美酒抱えサクラ前線北上中 あちゃこ
〇(餡子)私もそうしてみたい。各地の銘酒を味わいつつ、桜と共に・・・。
遠嶺より夕風渡る大干潟 道人
◎(幹夫)今では見かける事が殆どなくなった大干潟ですが、春ならではの景がゆったり詠まれており、またリズムも佳く共感です。
○(泉)雄大な光景、そして表現だと思います。
〇(ルカ)雄大な景。
実直な潮の満ち引き遠霞 珠子
〇(まきえっと)「実直な潮の満ち引き」がよいです。
○(ちせい)季語は「遠霞」。遠くに春霞が。実直そうに感じられるのが俳句的なのでしょう。
〇(瓦すずめ)潮の満ち引きを、実直なと形容したのが好きです。
〇(多実生) 自然の法則を実直と捕らえたところが面白い。
○(藤三彩)時が来れば必ず干満の潮が動くと、なるほど
◎(アネモネ)「実直な潮の満ち引き」にはまいりました。
〇(宙虫)繰り返す自然の時間をゆったりと表現していながら、実直が直線的で面白い屈折感。
花盛り知るや間もなく散りぬるを 仙翁
日の果てに出づる海山花篝 敏
○(あちゃこ)美しい春の宵。只々美しい。
◯(道人)この世のものとは思えない壮大な美しい景色です。日出づる国日没する国日本の美。
春の夕恋人にしたい饂飩かな ちせい
◎(瓦すずめ)恋人にしたいうどんってどんなのでしょうか。そんな面白いことを思っている人を、春の優しい夕日が包んでいるかと思うと、ほんわかした心持になります。
野鳥らも歓喜に満ちる開花かな 多実生
◎(ちせい)季語は「開花」。桜の開花に野鳥も喜び自然全体が歓喜に満ちて居る。
鳥の目で見る桜三分の活断層 宙虫
◯ (アゼリア)鳥は初期微動も感知するとか。話しが出来たら聞いてみたいですね。
(選外)(藤三彩)ドローンの目で見る活断層のyutubeに嵌っていました
桜咲くころあの島へ嫁ぎます 餡子
〇(瓦すずめ)桜は散るものですから、ほんのすこしの不安感を感じます。ですが、幸多かれとお祈りしたくなります。
○(泉)昔の流行歌、「瀬戸の花嫁」を思い出しました。
○(アネモネ)いいなあ。わたしのふるさとの島もそんなところですよ。
◎(春生)なんてすてきなんでしょう。幸せ間違いなし、良いですね。
瀬戸内の夕日見下し花の宴 春生
○(ちせい)季語は「花の宴」。瀬戸内の夕日を見下ろしながら桜パーティー。豪勢なパーティーだと思いました。
○(アネモネ)これは豪快。
春夕焼け闇米喰つて生きし頃 瓦すずめ
○(あちゃこ)同じ景色にも越えてきた歴史があるのですね。
◎(多実生) 厳しい食料灘の時代。電車内の一斉取り締まりで、闇米が出るは出るはを目撃した記憶があります。
○(藤三彩)野坂昭如の「焼跡闇市派」を彷彿とさせます
○(泉)敗戦から72年しか経っていないのに、今の日本の贅沢な事!
〇(ルカ)時代を超えて生きぬく強さを感じます。
◯(春生)その通りです、素直でいいです。
桜東風月なきひと日暮れにけり 道人
朝鮮を望む山頂春の海 泉
○(アネモネ)地球の丸さが実感できそう。
三月尽抽斗にしまう村の景 餡子
〇(まきえっと)三月尽が効いています。
◎(敏)三月が終り四月から新年度。古い記録や記憶は抽斗にしまい、新たな出発にそなえよう、との意気込みが背景にはあるようです。
〇(瓦すずめ)新年度と共にどこかに引っ越すのかな、あるいは自分は引っ越さなくても誰かは村を出ていくのかな、と思いました。いつまでもこの光景が残るようにとの願いを感じました。
◎ (アゼリア)新しい暮らしが始まるにあたり、故郷の景色を宝物のように抽き出しにしまって折にふれ眺めるのでしょうか。
○(幹夫)暖かな村の景色よく想像することが出来ました。
◎(宙虫)ひきだしがシュールな感じでいいです。いろんな心情を想像できます。前にも後ろにも。
烏鷺碁詰む奇異と妃似たが干潮の春 藤三彩
ゆくりなく潟に夜来る鯥吾郎 アネモネ
〇(道人)有明海の大きな潮の満ち引きを、鯥吾郎という素材を通して過不足なく詠い上げている。「夜来る」が巧み。
◯ (アゼリア)むつごろうが漢字に変換出来なくてごめんなさい。ゆくりなくという言葉初めて知りました。潟といえばむつごろうですよね。
○(藤三彩)ムツゴロウは諫早湾にいなくて水族館にいるのだとか
〇(宙虫)干潟にはたくさんむつごろうがひょこひょこ出てきます。あっちにもこっちにも。夜が来る感覚がいいです。
花冷えの街熱くする村長選 アゼリア
○(敏)身近な選挙だと結構盛り上がりますね。盛り上がり過ぎて後ろに手がまわらぬように!
○(幹夫)現村長(保守系)VS若手新人(革新)の構図・・・街を二分する僅差の村長選挙なのでしょう。季語「花冷え」の選択も良いと思いました。
春の海ところどころに島の影 幹夫
〇(まきえっと)春の海と島の影が合いますね。
○(ちせい)季語は「春の海」。囀りが聞こえて来そうですね。
西行とこころ旅して花の山 敏
○(珠子)私にとっての西行さんは霞の向こうの方ですが、西行さんの心と一緒に旅をされる方も多いのでしょう。これは山桜でなければなりません。
〇(多実生) 西行と桜の俳句は良いですね。
(選外)(道人)本当に西行になりたいですね。 定住漂泊。
桜咲く死体は埋まつて居ないだらう ちせい
〇(餡子)いいえ、桜の樹の下には死体がうまっているのです。だから、あんなにきれいな花が咲くのです。
◯(道人)桜には無常観が付きまとう。それにしても桜と死体の取り合せとは!飛躍の妙。
○(敏)この季節になると、「桜の木の下には……」のフレーズが頭に昇りますが、実際に埋まっているのは、別の何かでしょう。旧仮名表記「居ないだらう」がいい味ですね。
◎(泉)思わずギョッとしましたが、最近は樹木葬というのが有るらしい。
〇(宙虫)ほんとにね。ありえます。桜はそういうイメージも秘めています。
入水しましょ春風崖に吹いている 瓦すずめ
◎(餡子)ちょっと!待て!人生捨てたもんじゃないよ。でも春風と浄土のようなこの景に思わず誘い込まれそう。
◎(道人)こんな景ならご一緒に入水したくなります。春の物憂さと優しさが何とも言えない。
媚もせず抗ひもせず春の海 仙翁
○(あちゃこ)全てを知っているのは、春の海ばかり。
◯(道人)光揺蕩う春の海には癒されます。上五中七のリズムが佳いですね。浮世の諸事雑事は捨てましょう。
〇(瓦すずめ)おおらかな自然を感じます
◯ (アゼリア)人間の方から自然と共存する努力をするべきなのでしょうね。
○(珠子)そうそう・そう。自然は豊かにどっしりと構えています。春の海はことにおおらか。偉大な自然に笑われて「スミマセン」と捨てる駄句の何と多いことか。
◎(ルカ)春の海の本意をよくつかんでいます。
島そして桜がのまれゆく日昏れ 宙虫
〇(餡子)夜の闇へと、世界が収斂されていく光景。
◯(道人)「のまれゆく」が三枚の写真の景を一瞬で捉えてて凄みがある。中々こういう表現は出来ない。
◯ (アゼリア)闇に溶け込む前がきれいですよね。
○(幹夫)島が呑まれ桜が呑まれてゆく・・・日暮の景がリズム佳く上手に詠まれています。
鳥帰るいづこの道も美しき空 ルカ
○(珠子)故郷では、晴れ上がった日は家の中にいても引いてゆく鳥の声が聞こえます。外に出ると白鳥の一団。羽は太陽を透かして白磁のような輝き。「美しき空」には、「この先も荒れないで欲しい」という作者の願いが込められているのでしょう。
〇(まきえっと)どの空も美しい。
〇(春生)何か童話の世界を見ているようです。
燦燦を撮る音のどか万愚節 珠子
○(ちせい)季語は「万愚節」。エイプリルフールの太陽でしょうか。大気や空気にまで気を配る。研ぎ澄まされた俳句魂。
春江やたんたんたんと軽徒橋 幹夫
〇(ルカ)どんな橋なのか、楽しそうな景。
キリシタンの悲話呑みし湾風光る アゼリア
〇(餡子)キリシタンにまつわる悲話は全国各地で聞かれますね。写真の光景から句の世界が広がってきます。
○(珠子)キリシタンの悲話。惨い弾圧を思いぞわっとしますが、海はずっと変わらずにいてくれます。風光る心地よい季節に入りました。
◎(藤三彩)島影はやはり島原を想像させます。
○(泉)天草の乱。宗教の力は強いですが、今の日本は平和ボケの様な気がします。
〇(春生)未だにキリシタンの教えは生きているんですね、
(選外)(道人) 確かに島原と天草ですね。「悲話」と「風光る」の取り合せに哀感の余情を感じる。
空陸の水際の春潮潜望鏡 藤三彩
花咲いて誰も入れぬ国有地 泉
○(あちゃこ)今物議をかもしている国有地。国とは何ぞや?
〇(多実生) 仕事で滞在した印刷局小田原工場内の桜の満開は見事でした。
○(藤三彩)国有地売却でもめていますがやんごとなき歴代の墓所や墳墓には入れない
○(アネモネ)あるある。もったいないなあ。
〇(春生)もったいないですね。みんなに開放してもらいたいですね。
惜別の春や海へと稚魚太る あちゃこ
○(敏)「惜別の春」がやや重い気がしますが、この季節の象徴として「海へと稚魚太る」は良く判ります。
◎(珠子)惜別の春、稚魚も海へ帰ってゆく春。取り合わせが素敵です。
〇(ルカ)ぐんぐん大きくなる魚の大らかさが、春らしくていいですね。
〇(宙虫)稚魚が大海に出ていく。これから荒波にもまれ、帰郷する日がくるのだろうか?
風光る種も仕掛けもない時刻 まきえっと
○(藤三彩)手品じゃなくて「ありのままに」の景ということでしょう。
○(アネモネ)上手い。なかなか浮かばない表現です。
〇(宙虫)マジックなら、種明かしがあれば時間止められるし、巻き戻せるのに。
島々をつなぐ橋々龍天に アネモネ
○(ちせい)季語は「龍天に」。龍は瀬戸内海を睥睨しているのでしょうか。
○(あちゃこ)季語については今ひとつ理解していませんが、島々の浮かぶ景色と合っているような気がします。
○(敏)島々を繋ぐ橋から龍を引き出したところ秀逸と存じます。「島々」「橋々」のリフレインが利いています。
◯ (アゼリア) 龍天にという勢いのある季語初めて知りました。
〇(多実生) 島々をつなぐ橋々は今は島波街道でしょうが、私の思い出はユーザーと行った天草五橋です。
天と地と春の落暉に吸込まれ 多実生
〇(まきえっと)吸い込まれですね。
〇(瓦すずめ)夕日に全てが吸い込まれていくような感覚が素敵だと思いました。
〇(ルカ)今にも落ちんとする夕陽。よく詠まれています。
花散るや平家滅びし島々に 春生
〇(餡子)四国屋島のあたりを思い浮かべました。壇ノ浦へと破滅の道へ。
◎(あちゃこ)遠い戦に思いを馳せているのですね。鎮魂の一句に共感!
〇(多実生) 源平の衰勢は屋島の合戦しか記憶に有りませんので、手持ちの新平家物語十六巻を読んでみます。
○(幹夫)今回の3枚の写真から佳く想像されて詠まれていると思いました。
○(泉)歴史的な哀愁強い俳句だと思います。
幸せのかたちそれぞれ水温む ルカ
◎(まきえっと)どの景色もとても幸せな気分にしてくれます。「かたちそれぞれ」が言い当てています。
○(敏)幸も不幸も、その様態は人によって様々なこと、よく分ります。ただしこの句、季語は色々と動きそうです。
○(珠子)「水温む」がさらに 「今のままでいいのだよ、焦ることないよ」と言ってくれているようです。
○(幹夫)どの幸せも温かな春の形ですね。季語の選択も良い。
〇(春生)なんとなく幸せになりました。
★★★
お待たせしました。
選句が届いていない方もまだいらっしゃいますが、次回の告知及び当番の都合で結果発表をさせていただきます。
選がまだの方、送っていただければ追加できますので、お待ちしています。
では、次回の告知をお待ちください。
花見は雨や曇天でいまいちでした。
咲くのは遅かったのですが、ずっと雨の中でした・・・。
広島は急に暖かくなり、桜が満開になりました。花見はしていないのですが、直ぐに梅雨の時期になるかと思うと、憂鬱です。最近、私の仕事が複雑になり、ヒマが取れなくなりました。今後の小麦句会へ参加できるか否か、微妙なところです。ご了承ください。
お世話になります。何かと気になりつつ、お礼も滞りがちで反省あるのみ。今後ともよろしくお願いします。
泉さん
50年以上タイガース命で頑張っています。阪神ファンの良いところは、たった一つ、継続は力なり。小麦も継続は力なりでお願いします。
小麦句会は、決して参加者の負担になるつもりは毛頭ありません。
ふらっと抜けてふらっと立ち寄ってで結構です。
いつでもお待ちしていますので。
ご自身を優先するのは当たり前のことです。
時間にゆとりのある時の参加でもちろん大丈夫です。
ただ、俳句だけは手放さないようにしていただけるとうれしいです。
心のゆとりは、大切です。
俳句はきっと役立ってくれると思います。
道人さん、ありがとうございます。
小麦句会を大事に思っていてくれる人がいる限りこの句会は続いていくことと思います。
誰でもいつでも参加できるをモットーに続けて来ました。
これからもよろしくお願いします。
変なコメントになってしまいましたが、お二方とも今後ともよろしくお願いします。
私もちょくちょく休みます。