3月時点で絶対行くと心に誓い、今年
最も楽しみにしていた『若冲展』に
行って参りました。
朝からワクワク感を演出したくなって、
私にしては珍しく、久しぶりにネイル
アートも施してみました。
ケバくなり過ぎないよう足だけですが。

実は若冲展のイメージを少し取り入れ
てみたつもり。
若冲がよく描いた植物や鶏の羽根の色
などから着想を得て。
たまにはこんな遊びもいいのかな。
開催場所は、上野にある東京都美術館。

開催最終日の一日前の5/14に行って
きたのですが、同行を希望していた
音楽仲間も、予定の一週間程前に
ようやく仕事の折り合いを付けられた
ようで、共に鑑賞することができまし
た。
宣伝もテレビ番組や書籍など、様々な
メディアで広く展開していた上、終了
一日前だったので、大混雑を予想して
絶対午前中の内に会場に行くと決め、
待ち合わせ後はまず宿泊地に直行し、
荷物を預けてから臨みました。
美術展に行ったことのない音楽ファン
の方には、大勢のファンを抱える
ミュージシャンの大規模なコンサート
をイメージして頂くと少し共通した
イメージが伝わるでしょうか。
コンサートの場合は、開場時間が
たとえ昼下がりだったとしても、
座席が決まっていたとしても、
グッズを確実に手に入れたいと考える
多くのファンが、売り切れを恐れて
早朝からお昼前に物販ブースもしくは
会場の入り口に長蛇の列を作る状況が
必ず起きます。
そこにお昼ご飯を食べ終わったあと
ぐらいの頃から、成り行き任せな
マイペースなファン(私のような人
ですね
)が、更に並ぶ訳です。
これと似たような状況が美術展(博覧
会など)でも起こります。
美術館のような、展示を主とする施設
は、大概午前10時頃に開き、それと
同時に入場受け付けを開始します。
人気のある展覧会なら朝一から来場者
が殺到し、早速長蛇の列を作ります。
祝日の朝のディズニーランドなんか
でもそんな光景を目にしますね。
(私はもう10年以上行ってませんが、
今は寧ろUSJに行きたいかも。)
ディズニーランドと美術展で大きく
異なる点は、敷地の面積も当然ですが、
アトラクションと展示品という性質の
違うものが来場者の娯楽の対象である
ということ。
アトラクションは、一つ楽しむのに
かかる時間がおよそ決まって稼働して
います。
更にコンサートと比較しても似たこと
が言えると思います。
コンサートなら物販開始と開場し次第、
列は開演時刻直前にはだいぶ縮まって
人が捌けるので、殆どの人は開演まで
にはなんとか間に合います。
(万が一途中で開演時刻になりそうな
場合は、イベンターが終演後も購入
できる体制を持たせて対応することも
ありますので。)
そして開演は大体夕方で、そこから
公演が終わるまで平均して2時間半
くらいと考えますが、遅刻や途中退出
する人を除けば、この開演から終演
までの時間が、来場した観客にとって
約束された共通の鑑賞時間になります。
座席の用意された内容であれば、座り
ながら鑑賞することも可能なので、
立ち見の疲れを時々軽減しながら
楽しめるというものです。
これはディズニーランドのような
アミューズメントパークのアトラク
ションを楽しんでいる間の感覚に
似ているかもしれません。
(ただアトラクション1つを体験する
時間自体は短いので、あくまでも
鑑賞時間が観客に対して平等に提供
されるという意味ですが。)
しかしです。美術展のような、展示物
鑑賞型の娯楽には、これらと明らかに
違う点があるのです。
今回観た若冲展ほど、それを強く意識
させられたことはありませんでした!
それは、人によって、対象の展示物の
内容によって、展示物一つにかかる
鑑賞時間が全く異なるということ…。
これは、実際に見てもらってからしか、
実質どれ程の時間がかかるのか予想
できない要素です。
何故なら、見る人によって作品への
関心の深さや思い入れ、鑑賞の観点が
かなり違うから。
一つ一つをじっくり見る人もいれば、
一瞬しか見ず、飛ばしてみる人も
います。
更に、気質によって鑑賞中の移動
スピードが違うので、入館から退館
までに費やす時間がそれぞれ違い、
お互いに移動の際、行く手を阻めば
またその分時間が加算されてしまい、
全体の流れも確実に滞ります。
伊藤若冲の作品の見所の一つに、精密
な描写と巧妙な技法があり、これを
じっくり見て解説を受けたい方には、
拡大スコープ(双眼鏡みたな形)や音声
ガイドの機械とヘッドフォンを有料で
貸し出すサービスがあり、こうした
サービスは他の展覧会でもよくある
ものではありますが、これが仇になる
ような事態も見受けられました。
ただでさえ強い関心を持って臨む鑑賞
者が多い展覧会なので、皆じっくり
足を止めがちな為、退出するまでの
進行スピードが遅い中、作品の真正面
に数十分張り付いて動かないでいる方
もおり、列の進行が妨げられてしまっ
ている現場に何度も遭遇したのです。
そんな時、なんで全く動かないの?
と視線を向けると、音声ガイドと
拡大スコープを使っているのが見え
ました。
音声ガイドは、対象作品全てについて
聴き終わるのに、トータル30分程
かかるというような文言を受付付近で
見かけたので、これらの関係も疑い
ました。
音声を聴いたりスコープを覗いている
間は特に、集中し過ぎて後ろにつかえ
ている列や、周りの状況に気を払え
なくなるのではないでしょうか。
お一人で鑑賞されているご年配や、
若い女性二人組などにそんな様子が
多々見受けられました。
これには同行者も苛立ちを隠せない
様子でした…。
恐らく主催側も困惑した状況だった
のではないでしょうか。
混雑の予想される日に訪れた鑑賞者
の立場から申し上げますと、実は
これ以外にも非常に過酷な状況が
ありました。
ご年配の方や小さなお子様連れの方も
大勢いらっしゃっていたので、リアル
タイムでのことの他、帰られた後や
翌日のことまでも、皆様どうされたか
気掛かりでした。
この日は天気が良かったのを幸いと
していましたが、結果日が暮れるまで
日照り続きで、その上、午前中から
入場する為の列に並んだにもかかわ
らず、なかなか列が進まない。
ようやく進んで、折り返し地点だ!と
喜ぶのも束の間、その後何度も折り
返し地点を見間違え、真の折り返し
地点を過ぎても、列の先は果てしない。
その途中で、日傘を希望者に無料で
貸し出すサービスを受けました。
完全に夏日でしたね。
私は五分袖のカットソーの上に、目の
粗い半袖のニットをかぶって、
ジーンズにサンダル履きの装いでした
が、そこに時々風が吹いたお陰で
少しは涼しく過ごせました。
他には、具合が悪くなった人向けに
屋根付きの仮設のテント(運動会とか
でよく使われるようなもの)や、無料で
水分補給できるサーバーが用意されて
おり、何人か椅子に座って休まれて
いました。
美術館の入り口の見える付近に差し
かかった頃、警備員さんが気さくに
来場者に向けて少し笑いを誘いながら
労いの言葉をかけていました。
彼もまた私達と同じで、お昼ご飯を
食べずに頑張っているとのことでした。
痛み分けって奴ですか?
一日中外にいて大変な仕事ですね…。
そうなのです。午前中から並んでいた
人の中にはまともに食べていない人も
かなりいた訳で、朝から様子を見て
いた彼はそれを分かっていたのです。
私は自分の読みが浅かったと思い知ら
されました。
予定では午前中の内に入場を済ませ、
鑑賞時間を二時間程と仮定し、見終
わってから少し遅めのランチを食べ
よう、なんて悠長に考えていました。
それにしても、途中でお腹が空いて
具合が悪くなったりしても怖いので、
事前に片手で食べれるような物や
飲み物を買って、屋外でささっと食べ
てから列に並んでみたのですが、
現実は予想を大きく上回っていました
入場できたのはなんと17時ですよ…。
ここの入場最終受付時間が17:30まで
と聞いていたので、青ざめました…
ここまで並んだ以上引き下がる訳には
いかない…そんな意地を全ての参列者
に感じながら、痛む骨盤と腰と足の裏と
足首とふくらはぎを引きずりつつ入場。
マジで痛かったんだから!
直前に、中に入ってからもチケットを
切るまで更に30分待つことを宣告され
ましたが、今更恐れることもなし
そして展示スペースに入ってからは
先程お伝えした通りです。
様々な障害にハマって、気付いたら
閉館時刻の18時まであと30分!!
じっくり順番に見ている場合では
ありません。
少しの犠牲は覚悟するしかない。
一部の作品は、ざっくり見てあまり
時間をかけないように努めました。
辺りを小まめに見回し、少しでも
空いた瞬間が見えた作品を見かけたら、
ともかくダッシュ。
サッカーでシュートを決めに隙を突く
感覚に近くなっていました。
本当は全部もっとじっくり見たくても
人が混み入っている作品は後回しにし、
遠くから確認した際にもしも隙を見つ
けられたら、そこで改めて接近して
リベンジ。
この時の私達、多分若冲の描く鶏や鷹
ぐらい瞳孔開いて険しい目をしていた
と思います(笑)。
そして最も私が見たかった作品に狙い
を付け、優先的に最接近してそこは
一番時間をかけて鑑賞。
但し張り付きすぎるとクレームもん
なので、徐々に進行しながら。
でももうちょっと見たいと思った部分
は、一旦絵から離れた後に再度隙を
見つけて、進みながら眺めたり。
そんな風に戦略的に挑んだら、何とか
ひと通り見れました。
まるで試験みたいですね…。
最初の問題だけにつまずいていたら
他の問題に手をつけられず、10問中
1問しか解けないか、下手したら結局
1つも解かずに終了してしまう罠。
これは何としても避けたい。
しかしタイムリミットが迫る最中、
更に勝負を挑まなければならない
ことが…
結構楽しみにしていたグッズ販売が
まだ残っているではないですか!
わっ!あと25分で閉館時刻じゃん!
なのに物販ブースも長蛇の列!!!
急いで買うものを決め、またしても
並ぶことに。
魅力的なグッズばかりで結構迷ったん
ですけどね。
実用的な観点と、記念と勉強に最適な
ものというところで、いくつかに絞り
ました。
私が最も強く感銘を受けた作品を
モチーフにしたクリアファイル2種と
チケット向けのクリアファイルと
手拭いと、今回の美術展の図録。

右上が図録で、その下は大きいクリア
ファイルを内側から開いたもの。

左の赤いのはチケット。
私はWEB版の前売り券を買っていた為、
当日受付でQRコードを見せたら、
紙のチケットと引き換えることが
できました。

図録は発色も紙質も良く、装填も美し
く全体的にゴージャスで、同行者も、
値段以上の価値のあるものだと、大変
満足しておりました。
レジに向かう列に並んでいる間、ふと
窓の外に目をやると、まだ入場待ちの
人の列が!?
あと5分で閉館だし、受付17:30まで
って聞いてたけどどうなっちゃってる
の??
どうやら閉館時刻を18:30に伸ばした
らしい。
そうしてくれないと、まだ並んでる人
が可哀想過ぎますよね…。
それにしても入場できたところで、
鑑賞時間はきっとカオス
物販ブースもきっと延長して対応する
ことになったのでしょう。
グッズはみんな絶対楽しみにしていた
はずだし、そうでないと悲惨過ぎます
…
いろいろ勉強になりました。
今後また何かの展覧会に臨む際の教訓
になりました。
今までの人生上、最も長時間列に並び、
立ちっ放しで過ごしたと思います。
これを食らうと体がどうなるかも
よく分かりました
足の裏がここまで痛くなったのは、
数年前に一人旅で江の島をブラついて
夜までいた時以来です…。
あの時は痛過ぎて、江の電内で立って
いられなくなって、敢え無くドアの横
でしゃがんでしまい、周囲からの
冷たい視線にひたすら耐えてたんだ
っけ…。
しかし楽しみにしていた人と一緒に
行けて良かったなぁ。
同じ物に熱を持って興味を持てる人
というのは、私の周りではかなり
珍しいので、嬉しい限りです!
それと元々好きな画家は何人かいます
が、伊藤若冲の真の凄さに気付いて
からは私の中で革命が起こってしまい、
勝手ながら、世界一の画家という認識
に至りました。
時代背景や当時の絵画における通念
なども踏まえて考えると、恐れ入って
震えます!
美術館を出てきたらランチを、なんて
言ってましたが、結局そのまま夕飯を
食べにそのまま上野で居酒屋に入る
ことにしました。
とりあえずルービーで乾杯して、
そのあとは酎ハイ系とカクテル系で
しーおいを楽しみながらしこたま
喋って。
本当はね、早めに引き上げてこれたら
今回のメンツがギター弾き同士だった
んで、持ってきたDIGI-ZO(エフェク
ターとアンプが内蔵されたミニエレキ
ギター)で夕食頃まで遊ぼうと思って
いたんですけどね…。
宿に戻ってきてからは疲れ果てて、
お風呂済ませて結局即寝でした~
後半へ続く!
最も楽しみにしていた『若冲展』に
行って参りました。
朝からワクワク感を演出したくなって、
私にしては珍しく、久しぶりにネイル
アートも施してみました。
ケバくなり過ぎないよう足だけですが。

実は若冲展のイメージを少し取り入れ
てみたつもり。
若冲がよく描いた植物や鶏の羽根の色
などから着想を得て。
たまにはこんな遊びもいいのかな。
開催場所は、上野にある東京都美術館。

開催最終日の一日前の5/14に行って
きたのですが、同行を希望していた
音楽仲間も、予定の一週間程前に
ようやく仕事の折り合いを付けられた
ようで、共に鑑賞することができまし
た。
宣伝もテレビ番組や書籍など、様々な
メディアで広く展開していた上、終了
一日前だったので、大混雑を予想して
絶対午前中の内に会場に行くと決め、
待ち合わせ後はまず宿泊地に直行し、
荷物を預けてから臨みました。
美術展に行ったことのない音楽ファン
の方には、大勢のファンを抱える
ミュージシャンの大規模なコンサート
をイメージして頂くと少し共通した
イメージが伝わるでしょうか。
コンサートの場合は、開場時間が
たとえ昼下がりだったとしても、
座席が決まっていたとしても、
グッズを確実に手に入れたいと考える
多くのファンが、売り切れを恐れて
早朝からお昼前に物販ブースもしくは
会場の入り口に長蛇の列を作る状況が
必ず起きます。
そこにお昼ご飯を食べ終わったあと
ぐらいの頃から、成り行き任せな
マイペースなファン(私のような人
ですね

これと似たような状況が美術展(博覧
会など)でも起こります。
美術館のような、展示を主とする施設
は、大概午前10時頃に開き、それと
同時に入場受け付けを開始します。
人気のある展覧会なら朝一から来場者
が殺到し、早速長蛇の列を作ります。
祝日の朝のディズニーランドなんか
でもそんな光景を目にしますね。
(私はもう10年以上行ってませんが、
今は寧ろUSJに行きたいかも。)
ディズニーランドと美術展で大きく
異なる点は、敷地の面積も当然ですが、
アトラクションと展示品という性質の
違うものが来場者の娯楽の対象である
ということ。
アトラクションは、一つ楽しむのに
かかる時間がおよそ決まって稼働して
います。
更にコンサートと比較しても似たこと
が言えると思います。
コンサートなら物販開始と開場し次第、
列は開演時刻直前にはだいぶ縮まって
人が捌けるので、殆どの人は開演まで
にはなんとか間に合います。
(万が一途中で開演時刻になりそうな
場合は、イベンターが終演後も購入
できる体制を持たせて対応することも
ありますので。)
そして開演は大体夕方で、そこから
公演が終わるまで平均して2時間半
くらいと考えますが、遅刻や途中退出
する人を除けば、この開演から終演
までの時間が、来場した観客にとって
約束された共通の鑑賞時間になります。
座席の用意された内容であれば、座り
ながら鑑賞することも可能なので、
立ち見の疲れを時々軽減しながら
楽しめるというものです。
これはディズニーランドのような
アミューズメントパークのアトラク
ションを楽しんでいる間の感覚に
似ているかもしれません。
(ただアトラクション1つを体験する
時間自体は短いので、あくまでも
鑑賞時間が観客に対して平等に提供
されるという意味ですが。)
しかしです。美術展のような、展示物
鑑賞型の娯楽には、これらと明らかに
違う点があるのです。
今回観た若冲展ほど、それを強く意識
させられたことはありませんでした!
それは、人によって、対象の展示物の
内容によって、展示物一つにかかる
鑑賞時間が全く異なるということ…。
これは、実際に見てもらってからしか、
実質どれ程の時間がかかるのか予想
できない要素です。
何故なら、見る人によって作品への
関心の深さや思い入れ、鑑賞の観点が
かなり違うから。
一つ一つをじっくり見る人もいれば、
一瞬しか見ず、飛ばしてみる人も
います。
更に、気質によって鑑賞中の移動
スピードが違うので、入館から退館
までに費やす時間がそれぞれ違い、
お互いに移動の際、行く手を阻めば
またその分時間が加算されてしまい、
全体の流れも確実に滞ります。
伊藤若冲の作品の見所の一つに、精密
な描写と巧妙な技法があり、これを
じっくり見て解説を受けたい方には、
拡大スコープ(双眼鏡みたな形)や音声
ガイドの機械とヘッドフォンを有料で
貸し出すサービスがあり、こうした
サービスは他の展覧会でもよくある
ものではありますが、これが仇になる
ような事態も見受けられました。
ただでさえ強い関心を持って臨む鑑賞
者が多い展覧会なので、皆じっくり
足を止めがちな為、退出するまでの
進行スピードが遅い中、作品の真正面
に数十分張り付いて動かないでいる方
もおり、列の進行が妨げられてしまっ
ている現場に何度も遭遇したのです。
そんな時、なんで全く動かないの?
と視線を向けると、音声ガイドと
拡大スコープを使っているのが見え
ました。
音声ガイドは、対象作品全てについて
聴き終わるのに、トータル30分程
かかるというような文言を受付付近で
見かけたので、これらの関係も疑い
ました。
音声を聴いたりスコープを覗いている
間は特に、集中し過ぎて後ろにつかえ
ている列や、周りの状況に気を払え
なくなるのではないでしょうか。
お一人で鑑賞されているご年配や、
若い女性二人組などにそんな様子が
多々見受けられました。
これには同行者も苛立ちを隠せない
様子でした…。
恐らく主催側も困惑した状況だった
のではないでしょうか。
混雑の予想される日に訪れた鑑賞者
の立場から申し上げますと、実は
これ以外にも非常に過酷な状況が
ありました。
ご年配の方や小さなお子様連れの方も
大勢いらっしゃっていたので、リアル
タイムでのことの他、帰られた後や
翌日のことまでも、皆様どうされたか
気掛かりでした。
この日は天気が良かったのを幸いと
していましたが、結果日が暮れるまで
日照り続きで、その上、午前中から
入場する為の列に並んだにもかかわ
らず、なかなか列が進まない。
ようやく進んで、折り返し地点だ!と
喜ぶのも束の間、その後何度も折り
返し地点を見間違え、真の折り返し
地点を過ぎても、列の先は果てしない。
その途中で、日傘を希望者に無料で
貸し出すサービスを受けました。
完全に夏日でしたね。
私は五分袖のカットソーの上に、目の
粗い半袖のニットをかぶって、
ジーンズにサンダル履きの装いでした
が、そこに時々風が吹いたお陰で
少しは涼しく過ごせました。
他には、具合が悪くなった人向けに
屋根付きの仮設のテント(運動会とか
でよく使われるようなもの)や、無料で
水分補給できるサーバーが用意されて
おり、何人か椅子に座って休まれて
いました。
美術館の入り口の見える付近に差し
かかった頃、警備員さんが気さくに
来場者に向けて少し笑いを誘いながら
労いの言葉をかけていました。
彼もまた私達と同じで、お昼ご飯を
食べずに頑張っているとのことでした。
痛み分けって奴ですか?
一日中外にいて大変な仕事ですね…。
そうなのです。午前中から並んでいた
人の中にはまともに食べていない人も
かなりいた訳で、朝から様子を見て
いた彼はそれを分かっていたのです。
私は自分の読みが浅かったと思い知ら
されました。
予定では午前中の内に入場を済ませ、
鑑賞時間を二時間程と仮定し、見終
わってから少し遅めのランチを食べ
よう、なんて悠長に考えていました。
それにしても、途中でお腹が空いて
具合が悪くなったりしても怖いので、
事前に片手で食べれるような物や
飲み物を買って、屋外でささっと食べ
てから列に並んでみたのですが、
現実は予想を大きく上回っていました

入場できたのはなんと17時ですよ…。
ここの入場最終受付時間が17:30まで
と聞いていたので、青ざめました…

ここまで並んだ以上引き下がる訳には
いかない…そんな意地を全ての参列者
に感じながら、痛む骨盤と腰と足の裏と
足首とふくらはぎを引きずりつつ入場。
マジで痛かったんだから!

直前に、中に入ってからもチケットを
切るまで更に30分待つことを宣告され
ましたが、今更恐れることもなし

そして展示スペースに入ってからは
先程お伝えした通りです。
様々な障害にハマって、気付いたら
閉館時刻の18時まであと30分!!
じっくり順番に見ている場合では
ありません。
少しの犠牲は覚悟するしかない。
一部の作品は、ざっくり見てあまり
時間をかけないように努めました。
辺りを小まめに見回し、少しでも
空いた瞬間が見えた作品を見かけたら、
ともかくダッシュ。
サッカーでシュートを決めに隙を突く
感覚に近くなっていました。
本当は全部もっとじっくり見たくても
人が混み入っている作品は後回しにし、
遠くから確認した際にもしも隙を見つ
けられたら、そこで改めて接近して
リベンジ。
この時の私達、多分若冲の描く鶏や鷹
ぐらい瞳孔開いて険しい目をしていた
と思います(笑)。
そして最も私が見たかった作品に狙い
を付け、優先的に最接近してそこは
一番時間をかけて鑑賞。
但し張り付きすぎるとクレームもん
なので、徐々に進行しながら。
でももうちょっと見たいと思った部分
は、一旦絵から離れた後に再度隙を
見つけて、進みながら眺めたり。
そんな風に戦略的に挑んだら、何とか
ひと通り見れました。
まるで試験みたいですね…。
最初の問題だけにつまずいていたら
他の問題に手をつけられず、10問中
1問しか解けないか、下手したら結局
1つも解かずに終了してしまう罠。
これは何としても避けたい。
しかしタイムリミットが迫る最中、
更に勝負を挑まなければならない
ことが…

結構楽しみにしていたグッズ販売が
まだ残っているではないですか!
わっ!あと25分で閉館時刻じゃん!
なのに物販ブースも長蛇の列!!!

急いで買うものを決め、またしても
並ぶことに。
魅力的なグッズばかりで結構迷ったん
ですけどね。
実用的な観点と、記念と勉強に最適な
ものというところで、いくつかに絞り
ました。
私が最も強く感銘を受けた作品を
モチーフにしたクリアファイル2種と
チケット向けのクリアファイルと
手拭いと、今回の美術展の図録。

右上が図録で、その下は大きいクリア
ファイルを内側から開いたもの。

左の赤いのはチケット。
私はWEB版の前売り券を買っていた為、
当日受付でQRコードを見せたら、
紙のチケットと引き換えることが
できました。

図録は発色も紙質も良く、装填も美し
く全体的にゴージャスで、同行者も、
値段以上の価値のあるものだと、大変
満足しておりました。
レジに向かう列に並んでいる間、ふと
窓の外に目をやると、まだ入場待ちの
人の列が!?
あと5分で閉館だし、受付17:30まで
って聞いてたけどどうなっちゃってる
の??
どうやら閉館時刻を18:30に伸ばした
らしい。
そうしてくれないと、まだ並んでる人
が可哀想過ぎますよね…。
それにしても入場できたところで、
鑑賞時間はきっとカオス

物販ブースもきっと延長して対応する
ことになったのでしょう。
グッズはみんな絶対楽しみにしていた
はずだし、そうでないと悲惨過ぎます
…

いろいろ勉強になりました。
今後また何かの展覧会に臨む際の教訓
になりました。
今までの人生上、最も長時間列に並び、
立ちっ放しで過ごしたと思います。
これを食らうと体がどうなるかも
よく分かりました

足の裏がここまで痛くなったのは、
数年前に一人旅で江の島をブラついて
夜までいた時以来です…。
あの時は痛過ぎて、江の電内で立って
いられなくなって、敢え無くドアの横
でしゃがんでしまい、周囲からの
冷たい視線にひたすら耐えてたんだ
っけ…。
しかし楽しみにしていた人と一緒に
行けて良かったなぁ。
同じ物に熱を持って興味を持てる人
というのは、私の周りではかなり
珍しいので、嬉しい限りです!

それと元々好きな画家は何人かいます
が、伊藤若冲の真の凄さに気付いて
からは私の中で革命が起こってしまい、
勝手ながら、世界一の画家という認識
に至りました。
時代背景や当時の絵画における通念
なども踏まえて考えると、恐れ入って
震えます!
美術館を出てきたらランチを、なんて
言ってましたが、結局そのまま夕飯を
食べにそのまま上野で居酒屋に入る
ことにしました。
とりあえずルービーで乾杯して、
そのあとは酎ハイ系とカクテル系で
しーおいを楽しみながらしこたま
喋って。
本当はね、早めに引き上げてこれたら
今回のメンツがギター弾き同士だった
んで、持ってきたDIGI-ZO(エフェク
ターとアンプが内蔵されたミニエレキ
ギター)で夕食頃まで遊ぼうと思って
いたんですけどね…。
宿に戻ってきてからは疲れ果てて、
お風呂済ませて結局即寝でした~

後半へ続く!