飯田泰之著「ダメな議論 論理思考で見抜く」ちくま新書
『経済、社会、政治といった、あまり身近でない問題についての「常識」から抜け出すのはそう簡単なことではありません。ではなぜ私たちは誤った見解や無内容な主張に納得してしまうのでしょうか。社会問題についての言説に出会ったとき、私たちの内部で働いているのは論理やデータによって妥当性を確かめようという理性だけではありません。その意見が自分にとって都合がよいか、自分の気分に合っているかという打算と好悪の感情が働きます。ある言説に対して態度を決めるに際して、このような感情の働きは、しばしば理性を上回る力を発揮します。』
『経済、社会、政治といった、あまり身近でない問題についての「常識」から抜け出すのはそう簡単なことではありません。ではなぜ私たちは誤った見解や無内容な主張に納得してしまうのでしょうか。社会問題についての言説に出会ったとき、私たちの内部で働いているのは論理やデータによって妥当性を確かめようという理性だけではありません。その意見が自分にとって都合がよいか、自分の気分に合っているかという打算と好悪の感情が働きます。ある言説に対して態度を決めるに際して、このような感情の働きは、しばしば理性を上回る力を発揮します。』