渡り鳥の休息地

社会人アマチュアギター弾きNa-Neの頭ん中。
滞る割に突如アップする不定期ぶり。
北極星を見失って漂流中。

2016年12月25日 - 京都さすらい旅・後編

2016-12-25 | 
※→前回記事からの続きです。

旅の最終日。
今回の旅では、行きたい場所をエリアで
区切って決めました。
効率的に攻めねば中途半端にしか回れ
なくなるので。

今回は敢えて金閣寺、銀閣寺、清水寺、
三十三間堂などはパス。
まだ一度も行ったことないところに
絞りました。

今回の旅でまず行こうと思ったところが
ありまして。

親戚から聞いた話からの想像レベルで
しかありませんが、ちょっとしたロマン
を感じてみようかと。
武家の出と言われる母方が、稲荷神社の
建立に深く関わった一族の血を引いて
いる可能性がありそうで、ルーツに関係
していそうな場所も旅の目的に含めて
みようかと。

伏見稲荷大社は以前一度訪れたことが
あるので今回はパスしましたが、当時は
御朱印を頂かなかったので、いつかまた
じっくり参拝しようと思います。

いろいろ調べた結果、ご当地では蚕ノ社
と呼ばれている、木嶋坐天照御魂神社
(木嶋神社)という少しマニアックな神社
を訪れてみました。
京都駅前からバスが出ています。

やはりこういうの、いくつか撮っておくと
行く先々で超便利です。
バスの使い方に悩んだ時、拡大して見る
んです♪






神社に向かう参道。
鳥居や灯篭に『蚕養神社』とあります。
この神社が木嶋坐天照御魂神社の境内に
あるため、ここを通れば目的地に辿り
着けます。


ありました!




本殿。


中でもこの三本柱の鳥居を直に見て
みたかったんです。


東京にも三本柱の鳥居がある三囲神社
という神社があるんですが、蚕養神社を
信仰していた、かの三井家が作った神社
で、ここの鳥居をモデルに作ったそう
で。
いつかそちらも行ってみようと思って
います。
三井グループの企業様には一時貢献
させて頂いたこともありましたし、
お礼も兼ねて。

あと、境内に稲荷系の神社もあったので
参拝しました。


石室に入っている珍しい社。
古墳と一体化していて珍しいですね。


正直さびれた感じで、ちょっと不安に
なりました。
手水はあまりに汚すぎてボウフラとか
湧いてそうだったので、無礼と知りながら
今回はスルー…。


残念ながらこちらでは御朱印は対応
していませんでした。

でもいいんだ、この足でご先祖様に
所縁のありそうな場所をしかと見て
これたから。

次の目的地は、デザインが私好みの
カッコイイ御朱印帳があると知った、
大将軍八神社。
平安京最古の陰陽道施設と云われ、
平安京の西を司った場所。
八方除けのご利益があるとされ、歴史
的にもパワーが強そう。
最寄りは北野白梅町。

蚕ノ社の最寄りのバス停に戻り、道路を
渡って向かいにあるバス停へ移動。
大将軍八神社方面に行くバスを待って
いると、しばらくしてバスが来たので
乗り込む。

ワクワクしながら外を眺めていると…


…早速やらかした。。。



そのバス、さっきいた目の前のロータリー
に入っていったと思ったら、そこが終点で
止まった。。。

慌てて運転手に事情を伝え、無賃で無事
下車。
走って15秒で「ふりだしに戻る」(笑)。

そして再び向かいのバス停に。
そこで一部始終を目撃していたはずの
バス待ちの老婦人二人組に思わず愚痴ると
笑ってくれて少し救われました

「どこから来はったん?」
そんなノリから始まり、少し会話を
しました。
バスの乗り換えについてアドバイスも
頂いたりして。
西大路三条まで行って206番系のバスに
乗れば北野白梅町を通る、と。

ご婦人たちとは西大路三条で私が降りて
別れました。感謝。

目的のバス停に着くとちょうど昼時
だったので飲食店を探しましたが、
なかなかこれといった場所がない…。
困っているとイズミヤ(大きめのスーパー)
があるのに気づき、とりあえず入って
みることに。

案の定いくつか飲食店がありました。
かなり混んでいましたが背に腹は変え
られぬ。
茶房ひまわりというお店にあった、明石
焼きが美味しそうだったので、天丼との
セットメニューで食べてみることに
しました。


たこ焼きに似てるようで別物。
ソースではなく薄味のだし汁で食べます
が、これはこれで美味しい。

あまり寛いでいると時間がなくなるな、
と思ってイズミヤを出ると外はすごい
人だかり。
交通規制をしているようだ…。

何ごとかと思って見渡すと、次々と
男子高生ランナーが走り抜けて行く。
そういう日だったか!


慌ててググると、ちょうど全国高等
学校駅伝競走大会のコースになって
いることが分かりました。

それで、長いこと足止めを食らって
しまいました。
信号渡れないの(笑)。
これは想定外でしたね〜。

ランナーの列が切れて、渡れるように
なったら早歩きで移動。

北野白梅町の駅の近くにある川を渡って
少し歩いたところの横道に入るとあり
ました。





お目当の御朱印帳はこれです。
八方除けや干支ごとのお守りのデザイン
も気に入ったのでゲット。


まだ時間に余裕があったので、少しブラ
ついてみると、大将軍八神社の前の
通りは特殊な場所だと気付きました。



何だろう?ここは…。
神社の前にある通りは「一条通り」と
いうらしい。



わっ時間今回はないから寄れないけど、
百鬼夜行資料館?!気になる



おおっ!妖怪バージョンの飛び出し坊や!
ってか、一条ラーメンもそそられる…









へ〜妖怪アートかぁ。面白いね〜
オブジェ的なもの作るの、楽しいよね♪

なんでも、不要にされた道具たちが
ある日軒先に捨てられた為、人間を
恨んで化けて妖怪となり、この通りを
練り歩いたという逸話があるそうで。
いわゆる百鬼夜行ですね。

でも最後は成敗されかけ、仏教に
帰依することを条件に救われたと
いう結末らしい。
そこまでは知らなかったです(調べて
知りました)

妖怪といえば私の世代はウォッチより
ゲゲゲ。
実は子供の頃から馴染みがある世界
だったりしますよね。
亡き今も水木先生をリスペクトしてます。

この通りは平安時代、異界と人間界の
境界線だったらしい。
なんかすんごいとこ来ちゃったな…。
吸い寄せられたね。
私の妖力も強化されたかな?

そうそう、ここの辺りは駅名から想像
つくように、北野天満宮も近いので
もちろん寄りました。



折角なんで縁日の屋台では自分と家族
向けにちょっとしたお土産を買って
みました。














この日は特別に長五郎餅も売ってました。




猿回しもやってた。
ちゃんと自分でお片づけもしてました。


合格祈願で来た受験生とその家族と
思しき人達もたくさん見かけました。


そういえば昔、千葉県に住む親戚が、
私の知らない間に合格を祈願してきて、
櫻木神社の合格鉛筆くれたっけ。

鈴を鳴らすところの上の方には、鏡が
ありました。
一般的に御神体の鏡は円形なのに、
これは蓮の花のような形をしていて
特徴的です。


この鏡は参拝者自らを映し出し、己に
誓わせる意味があるそうです。
ドキッとしますね。

こうして、大将軍八神社と北野天満宮と
両方の御朱印を頂けました。


小腹が空いたらやっぱりこれ。
京都旅の友。


3日間、たっぷり楽しめました。
ありがとう京都。




やはり行きたい場所がたくさんあるので、
最低でも2泊3日で行くべきだと、毎回
思います。

また来るよ〜。

2016年12月24日 - 京都さすらい旅・中編

2016-12-24 | 
※→前回記事からの続きです。

このシーズンといえば一括りにクリスマス。
何もカップル、ファミリーだけが独占する
為の期間ではありません。

時は等しく流れていたはずなのに、何故
でしょう、周囲の一方的に抱く勝手な期待
に応えられないというだけで、日々その
もどかしさに身をえぐられる思いをして
いる人、訳あって孤独感や疎外感を
味わっている人、そもそも一人が好きな人、
一人が好きな訳じゃないけどじっとして
いられない人、せっかく友達(or家族or恋人)
がいてもライフスタイルや趣味が違うから
一緒に行動できる人に限定するとなかなか
…な人。

いろんなおひとり様がいると思います。

そんなおひとり様にも社会は優しくして
くれるだろうか。

私は時に強い衝動に駆られてさすらいたく
なることがあります。
(あ、遊園地系以外です
だから超行きたくてもなかなかUSJ行けない)

国内限定ですが、行きたい場所には同行
希望者の出現を待たずに、行けると思った
タイミングでドンドン行く。

どこか一緒に行こう、と事前に主張して
互いの時間を比較的合わせられる仲間が
いると分かっている時に限り、予定に
ゆとりを持たせて連絡を待ちます。

基本的には話せる仲間からの誘いは大歓迎
なのですが、最近みんななかなか都合が
合わないから、結果一人でも行っちゃう。

そんなノリで久し振りに関西へ飛び出し
ちゃいました。

関西にも知り合いはボチボチいますが、
これは地元民と変わらず。
タイミング良く会える方はそうそういない
でしょう。

現在市内に住んでいらっしゃる、中学時代
の美術の恩師に連絡を取ってみたものの、
今回は都合が合わずお会いすることが
できませんでした。残念。

さて、前置きが長くなりました。
さすらい旅二日目の朝。

朝食付プランの宿泊だったので、食べ
ながらガイドブック片手に当日の目的地を
選定。

とりあえずまだ行ったことがなかった
嵐山辺りに絞ってみることにしました。

そうそう、カウンターの前の壁を見たら、
こんな珍しいものが飾ってありまして。
何だか分かります?


レトロで重厚なパネル。
私はマニアでは全然ないんですが、一部
のナンバーにD51とあったのでピンと
来ました。

カウンターのスタッフに、「これって
もしかしてデゴイチとかの奴ですか?」と
話しかけてみたら正解。
他にも三菱重工のロゴマークなど…。

ホテルのオーナーさんのコレクション
なのだそうで、鉄道ファンにも知られた
ホテルとのことでした。へぇ〜

たまたまですが、思いがけず珍しい
ホテルに泊まれて、テンションが上がり
ました。

早起きする気力はなかったので、普段の
自分通り、だらだらぶらぶら10時頃出発
することにしました。

出発直前、施設内の壁に分かりやすい
地図があったので、パチリ。


こういう手書きの地図って、昔のガイド
ブックには普通によく載っていたのを、
昭和なそこのあなたは覚えているんじゃ
ないでしょうか?(笑)
温かみがあって、見ると楽しくて、一層
旅情を掻き立てられるというか。
しかも案外分かりやすくポイントが
まとめられていたりして目から鱗。

こういうのをスマホで撮っておくと、
道に迷った時やプランを練り直す時に
大変便利ということがよく分かりました。
一部情報が古かったけど、無問題。

私が行きたい寺社や史跡は歴史が古く、
割と取材の対象になるような場所ばかり
なので、地図からなくなることはまず
ないでしょうから。
現代的な飲食店や建造物は二の次です。
お陰でこの日に向かうエリアが定まり
ました。

京都駅に向かう前にあれこれ調べて
いたら、拠点の近くにある史跡に
気付いたので、ちょいと寄り道。





新撰組の最後の屯所があった場所に
作られた石碑。
リーガロイヤルホテル京都の敷地内に
ありました。
なかなか遠出できない新撰組好きの
知人に見せたくて寄ってみたの。
喜んでくれたかな?

撮影後、京都駅前からとりあえずバスに
乗り、阪急嵐山駅へ移動。

これは車内にあった路線図。
めっちゃ便利。
京都はバスのワンデーパスが安くて便利
だけど、路線がかなり多くて複雑なので、
こういうのを見ないと不安なのです。


到着。天気も良い。


この辺りでランチを食べてから移動
しようかと思ってうろうろしてみた
んですが、良さげなとこがなくて
いきなりピンチに…。

でも実は飲食店をリサーチせずに行く旅
だとこういうことはしょっちゅうで、
ランチをメインにゆっくり楽しみたい人
と同行した場合は絶対がっかりされる
パターンですね(笑)。

だから誰かとご一緒する時は、相手の
気質によっては、できるだけ飲食店の
候補を自分の中で挙げてから行くように
してます。
今回は割と行き当たりばったりな感じ。

それで、こんなこともあろうかと用意
していた非常食が役に立ちました。
数年前に京都を訪れた時も同じことを
してましたが、自分の中の定番になりつつ
あります。

いざという時の生八ツ橋。
賞味期限は買うと大体、旅行期間中〜
帰ってきて数日ってことなので、その
食べ切り感もちょうど良くて。


そこそこ腹持ちいいので空腹を凌げます。

そうそう、嵐山はレンタルサイクルが
便利という記事をいくつか見かけたので
お店の人に目的地と借りたい旨を話したら
何故か笑顔が消え、あれ?と思ったら、
「バスで行った方がいい」と(笑)。

電動アシスト付いてないし、きつい坂で
無謀だからチャリはやめた方がいい、
という親切心からだったんですね。

阪急嵐山に来たのは自転車を借りるのが
目的だったので、自分に拍子抜け。
最初から目的地までのバスで行けば
良かったのかと。

でもね、お陰で周りの景色というか状況
を一層確認しながらバスに乗れたので、
結果オーライ。

もし京都駅周辺からそういう路線に乗って
いたら、寺社に行けてもそのあとどこへ
行けば良いかアイデアが浮かばなかった
と思うし。
移動距離が長いといつもなら到着まで
ボーッとしちゃってるので。

乗ってみて改めて思った。
うん、確かにずっと上り坂だ
嵐山って、まんま山ですもんね…。

レンタサイクル屋さんのアドバイス通り、
奥の方から行って、坂を下りてくる
イメージのコースを取りました。

まず向かったのは大覚寺。







立派な鬼瓦!








撮影は仏像以外はOKでした。

こんなものも。時季外れでクローズしてて
残念。








暖房が効いていて暖かい部屋でした。
寒かったので、ここで少し温まってから
移動しました。





建築を楽しむのも寺社巡りの楽しみの一つ
です。









広大な石庭。


時々見るカラフルな布。仏旗といって、
それぞれの色は仏陀の体の一部を表す
らしい。
例えば赤は仏陀の血液を表し、「精進」
という意味があるんですって。



外回廊。直角に折れ曲がっているのが
稲妻をイメージさせることから、
「村雨の廊下」と呼ばれているそうです。
よく花札の柳のカス札なんかでカクカク
描かれてるあの感じですね。
公式サイトに鶯張りであることが載って
ました。
歩くとキュッキュッと音がします。


襖絵。美しかった…。





大沢池。天気が良かったので、水面に
青空が映って気持ち良かったです。


御朱印を頂く前に、折角なので写経も
納めてきました。


時間が足りない為、「掲諦写経」という
文字数が少ないタイプでしたが、筆を
持ち慣れておらず、人間として未熟な
私にとっては修行のように感じ、ほんの
一瞬でも身の程を思い知らされるので、
大変良い機会だと思いました。
反省する貴重な時間といいましょうか。

私が時々寺社に行きたくなるのは、信心
というより、半強制的に背筋を正しに
行くという感じです。
自然や歴史あるもの、長年人の念が
こめられてきたものに対して畏怖を感じ
たいというか、敬意を払いたいというか。
言葉にするのは難しいですね。

ここは敷地が広いので、想定以上に
長居してしまいました
雰囲気に飲まれてボーッとしちゃって。


写経を終えた後は少し急ぎ足でここを
後にしました。


次の目的地が控えています。
でも気付いたらだいぶお昼時を過ぎ、
やはりお腹がすいてきた…。

そんな訳で、

ジャジャーン!(またかよ。)


これ、数年前に金閣寺行った時と同じ
パターンだな(笑)。
八つ橋1切れじゃ流石に保たんから
結局全部食べる。

行きたいところを回っていると、時に
腰を据えてのランチにありつけない
事態が度々発生してしまうのです。
自分だけのペースだと日常的なサイクル
よりつい好奇心を優先してしまうことが
あるのでこうなる。

だから万が一のことを考えて、京都に
着いたらまず生八つ橋を調達してから
出かける癖がついてまして。
今回もやはりそうなったか…。

とりあえず駐車場でパクついて空腹感を
紛らわしてからバス停に並びました。

バス通りを少し戻ると、様々なお店が
立ち並んでいるエリアがあり、その
近くにある天龍寺が次の目的地です。

最寄りのバス停付近で気になった光景
がありました。


あそこのカワウ、なんであんなに密集
してんの?

ズームアウトして謎が解けました。


川をせき止めて工事してたから、隅に
追いやられてたみたいです。
水位が場所によってかなり違ってたので
驚きました。
なかなか貴重な光景ではないでしょうか。

さて、もう少し胃に入れておこう。


美味しいコロッケにありつけました♪
この通りはなかなか楽しいです。
またいつか寄ってみたいな。

食べ終わったら即移動。






立派な鬼瓦がありました。
こんなに大きいとファミコンソフトの
『火の鳥』を思い出してしまう…。
ああっあのBGMが脳内ループ(笑)。


大きな方丈(住職さんが過ごすところ)
がありました。


こちらも石庭で有名ですね。


夢窓国師の作った庭。
我が国最初の史跡・特別名勝に指定
されています。
秋だったら紅葉が綺麗だったでしょう。
この山丘みたいなところは階段で上れて、
展望できます。


山々も街並みも臨めます。


こういう屋根を見下ろす構図の絵って
よくありますよね。
遠くに霞んだ山々も味わい深いです。


丘の側面。
覆い尽くす苔に悠久の時を感じます。


雲龍図も拝めました。


立派な御朱印も頂けました☆


天龍寺といえば裏の竹林も有名ですね。
夜は怖そう…。


昼間でも十分暗いです。
やはり人気で、たくさんの人が通行
してました。


1人で日本に来たらしきアジア人観光客
に撮影を頼まれ、写真を撮ってあげた。
今どき自撮りじゃないのが珍しい

竹林の小径を歩いている途中、近くに
神社があることに気づき、ついでに
参拝してみました。(ノリがカジュアル
ですみません…)

野宮神社。
源氏物語にも登場するそうです。


御朱印とパンフレットを頂く。


通りに戻ったところで雨が降ってきて
しまい、しばし雨宿りをすることに。
味噌田楽と柚子茶でホッとひと息。


暗くなってきたので、ここらで少し
早めの夕飯に。
嵯峨とうふ 稲にて。


豆乳おばんざい鍋御膳。
冬用のメニューなんでしょうね。


デザートのわらび餅。
まいうー。ここはまた来たい。


ここまでは順調だった。

バスでホテルに戻ろうとしたら、
大覚寺や天龍寺に向かう時に使った
停留所に何やら張り紙がしてある。

そこから駅方向に向かうバスはない
だって?!
だから回り道して離れた停留所を
使わなければいけないらしい!

その停留所がどこにあるのかよく
分からない。
とりあえず来た道を辿る。

いくつか停留所を過ぎたが、暗闇の中、
案内文に気付かない外国人観光客が
長蛇の列をなしている。

“うわぁ…この人達、帰れるのか?”

そこで私は一芝居打つことにした。
サイレントムービーの如く、気分は
チャップリンだ。

少しアクションを分かりやすく。
案内文を指でなぞる。
驚いた顔をしてしかめる。
腕組みをしてしばし思考し、訝しげに
歩き出してみせた。

“…どうだ、気付いたか?”

思惑通り、次々と私と同じ方向に
歩き出した。

思った以上に離れた場所に、その
停留所はあった。
バス会社も、もっと分かりやすい
サインを出すべきだと思いました。
MORE OMOTENASHI!

あの人達、下手したら朝まで真冬の
嵐山で粘った可能性あったぞ…。

昔職場の先輩が言っていた。
冬の京都はかなり寒い…特に嵐山って。

なんとかホテルに戻ってこれましたが、
眠くなるまでの時間を満喫したくて、
お笑い番組を見ながらつまみで晩酌
しました。


夜中なのに有吉の番組で声出して爆笑
してしまった。
実家だと特に母親は笑いのツボが違い
過ぎるのか、ふざけた番組はあまり
共有できず、声を出して笑うと、バカ
みたいだと言われて怒られるんです

だからなんだか幸せだった。
大声を出して笑えるのが。
(隣のお客さんにはうるさいって思われ
てたかな…?)
お陰様でこの夜はまどろみながら、
とても楽しい気分のまま寝れました。


後編へ続く。

2016年12月23日 - 京都さすらい旅・前編

2016-12-23 | 
今年は特にガッカリすることがあまりにも
多過ぎて、それに加え肌寒い季節になるに
つれ血行が悪くなったせいもあるのか、
しばらく気力が落ちてしまっていたのです
が、世間がやけにハイテンションに見える
この時期に逆行して、腐りかけている自分が
本当にイヤになり、折角の連休ぐらい地元の
外へ飛び出したい!と思い立ちまして。

10代の頃の学校行事以外のプライベート
ではもう既に2度ほど訪れている京都に急遽
行って参りました。

いつも旅をする時は少なくとも1ヶ月以上前
には計画を立てて、宿も交通手段も押さえ
たりしているんですが、今回はなにぶん
急だったので、ビジネスホテルも禁煙部屋
だと予約が埋まっていたり、普段より料金
も高かったりで、安めの宿を探すのには
苦労しました。

でも結果宿はコスト抑えめでなんとか予約
できました。しかも朝食付きの禁煙室で。

滞在予定は初めから2泊3日と決めていた
ので、連泊にした分少しお得なプランで
押さえられました。
もし希望範囲以内で取れなかったら、多分
腐ってましたね(笑)。

交通手段も最初は高速バスを視野に入れて
いたんですが、帰りは日付が変わるまでに
帰るとなると連泊できないし(平日は仕事が
あるので)、行きだけならどうだろう?とも
思ったけれど、前日の木曜日に早く帰って
これない可能性を考えたら現実的ではない、
と思い直し、結局当日新幹線の自由席で
向かうことに。

これも早く計画していれば片道新幹線で
1万円ちょいで行く方法もあったはずでした
が、あまりに急過ぎて流石に無理でした。


なぜ今回の旅先を京都にしたか。

前々日まで実は、どこに行くか特に決めて
いませんでした。
行きたい場所が多くなかなか定まらなくて。

それで何を決め手にしよう、と考えていた
ところ、連休中全国で総じて天気の良い
場所が、関東を除いて京都と四国ぐらい
だったのと、移動が楽そうなことを考え、
新幹線1本で行ける京都を選んでみた訳です。



とりあえず、前回も使った古い世界遺産の
ガイドブックを持ち、初日の大まかな目的は
新幹線の中で決めました。

早朝から行かなければいけないほど、初日
から気合いを入れるようなことは敢えて
せず、京都入りもお昼ぐらいにして。

現地でランチを食べられるお店を探すのも
いいんですが、こんな旅程だからこそ
楽しめるものがあるのです。

「駅弁」です。
京料理系は東京駅にはなかったので、
好きなものをなんの縛りもなくチョイス。
そうしたら案の定こうなりました。


身内が見たらやっぱりと思うことでしょう。





市内移動の前に荷物を預けようとホテルに
まず寄ったんですが、運良く予定よりも
数時間早くチェックインできました。

部屋のベッドに腰掛け、ひと休みしながら
ルートをチェック。

今回は到着がいつもより遅めなので、
無理せず、京都駅から比較的近い範囲で
検討したところ、まだ寄ったことのない
建仁寺に決定。



かっこいい御朱印帳があると聞いていた
のと、迫力のある天井画と味わい深い
襖絵を見たかったので。

こちらは鐘撞堂。


本坊という建物に入ってお目見えしたのが、
なんでも鑑定団でもお馴染み、俵屋宗達の
手掛けた国宝『風神雷神図屏風』の複製画。
キヤノンの技術が使われています。
本物は京都国立博物館に展示されている
みたいですね。



またここは禅寺で、石庭も拝観することが
できました。





ここの床は鶯張りと言っている動画などを
見かけました。
そうなの?

鶯張りについては侵入者に気づく為という
説の他、釘の頭が着物をひっかけないよう
板から出ないように作った結果、当初は
あまり音が鳴らなかったものが時が経つに
つれて緩み、板と釘が擦れて副産物的に
鳴るようになったという話があります。
だから修復されると鳴らなくなったりも
するのだとか。

二条城など常に攻め入られそうな場所なら
センサー説も分かりますが、建仁寺は
どうなのでしょうね。
公式サイトでは特に説明などは見受けられ
なかったので、確認できていません。
確かに歩く度に軋んでましたが、本当に
それが鶯張りなのか、私には分かりません

奥へ進むと方丈という建物があって、
そこから部屋を覗き込むと襖絵が。



この龍の襖絵は海北友松の山水図襖。
複製画ですが、建物にはめ込まれていると、
また趣きが違いますよね。




ここの敷地の中で一番広い石庭。
方丈という建物から見ました。


これを見て思い出したのは、桑田佳祐の
アルバム『MUSIC MAN』のジャケット。

紋様や石の配置、背景などを考えたら
撮影地ではないことは分かるんですが、
あのデザインが作られる前、桑田さんは
京都の石庭を訪れていたらしい。

振り返ると私は修学旅行でさえどこかで
石庭をじっくり見たような記憶はなく、
もし訪れたとしても子供の時分だったら
興味を持てたか怪しいもんです。

人と社会をある程度知った今だからこそ、
日頃の喧騒からしばし離れ、己に帰り、
少しの間でも心を静かにするのに相応しい
場所として、こうしたある程度礼儀を
持って臨まなければいけないところへ
わざわざ行きたくなるのです。

しばし立ち尽くし、敷き詰められた石と
水のような紋様と大きな石と苔を眺めて
わびさびを味わいました。



方丈を出ると他の建物とを結ぶ長い渡り
廊下があり、壁がないので今の季節は
寒いですが、外を眺めながら歩けます。

廊下の先に法堂という大きなお堂があり、
『双龍図』という天井画がありました。



文字通り二頭の龍が描かれていたのです
が、どこかで見たような雰囲気があると
思って調べたら、以前鎌倉の建長寺を
訪れた際に見た『雲龍図』という天井画の
作者・小泉淳作(日本画家)が手掛けたもの
でした。

20世紀以降の作品もこうして古来より
存在するものと共存して後世に継がれて
いくんですねぇ。
凄いことです。



そして諸々を戴いてきました。
※これらは自宅に帰ってきてから撮影。




御朱印帳、御朱印、パンフレット類。
山水図襖の柄の紙バックは有難かったです。

ボーッと回っている内に夕方になってきた
ので、夕飯を求めて繁華街へ移動。











彷徨っているうちに、遠くに見えていた
橋まで来ちゃいました。




ふらりと立ち寄った楽器店にて。
あっこれは…!


店内ではウクレレ用のコードブックと、
折りたためるスタンドを購入しました。



プリクラ屋さんのとんでもないオブジェ。
斬鉄剣に斬られたセスナ?(笑)


繁華街はフランチャイズのレストランや
ファーストフードばかり目立って、
京料理を落ち着いて食べられそうなところ
がなく、困っていたところでTUBEファン
仲間からのLINEが。

うわすっかり忘れていた
そろそろミュージックステーションの特番
が始まる時間だった!

でもご飯は食べたいし…と悩んでいて
目に飛び込んで来たのはDAIMARUの看板。
お惣菜売り場に猛ダッシュ。

思いがけず良さげな商品を手に入れ、バス
に飛び乗る。

ほどなくしてホテルに到着。
何も考えずチャンネルを回す。

今どこだ?

お〜オープニングに間に合った!

TUBEのベーシスト・角野秀行さんが、
大黒摩季さんのサポートミュージシャン
として登場すると聞いていたので、見た
かったんです。



そしてこれが夕飯。白飯と京のお惣菜。


普段あまりこうしたものは自ら進んで
チョイスしませんが、食べて見たら
めっちゃ美味しかったです。
生麩、高野豆腐、焼き魚、煮物類。
上品な感じがしました。

そうしてだらだらとテレビを見て。
普段はほとんど両親にチャンネルを
譲ってしまうので(趣味が合わず、
揉めるのが面倒なので)長時間テレビの
前にいることはあまりないんですが、
この旅では争わずして見たい番組を
集中して見れたことは、地味かもしれ
ませんが、結構嬉しかったです。

いやぁだいぶ長いことテレビを見たなぁ。
こんなにずっと見たの、久しぶりだった。
後半旅疲れもあってか少しウトウト
しちゃいましたが

見終わったあとは趣味の時間。

実はウクレレを持ってきていたのです。


ギター以上に弾いてないので、コード
も頭に入っていませんが、弾きたい曲の
スコアも持ってきていたので、気分で
いろいろ弾いてみました。

本当はDIGI-ZO(アンプ内蔵ミニエレキ
ギター)を…とも思ったんですが、荷物も
他にあるし何気に重いので、他に部屋で
弾いてもあまりうるさくなくて軽い楽器
を、と考えたらウクレレの一択でした。

疲れて眠くなるまで弾いて、汗を流して
就寝。

明日のことは、朝ごはんでも食べながら
考えよう。


中編へ続く…。

或る日常

2016-12-03 | 
折角ユーミンの新作アルバムを買ったのに、
まだ聴いてなかった。

それでこれ、今聴きながら書いてます。

昨晩ロック好きの知人と通話していたら、
ユーミンのかつてのレコードジャケットの
幾つかがイギリスの有名なデザイン集団が
手掛けたものだという話を初めて知って
嬉しくなりました。

Hipgnosis(ヒプノシス)という人達で、
その作品を調べると、名だたるミュージ
シャンの、見たことあるジャケットが
ずらり…。
曲を知らなくてもジャケットだけはどこか
で目にしていたりもしますし。
カフェやバーなどによく飾られていたり。

T-REX、BAD COMPANY、UFO、10cc、
WISHBONE ASH、BLACK SABBATH、
Led Zeppelin…etc.

PINK FLOYDのジャケットデザインの
プリントされたTシャツを今年叔母から
貰いましたが、それもまさにヒプノシス
のデザインであることに気付きました。

すごいよね、これだけ知られてるデザイン
の出所がみんな同じところなんて。
プログレ寄りなデザインは楽曲に合って
いたと思うし、ジャケ買いする人が多か
ったのも納得する。

シュールでサイケで哲学的なのがいい。

なんで通話中こんな話をしたかというと
長くなるのできっかけだけ伝えますと(笑)、
昨晩Eテレで横尾忠則さんのドキュメント
番組を互いに観ていまして、彼の作品が
素敵だという話題から派生したためです。

横尾さんもレコードのジャケットを手掛
けていた時代がありましたし。

通話の相手も子供の頃、美術の授業で
レコードのジャケットのデザインをした
と言っていましたが、時代が違うな…。
私の頃はそんな面白そうな授業はなかった
よ…。めちゃくちゃ羨ましい…。
教科書にYMOの細野晴臣さんのプロデュ
ースしたビデオ・ゲーム・ミュージック
のレコジャが紹介されていた記憶はある
けど…。(ファミコンのシューティング
ゲーム・ゼビウスの画像が使われてる
デザインで、当時ファミコンにどハマり
していた私にとって、とても印象深い
ものでした。我が家、レコードプレイヤー
持っていませんでしたが…。)

でも今はCDになって小さくなったのは
おろか、ジャケット不要のデータ配信の
時代になって、デザインの需要は激減して
しまって寂しいね、と我々は語っていた
訳です。

さて、アルバム聴き終わりました。
やっぱユーミン、いいな。
高校生の頃から変わらず、ずっと憧れの
人です。
案の定、泣けた…。

今度は上に書いたばかりのビデオ・ゲー
ム・ミュージックの音源を聴き始めました(笑)。

実に懐かしい…。
この8ビットの世界のピコピコ音、たまり
ません。
シンプルのようでめっちゃ作り込まれて
いて、インパクトもデカイ。

実は昔、一時期ナムコの下で働いてたこと
もあったりして。
当時仕事仲間とはよくゲーム音楽の話も
してたなぁ。

子供の頃からゲームは好きですが、グッ
とくる素晴らしい音楽に恵まれてきたこと
も同時にいえると思います。