ビジネスはより早く、より正確にが要諦だ。この鉄則に惑わされて入院中はがむしゃらに職場復帰を急いだ。一週間前に後遺症もなく無事退院できた。ところが、意外に深刻な症状だったことを正確に知るようになってから勤労意欲の方が減退し続けて現在に至っている。命あっての物種だという囁きがどこかから聞こえている。
2週間余りの入院で落ちた体力を取り戻すにはその倍のひと月はかかると踏んでいる。また、職場は再発のリスクを抱えた職員を迎い入れることを躊躇することだろう。私とて半病人と机を並べたくはない。就業は、障碍者という例外を除くと、健常者であることが前提なのだ。健康に不安が残らない程度に体力が回復して安定的に血圧が正常値の範囲におさまる日まで、流れに身を任すしかないということを肝に銘じながら、減塩とウォーキングに励んでいる。