なぜアイヌだけ

　アイヌ民族が、先住民族に認められたなら、琉球民族だって認められていいはずだ。*(コム)*
　

ガイサンシー上映会

　日中戦争からアジア太平洋戦争の間、日本は中国の東北部に満州という傀儡国家を作り、王道楽土をスローガンに、五国協和を唱え、その盟主に日本が座るというばかばかしい夢を描いていた時代があった。
　
　１９４１年から始まった太平洋戦争前に始まった百団作戦が、八路軍の手によって実施されたのは１９４０年の９月だった。反日大攻勢の幕開けだった。
　日本軍は、面ではなく、点でしか中国を抑えることが出来なかった。
　この映画は８０分の長編ドキュメンタリーで、監督は中国人の班忠義さん。
　『崖山西とその姉妹たち』（ガイサンシーとそのしまいたち）(姉妹たち=同じ境遇にあった女性たち）
日本軍の兵士たちによって連れ去られ、監禁され輪姦され、暴行を受け廃人のように捨てられた過去を封印してきた女性たちを追った映画の上映会が、葛飾区のシンフォニーヒルズ・アイリスホールであった。
　元日本兵の証言、ガイサンシーとは、村一番の美人だという意味があるというナレーションが入る。
彼女が生きていたときの映像、彼女を本当の姉のように慕う同じ境遇にあった女性たちが次々に証言していく。『従軍慰安婦』という言葉は、戦後生まれた言葉だが、『慰安所』と呼ばれる施設が、駐屯地近くに設けられていたことは確かだ。
　笑いながら当時を語る元日本兵、慰安所があったから中国人をさらうことはなかったと語っていた。あの頃は楽しかったと。
　９０を越えたその女性は生きるのがつらいと自ら命を絶っていて、直接取材が出来なかったという。
淡々と証言する加害側と、被害側が描かれた映画だった。
　

　従軍慰安婦に関する機密文書が、イギリスの公開文書の中から見つかった。日本人の慰安婦たちを、軍の看護婦として雇用するように海軍が敗戦直後に打った電報だった。
　戦後の連合軍の追及を逃れるために工作しようと出した命令だったのか。これは軍が慰安婦に関わっていない、ということを否定する第１級の資料だと思う。