ローマ人の物語(文庫№29) 終わりの始まり 上 

2008年09月25日 | 読書
塩野さんのローマ人の物語、久し振りに読む気になり、文庫本№29に挑戦した。 確か今年の初めに単行本では15巻が完結し、 塩野さんのインタビューやら記事が目立っていた。 今回の文庫本29巻目は単行本の第11巻の上巻なので、全体の3分の2を過ぎて、 残りの3分の1が始まるところだが、題名どおりローマ帝国衰退の始まりである。 皇帝は5賢帝最後のマルクス・アウレリウスという格調高い名前の人。 哲学の造詣 . . . 本文を読む

愛の挨拶 by本岡類

2008年09月18日 | 読書
最近読んでいる”どこか崩れた”お話ではなく、 折り目正しい小説を味わった感じがする。 若い頃にバイオリニストを志した妻を突然亡くす。 主人公は50代半ばの大手証券会社営業管理室次長の仁科透。 妻は脳内動脈瘤が破裂し、クモ膜下出血で突然死する。 若き日に音楽留学したオランダへのセンチメンタルジャーニーの最中、 場所がホテルの部屋。 その時妻は昔なじみの音楽家、独身男性と一緒であった事から、仁科は苦 . . . 本文を読む

長崎乱楽坂 by吉田修一

2008年09月15日 | 読書
祖父と祖母の時代は普通の家だった。 長男の叔父がヤクザの世界に入り、 次男もその世界へ、 家の中には絶えず荒くれ男が出入りして、 やくざの溜り場に。 その家の長女である駿の母親も、荒くれ男の集団に違和感なく溶け込んでいた。 駿と悠太の兄弟はそんな荒れた家に育った。 母屋の離れには兄弟の中では異質の三男が、首を吊って死んでいた。 駿はその離れを好み、叔父の幽霊と子供の頃から会話をしていた。 二人 . . . 本文を読む

殺し屋はバスに乗る その3

2008年09月10日 | 読書
加奈子とガーシーは気持ちが通じた。 ガーシーも落ち着くと加奈子とうまく会話が出来る。 ガーシーの心は昔の日本人の武士の心。 加奈子はそんなガーシーをただ一人の恋人と信じる。 そんな気持ちになってから、 ガーシーが昔の文通友達であったことを加奈子に告白する。 唖然とする加奈子。二人には昔からの赤い糸が存在したのだ。 長距離バスで逃げよう。 どこでもいいから吉岡から逃れて二人で暮らそう。 しかし、 . . . 本文を読む

殺し屋はバスに乗る・・・つづき 

2008年09月09日 | 読書
(つづき) 代々木西署の警部補がいた。田中陸三警部補。 定年間近、自分の来し方を振り返ると悔いが残る。 自分より若い上司が捜査を仕切る。 ここで何とか手柄を立てて、ワンランク上がって定年を迎えたい・・・。 ・・・何かのヤマに出会いそうな気がする。匂う。 元警視庁の巡査長、いまは歌舞伎町で組員を大勢従えるヤクザ時津が殺された。 田中は目立たぬように自分の勘を頼りに捜査を進める。 あと数日で退職日を迎 . . . 本文を読む