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【血統・配合】ハーランズワンダーの2020(友駿ホースクラブ募集馬 牡 父エスポワールシチー)

2020年12月29日 | クラブ募集馬
今回は、友駿ホースクラブから2020年度産募集馬として、当場生産馬のハーランズワンダーの2020が募集されることになったのでこのブログ上でも紹介させていただきます。

本馬は、エスポワールシチー産駒ということもあり、縁あって友駿ホースクラブから募集されることになりました。

【カタログ用撮影時の写真(2020年10月撮影)】



【2020年12月下旬に撮影】






12月20日現在の本馬の測尺は、以下のとおりです。

【体高】146cm 【胸囲】163cm 【管囲】19.1cm 【馬体重】359kg

これは当場平均と同等か、やや上の数字になります。

母ハーランズワンダーは初仔の牝馬ということもあってそれほど大きくならず、小柄な馬体で競馬しましたが、本馬は彼女の産駒ながら2番仔の牡馬なので馬体は立派に成長しています。

2020年の10月に友駿ホースクラブさんのカタログ用写真を撮影する際には、あらかじめ立ち姿の練習などをしていたこともあり、横・前・後すべての撮影含めて10分程度で終わりました。

こちらの指示をよく理解してくれるなど、教えたことをすぐに吸収してくれる点は競走馬として好ましい資質だと思います。

父エスポワールシチーに似て節々がしっかりしていて、ここ最近はその骨格に筋肉が乗ってきて、以前よりも丸味を帯びた馬体になっています。

10月時の写真より12月の写真のほうが厚みが増してスピード色が強い馬体に映りますが、母がこういう馬体なので、いまのところは父母それぞれに似ている印象を受けます。

冬期でも昼夜放牧している関係で、ボディコンディションを意識的に上げているので、以前よりも肉付きが良くなっています。

そのなかでも熱発などの病気は一切せず、ここまでの成長過程は非常に順調です。


さて、ここからは本馬の血統をご紹介します。

母ハーランズワンダーは中央で3戦するもなかなか成長が見られず、未勝利のままホッカイドウ競馬に転厩。

滞在競馬が合っていたのか、短距離路線で10戦5勝2着2回3着2回とスピード能力の高さを窺わせました。

その後、前脚に小さな骨片が見つかり、手術をしたら現役続行が可能な状況でしたが、繁殖牝馬としても期待していたので現役を引退して当場へ帰ってきました。

現在は重賞勝ち馬モズベッロの半姉という血統でもあるので、繁殖牝馬として大きな期待をしているところです。


父エスポワールシチーはダートG1を9勝した名馬で、現在は当場と同じ新冠町の優駿SSに種牡馬として繫養されています。

ダートのマイル前後で一流の成績を残したようにスピードとパワーに優れた馬で、産駒にもその特徴をよく伝えています。

エスポワールシチーが種牡馬入りした当初は、まだ産駒傾向が出ていない時期だったので、その父ゴールドアリュール産駒の成功パターンを踏襲する配合を意識しました。

具体的には、ゴールドアリュール産駒は母方にMr.Prospectorの血を持っていると活躍傾向にあります。

そのため、エスポワールシチーとの配合でもMr.Prospectorの血を引く繁殖牝馬と配合してみようと思いハーランズワンダーと配合して、本馬が生まれた経緯があります。

ハーワンズワンダーはMr.Prospector4×5を持ち、さらにそのMr.Prospectorの3/4同血であるMarshua's Dancerの血が6代目に位置しています。





そして、エスポワールシチー産駒がすでにデビューしている現在、やはりと言うべきか、エスポワールシチー産駒もまた母方にMr.Prospectorの血があると活躍傾向にあります。

例えば中央のOP馬ショームや交流重賞2着のメモリーコウ、あるいは地方重賞勝ち馬のヤマノファイトやインペリシャブルなどは、いずれもこの血統傾向を持っています。

Mr.Prospectorの血を持つ繁殖牝馬と相性が良い理由として、ゴールドアリュールやエスポワールシチーがNureyevの血を持っている点が挙げられるのでないでしょうか。





Nureyevの父はNearco系×Native Dancer系の組み合わせを持つNorthern Dancerですが、Mr.Prospectorは逆の組み合わせで同様の血統パターンをしています。

さらに、Nureyevの母方にあるNantallahとMr.Prospectorの母父Nashuaは、これまた血統的親和性が高い関係にあります。





このような血統的な裏付けから、Mr.Prospectorの血が強いハーランズワンダーにエスポワールシチーを配合して本馬が生まれましたが、馬体を見る限りうまく行ったと思っています。

これ以外にも、本馬の配合にはいくつかの相似クロスを織り交ぜました。

Bramalea≒Gold Digger5×6*7、Halo≒Red God4×5*5*6、Nijinsky≒The Minstrel6*6などがそうです。









基本的には、北米血脈らしいスピードとパワーを意識した配合になっていますし、馬体的にもそのような感じに出てくれたと思います。

エスポワールシチー産駒は先週2頭の新馬勝ちが出るなど、地方のみならず中央でもダートを中心に勝ち馬を出しています。

本馬も中央所属の予定なので、父の産駒らしい活躍を見せてほしいと願っています。

なお、今後は定期的に本馬の近況をお伝えする予定ですので、次回までしばらくお待ちください。



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