バス運行は、基本ダイヤ通りの運行を行っているつもりですが、バス停によっては1分から2分いつも遅れる場所があります。
特別な渋滞の発生原因になるような事故や工事などがなくても、いつも遅れるのです。
そんなこんなで、度々乗客から指摘されるのですが、そんなときは「どうもすいません!」とだけ答えています。
普通に考えれば、そのバス停を1分から2分時刻を遅らせたダイヤ にすれば済むことです。
しかし、それはしていません。何でこのような面倒くさいことを堂々と行っているのでしょうか?
それは、まず、早発を防ぐためです。
早発とは、発車時刻前にバス停を発車してしまうことで、これをすると該当する便全体が欠便扱いになります。
正当な理由なく欠便すると、場合によっては営業停止処分をくらう重大なミスなのです。
その為、この万一の早発による影響を防ぎ、安定的な運行を確保するため敢えて遅れが出るダイヤを組んでいるのです。
次に、あまりにも時刻が正確なダイヤを組むと、万一1分から2分でも遅れようものなら烈火のごとくのクレームが大量発生するからです。
この事は、バス業界で過去に検証済みのことで、クレームの数を減らすこと顧客満足度を鑑みた経験則による対策です。
バスは電車と違い、不確定な道路状況に依存する側面が大きいです。
そのため、1分から2分遅れただけで大クレームになっていたら業務に支障をきたすのです。
安全運行を保つためにも「バスはダイヤ通りにいかない。」ことを乗客に認識していただくため、わざと遅れる箇所を作っているのです。
こういう云い方が適切かは分かりませんが、バスは安全運行確保のためにダイヤが遅れることは、法律的に許されます。
逆に法律的に許されない運行があります。それは、前記の「早発」です。
そのため、バス会社では運転士に「安全運行のため遅れることは仕方がないが、早発だけはしないように!」と指導しています。
先日東アジア系外国人の方から「日本のバスの運転は遅くてイライラする!○国のバスはもっと速く運転してる。」と、イライラをぶつけられました。
どちらが正しい運転かは分かりませんが、国によってバス運行への考え方は違うみたいです。