オヨヨ大統領シリーズ

2008年06月06日 | 読書
シリーズ第一作の「オヨヨ島の冒険」の文庫本の初版が昭和49年だから、
自分が会社に入って2年目。
小林信彦さんとのお付き合いはこの頃から始まった。
と言っても、むこうは僕のことを知らない。一方的な話だ。
知る人ぞ知る作家で、隠れ信彦ファンがあちこちにいるようです。

オヨヨ大統領のシリーズが7冊ある中で、
先週実家の本やら何やらを整理したら、ありました。
残念ながら1冊は始めから買っていなかったのか、
6冊が、弟・泰彦さんのイラストの表紙つきで出てきましたヨ!
今や書店では手に入らない貴重本だから、感激しました。


オヨヨシリーズ以来、小説やエッセイなど、
信彦さんの本はよく読ませてもらいました。
恋愛ものに出てくる女性の主人公も大好きでした。
出身が東京なので、昔の東京の話がよく登場し、
一時は感覚的に自分のふるさとのようにも思えたものでした。
でも東京に住んだことのない自分には、
いまだに東京の地理は全くといっていいほど分かりませんが・・。

信彦さんは若い頃に江戸川乱歩に見込まれて、
ヒチコックマガジンという推理小説雑誌の創刊編集長をやっていた人。
多分20代でそんなすごい仕事をやって、その後、作家に転進。
残念ながら芥川賞や直木賞には縁がなく、
メジャーな作家というイメージではないが、
喜劇俳優の評論・評伝には定評があり、
最近、集大成した分厚い本が刊行されたらしい。
エノケン・ロッパ・森繁・伴淳・・・横山やすし・渥美清などなど、
まとまった本は他に類をみない著作になっているそうです。
その時代を生きた人には、楽しくて懐かしい想い出であるはず。

多くの作家がそうであるように、信彦さんの読書量は膨大である。
しかも記憶力がすごいので、小説・映画などを含めて、
話題の奥行きがとても深いのに、読み直すたびにいつも圧倒される。
オヨヨシリーズに再会できたのをきっかけに、
もう一度深入りしてみようかと思い始めている。

※小城羊羹ありがとう。明日いただきます。


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