼう。
近藤が準備している。浩輔君、祐輔君には連絡している。
喜んでいたよ。
今日は指輪のサイズ確認とウェディングドレスの試着」
私はあまりのびっくりに声が出なかった。
でも、涙が頬を流れているのを感じた。
「私、シンデレラ?」 俊さん大笑い。スタッフ、一同笑っている。
ドレスを試着。 「あなたが好きなものを選んでください」
一所懸命選んでいる。マーメードタイプのドレスが気に
入っている。
試着してみた。 「おおーゆりとても美しい。これに決めよう」
俊さんはグレーのタキシード。 「素敵!」 腕を組んで
食事をしに、山田さんのレストランへ。
「今井さん、おめでとうございます。待っていました」
「おおー、てっちゃん。今晩は」シャンパンで乾杯。
「ありがとう。ゆりに!」 「こちらこそ。俊さんに!」
「今井さん、結婚式のケーキをプレゼントしたいです。
デザイン選んで下さい」
カタログを見て、 「ありがとう。これでお願いします。
ハート形のケーキで」。
「今井さん、僕達、ワクワクしていてグループメンバー忙しく
楽しんでいますよ。特に近藤さん、自分の結婚式のように」
「そうか。有難いな。ありがとう。すごく嬉しい」
式は来月の第二土曜日、三時からチャペルで式、六時から
食事会。結婚式は初めてだ。前は式をあげてない。
俊さん! 子供達に聞いたのかな。ドキドキ。
子供達それぞれに電話で伝えた。
本当に、本当に幸せ。俊さんに出会えて良かった。
金曜日、久しぶりに、孫達と会う日、フードコートで待ち合わせ。
ゆりは少し、ソワソワしている。落ち着かない様子。
少し、妬ける。
「ばあばー!」四人が、走って来た。
「久しぶりね~。会いたかった」とゆり。
孫の未来ちゃんが泣いている。
「ばあばー、とっても会いたかったの」
「嬉しい~。とっても会いたかったよ」
ゆりの顔を見ていると、観音様のような、優しい顔だ。
うわぁ~凄い。孫の力。 こんな優しく笑う。
無償の愛? って、やつかな。
浩輔君、祐輔君も優しい目で、母親を見ている。
しばらく会話をした後、ゆりが、二人の子供に近づいて、
「私の命の、あなた達は元気にしていた?」
身震いを感じた。何故か僕は、涙が出た。
母親って、偉大だ。改めて。 生きていたら母も、
僕をあんな目で、包んでいただろうな。 …
大人になる:人はさまざまな経験を通して幼児性が抜け
ていき、一人前の人間として大きく成長していきます。
「命」という字は、「人は一度叩かれる」と書きます。
漢字の成り立ちは違いますが、そのようにも読めますよね。
叩かれたとき「有り難き」ことと感謝して、「ついてる、
ついてる、ありがとう」と言えるようになることが、人間を
磨くことかもしれません。
そう考えると、結婚相手は、お互いを磨き合うことができる
「砥石」なのです。
ちなみに日本でいちばん離婚率が低いのは、遠洋漁業
の船員さんだそうです。
一年の大半を海の上で過ごし、たまに帰ってきて一週間
くらい仲良く暮らし、また稼ぎに海に出ていく......。
理想的な距離の置き方でしょう。
この反対が、漁業との兼業農家だそうです。
朝から晩まで、顔をつき合わせて夫婦で仕事をしているので、
ちょっとしたケンカでも、修復する時間がなくて、やがて
口をきかなくなり、
そのまま一週間一カ月が経ち、さらに関係が冷え切ってしまう......。
こういう近すぎる夫婦関係は、離婚率が高いのだそうです。
結婚生活をいつまでも幸せに過ごすためには、お互いに
適度な距離を置くことです。
財布や携帯電話、メール、日記など、個人のプライバシー
として尊重すべきものは、たとえ夫婦でも勝手にのぞかない
というルールを守ることです。
それは、相手を尊重し尊敬する念です。
「恋愛にもってこいの異性」と、「結婚したらよい異性」は
違います。
「相手を尊敬の念で見られるようになるかどうか」ということ。
まずは、自分が尊敬される人になれるか、人間を磨ける
かが問われると言えそうです。
むかしむかし、あるところに、とてもなかのよい
男の子と女の子がいました。
あるとき、この二人が山のぼりにでかけました。
手をつないで歌をうたい、ズンズンとのぼっていくと、
やがて川が見えてきました。
「あら、あんなところに花がさいてる」女の子がいいました。
ゴウゴウとながれる川のすぐそばに、青い花がさいて
いたのです。
男の子は大好きな女の子のために、その花をとってきて
あげようと思いました。
体がぬれるのも気にしないで、男の子は岩をのぼって
いきました。
ところが、その花に手をのばしたとたん、川の水で足
がすべりました。
男の子はあわてて花をつむと、女の子にむかって
その花をなげました。
そしてそのまま川におちると、すごいはやさで
流されていきます。
ゴウゴウという水の音にまじって、男の子の声が
聞こえてきました。
「大好きだよ! いつまでも、ぼくをわすれないでね!」
そのときから、その青い花には「わたしをわすれないでね」
という意味の
『わすれな草』という名まえがついたそうです。…
時は絶えず流れ、今、微笑む花も、明日には枯れる
愛されないということは不運であり、愛さないということは
不幸である。……