夜、19時前後は、庭の虫たちの歌声が最高潮
帰宅して、鞄の中からチリチリ鳴っていたキーホルダーの鈴の音も、すっかりかき消されてしまいます。
さて先日、バリ島でお会いした奈々子さんのお母さんに、人生いろいろあったわよ・・・な経験談をきいてから、妙に、裏のポプラの木が心に沁みてきました。
夏の台風で、暴風に振り回されていた数本の枝は、そのうち元に戻るだろうと思って見ていたけれど、ひと月半経ってもしなったまま。
あの後、細い枝の葉っぱは、紅葉みたいに色づいて、数か所枯れたところもありましたが、大振りの枝たちは、今、曲がったまま元気に葉を茂らせています。
もう、直後のぐったり感はありません。
起きることをそのままに、こだわらずに咲いていく姿を、美しく思いました。
今はちょっと、ぼっさり、かわいいポプラが、芝生の上にまあるい木陰をつくって、サラサラ葉を揺らしています。
奈々子さんも、10年間の結婚生活に区切りをつけて新生活に踏み出し、ストレスで崩していた体調が回復してきた頃に今のご主人と出会い、バリ島に住む決意をし、再婚したとたん、それまであきらめていたお子さんに恵まれて、今は心のままに暮らしていらっしゃいました。
ご主人は、人のオーラが“見える”スピリチュアルな方で、いつも何かを決める時、
「それは本当に、Dari hati(こころから)?」
と、彼女と一緒に確かめ合うそうです。
すぐには、「心から」かわからない選択をする時もありますが、その言葉は、自分にやさしく、得とか損とか、そうしなきゃとか、他人からどう見えるか、今まではこうだったから、という基準を超えて、静かに全身で向き合っていかないと、本当には報われないことを、わたしに思い起こしてくれました。
彼女たちと会った翌々日、バリ最終日の午前中は、オベロイホテルのスパで、 フット、ボディ(全身)、フェイシャルの3時間トリートメントを受けました。
オープンエアのそよ風と、マッサージの心地よさに身をゆだねたひとときは、あっという間でした。
ところが夕方、飛行機に乗る時間が近づいてくると、食べ物の違いが応えたか安堵からなのか、父の体調がだんだんと思わしくなくなってきました。
ひやひやしながら、それでもなんとかかんとか日本に着いて、さいごの力で中部国際空港のお風呂に浸かってさっぱりし、機内食抜きだった二日前の夜以来の食事にきしめん半人前を食べ、好物の魚の粕漬けをお土産に買ったあたりで、ようやく復活を遂げました。
それにもかかわらず、後日、「また行きたいな♪」と言ってくれたので、ほっとしました。
この旅で泊まったAYANAにもオベロイにも、わたしのDari hatiから望む「心の平安」に添う空間がありました。
と同時に、今もわたしの心の中には、まだ過去のひきつれが残っていて、似たような状況に出くわすと、そこがキリキリ痛むことがあります。
またやっぱりそんな時こそ、責めたりわるものにしたりせずに迎え、今の光に照らしていこうと思います。
その旅は、まだまだ続きます
かうんせりんぐ かふぇ さやん http://さやん.com/