庭の花たちは
今は盛りと
すこしの日差しの中に
瞬間にぱっと開く
人生も
一日一日の
希望を凝縮させて
ある一瞬に花開く
久しぶりの春日和
我が愛車が土手を
走る
青い山脈の映画の
場面を思い浮かべて
土手の花たちが
おどって迎えている気分
さわやかな春風に
のって愛車を走らせた
大切な息子から
誕生祝いが
大好きな物
可愛いカード
小さな花束
心が映っているものばかり
大切に大切に
心に閉じ込めて
喜寿の歳を過ごそう
桜餅を作った
関東風はわが家の風習
我が子の将来を祈って
作り神様に供えた
桜の葉は次の花への準備
栄養をたっぷりためて
次への開花へと願う
どうか
石にもかじりついて
生き抜いてほしいと
願い作り
神にがんをかっけた
故郷根室には
名のついた坂が
あった
私の周りでは
○米の坂
シマズの坂
クボタの坂
警察の坂
それは子どもたちの
橇滑り坂
子ども世界の縄張り？
悴んだ手で自作の橇を
引っ張って
滑りに行った
今は市街の大通り
クボタの坂
クボタ鉄工所が
過去を残していた
根室港から鮭鱒の船が
出航すると聞いた
昔、何十隻もの船が
旗をなびかけ
マーチや様々の歌を
ガンガン響かせて
列になって
就航した姿を
港の見える丘で
おにぎりをかじりながら
観ていた自分が見えた
物の佇まい
人の佇まい
なにかを語っている
なにかを放っている
じっとそこに佇んで
わずかながらでも
輝いてじっとして
大地のうえに
存在する
生命の鼓動を感る
佇まい