(有)村田牧場通信

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【血統・配合】ダンケシェーン(牡 ローレルクラブ提供馬)

2017年07月26日 | クラブ募集馬


お蔭様を持ちまして、ローレルクラブへの2歳世代の提供馬ダンケシェーン(現2歳)が満口となりました。

ローレル会員の皆様におかれましては、ダンケシェーンに出資下さいまして感謝申し上げます。

7月15日に函館競馬場に入厩したダンケシェーン。

7月20日には、ゲート試験に合格しました。

その後、7月25日にはリフレッシュ放牧に出されたようですが、8月下旬の札幌開催の新馬戦に向かう予定であることに変わりはありません。

2歳になり、春先に本馬を育成場まで視察に行った際には、立派な馬に成長していました。

牡馬とはいえ、初仔でしたので体高のほうはそれほどでもなく、2歳になっても大柄のほうではないのですが、それでも馬体重は500kg近くありました。

当歳時から骨量と筋肉量が豊富で、父譲りの柔らかい動きをする馬でしたが、その特長を損なうことなく順調に成長してくれたと思います。

母が2歳時に北海道で勝ち上がっているだけに、本馬にもそう期待したいところです。

その母ゼフィランサスは、当場がこだわってきたキングヘイロー×モガミヒメ牝系の最たる配合です。

彼女の血統に関しては、こちらのほうで詳しく書いたつもりですのでご参照下さい。

父のヘニーヒューズは、7月24日時点ですでに3頭の中央勝ち馬を送り出しています。

現時点では、前評判通りのスタートと言って良いでしょう。

ヘニーヒューズの父はヘネシーですが、この血はゼフィランサスの2代父ダンシングブレーヴと血統的に相似な関係にあります。



互いにNorthern Dancerを持ち、Secretariat≒Sir Gaylordの近親クロスの関係があり、さらにはTom Cat≒Cap and Bellsという4分の3同血クロス(父がTom Foolで母父がMahmoud)があります。

ヘニーヒューズの2代父Storm Catは、ゼフィランサスの2代母モガミポイントと相似クロスを形成する関係です。



Storm Bird≒Nijinskyの相性は良く、当場では同クラブに提供しているオーシャンフリートの2016や、引退して当場で繁殖牝馬として繫養しているクロワラモー(中央3勝)にも用いた配合手法です。

血統表を見てわかるように、Storm Cat≒モガミポイントの関係ではSecretariat≒ボールドラッドの4分の3同血クロスも特長的です。

このように、ゼフィランサスとStorm Catの血を持つ種牡馬とは相性が良いことが予想されることから、昨年はキズナ(母父がStorm Cat)に配合して、今年は立派な牡馬が生まれています。

少し遠い世代に目を向けると、母ゼフィランサスがBuckpasser5×5を持っていたわけですが、その母BusandaとヘニーヒューズがもつBusherによる近親クロスがあります。



両者は父がWar Admiralであり、2代母が名牝La Troienneである点で共通しています。

もう少し細かく相似クロスを探すならば、ヘニーヒューズの母Meadow FlyerのなかにあるEight Thirty≒War Relicの相似クロスを、ダンケシェーンの代ではEight Thirtyをクロスさせることで強化しています。



Friar RockとMan o'Warを持つ点で共通する両者ですが、血統表を見てわかるように、実はFriar RockとMan o'War自身が近親クロスを形成する関係にあります。

さらに深く掘り下げるならば、Busher≒Busandaの父であるWar AdmiralとEight Thirtyの2代母Seaplaneは、近親関係にあります。



このように、遠い世代とはいえ、幾重にも米血脈による相似クロスを形成しているのが、ダンケシェーンの血統的特長です。

育成場や厩舎方面からは素質を評価されているダンケシェーン。

個人的にも、母のゼフィランサスには大きな期待をしているので、なんとか初仔のダンケシェーンから結果を出してほしいものです。