むすんで ひらいて

YouTubeの童話朗読と、旅。悲しみの養生。
ひっそり..はかなく..無意識に..あるものを掬っていたい。

今日も、バリ日和 〈4〉

2014年08月29日 | 旅行

お水を少し冷たく感じ、さんまや栗のごはんを炊きたくなってきました。

 

季節が変わっていくと、旅の中のさりげない場面が、ひと際色濃く、心におさまってくるようです。

それは、わたしにとって、夜の灯りに波しぶきの煙っていた、オベロイホテルの野外レストランです。

 

夕暮れ時、ホテルの前の海岸には、たくさんの人たちが集まってきて、海と移りゆく空の一部になって歩いているように見えました。

ピンクも金色もキレイですが、影までが美しく、安らぎに満ちていました。

 

ここから一時間半くらいお散歩をして、ビーチサイドレストランのにぎわいを愉しみ、途中すっかり暗くなった砂浜をホテルまで帰ってくると、なんとも、ほっとした気分になりました。 

 

 

 

 

 

 

 

さてビーチサンダルの砂を落とし、レストランへ向かうことに。

 

着いた初日は土曜日だったので、脇の舞台で、バリ舞踊が披露されていました。

その時薦められたディナーコースは、前菜に続いて、シーフードバーベキュウ盛り合わせ、七種のお惣菜、四種のパン、デザート盛り合わせ・・・で、追加にコーヒーを頼んだら、ひと品ひと品がたっぷりあったので、ボリュームが普段の食事の三倍くらいになってしまいました。

これはたいへん。と、翌日は、アラカルトを注文して、ちょうどいい塩梅に。

この3日目は、平日なので、コースの品数が週末のそれよりやや少なめ。

これなら大丈夫そう。と、頼んでみたら・・・

メインに、豪快な骨付肉の煮込みが、ドドーン!! 

以前、友人の地元、インドネシア・スラウェシ島南部のマカッサルに足を延ばし、チョト・マカッサル CotoMakassar という郷土料理(牛肉とモツをスパイスとハーブで煮込んだスープ )の屋台の前で、ヒトの野生に感動したのを思い出しました。

スープの中の、こぶし大のぶつ切り牛骨も、出し殻にあらず。

お店の前に置かれたテーブルに、地元の人がだいたい6人ずつ相席し(日本でいうなら牛丼屋さんのような雰囲気で、男性が多め)、その中の骨髄を熱心にスプーンですくっているのを見て、「オーッ!!」と思っていたら、

「コラーゲンがあっていいんだよ。」

と、友人が、まるでコーンに盛られたサーティワンアイスを「味見する?」みたいに、関節の骨を差し出してくれました。

 

・・・ そんなびっくりが、旅の醍醐味です。

 

またこのレストランで味わったインパクトも、今、最高のひとときとして思い返しています。

そこは、キャンドルにほんのりと明るく、毎夜、ジェゴグの生演奏に彩られた和やかな雰囲気。

正面の波は、照明で白く浮かび、その絶え間なく打ち寄せる音が聞こえました。

 

 

食後、一輪の花を受け取って、今はもう潮が満ち、砂浜の見えなくなった波の行列の前に、佇みました。

芝生を横切り、コテージに戻ってきてもまだ、それは、遠く深くで鳴っていました。

 

  

 

 

 

 

 

(つづく   ) 

 


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