敗北の構造Ⅲ「宗教と自立」より
「おまえは自分を偉大な人間の救済者だとおもっているかもしれない。しかしおまえは、現実的には途方もないことを言って歩く乞食坊主にすぎない。弟子といったら十人ばかりの無知な男しかいないし、ろくなやつはいないじゃないか。おまえはちっとも義人じゃないし、偉大な宗教家でもない。要するに、ただでたらめいって歩いている乞食坊主にすぎないのだ。だからおまえを迫害したってなんでもないじゃないか。」という律法学者やパリサイ人の言い分に対して、マタイ伝の主人公は何も答えていない。
「おまえは自分を偉大な人間の救済者だとおもっているかもしれない。しかしおまえは、現実的には途方もないことを言って歩く乞食坊主にすぎない。弟子といったら十人ばかりの無知な男しかいないし、ろくなやつはいないじゃないか。おまえはちっとも義人じゃないし、偉大な宗教家でもない。要するに、ただでたらめいって歩いている乞食坊主にすぎないのだ。だからおまえを迫害したってなんでもないじゃないか。」という律法学者やパリサイ人の言い分に対して、マタイ伝の主人公は何も答えていない。