塩野さんのローマ人の物語、久し振りに読む気になり、文庫本№29に挑戦した。
確か今年の初めに単行本では15巻が完結し、
塩野さんのインタビューやら記事が目立っていた。
今回の文庫本29巻目は単行本の第11巻の上巻なので、全体の3分の2を過ぎて、
残りの3分の1が始まるところだが、題名どおりローマ帝国衰退の始まりである。
皇帝は5賢帝最後のマルクス・アウレリウスという格調高い名前の人。
哲学の造詣 . . . 本文を読む
最近読んでいる”どこか崩れた”お話ではなく、
折り目正しい小説を味わった感じがする。
若い頃にバイオリニストを志した妻を突然亡くす。
主人公は50代半ばの大手証券会社営業管理室次長の仁科透。
妻は脳内動脈瘤が破裂し、クモ膜下出血で突然死する。
若き日に音楽留学したオランダへのセンチメンタルジャーニーの最中、
場所がホテルの部屋。
その時妻は昔なじみの音楽家、独身男性と一緒であった事から、仁科は苦 . . . 本文を読む
祖父と祖母の時代は普通の家だった。
長男の叔父がヤクザの世界に入り、
次男もその世界へ、
家の中には絶えず荒くれ男が出入りして、
やくざの溜り場に。
その家の長女である駿の母親も、荒くれ男の集団に違和感なく溶け込んでいた。
駿と悠太の兄弟はそんな荒れた家に育った。
母屋の離れには兄弟の中では異質の三男が、首を吊って死んでいた。
駿はその離れを好み、叔父の幽霊と子供の頃から会話をしていた。
二人 . . . 本文を読む
加奈子とガーシーは気持ちが通じた。
ガーシーも落ち着くと加奈子とうまく会話が出来る。
ガーシーの心は昔の日本人の武士の心。
加奈子はそんなガーシーをただ一人の恋人と信じる。
そんな気持ちになってから、
ガーシーが昔の文通友達であったことを加奈子に告白する。
唖然とする加奈子。二人には昔からの赤い糸が存在したのだ。
長距離バスで逃げよう。
どこでもいいから吉岡から逃れて二人で暮らそう。
しかし、 . . . 本文を読む
(つづき)
代々木西署の警部補がいた。田中陸三警部補。
定年間近、自分の来し方を振り返ると悔いが残る。
自分より若い上司が捜査を仕切る。
ここで何とか手柄を立てて、ワンランク上がって定年を迎えたい・・・。
・・・何かのヤマに出会いそうな気がする。匂う。
元警視庁の巡査長、いまは歌舞伎町で組員を大勢従えるヤクザ時津が殺された。
田中は目立たぬように自分の勘を頼りに捜査を進める。
あと数日で退職日を迎 . . . 本文を読む