小麦句会 on blog

俳句「麦の会」の句会のひとつです。 ネット句会を月二回行っています。 この句会は誰でも参加できます。

第484回小麦句会結果発表1

2022年09月08日 11時35分59秒 | 1日句会

二回に分けて発表します。

 

驚くニュースだらけで、日本のメッキがはげていっているような。

ニュースを見るのがいやになる。

台風13号も発生して、また来週は接近してくるのかもしれない。

心おだやかに過ごせない日々・・・・・。

 

*結果発表♪♪♪

 

ここ何処と生簀の魚身に入みる   アゼリア

〇(幹夫)本当ならば大海で自由に群れ泳いでいたはずなのに。季語「身に入む」が一層身に入みる。

◎(あき子)「身に入みる」のは魚なのか作者なのかと思わせるところが、面白い。

 

鰯干す五百羅漢も竹箒    幹夫

○(仙翁)五百羅漢と竹箒、面白い組み合わせですね。

 

新涼やカード一枚だけの旅    泉

◯(アネモネ)シンプルな旅。なかなかです。

◎(楊子)季語が新しい時代に即していて驚きがあります。

○(餡子)私はこういう旅はしたことがりませんが、もう今では普通になってきているのでしょうね。キャッシュレス時代は老いの身には恐怖です。   

◯(ルカ)確かにそうですね。

〇(あき子)簡潔な旅の様子が、新涼の空気感とよく合っている。

〇(めたもん) クレジットカード一枚だけで、いろいろなしがらみから離れた旅。いいですね。 

○(ちせい)シンプルな中に滋味深いものが有る句だと思いました。

○(宙虫)カードどころかスマホひとつの時代の身軽さがいい。

 

はく製のふぐは箱ふぐ秋高し   アネモネ

○(敏)「は…ふ」「は…ふ」このくり返しがナント季語に相応しく思えてくるから不思議ですね。

○(卯平)ふぐの中でも猛毒のあると言う箱ふぐはく製とはふぐ提灯だろうか。「河豚は箱ふぐ」だと景が明確になると観賞した。「秋高し」より「秋暑し」だとはく製がより生きるのではと観賞した。

 

なめらうと新酒にとろけ滋酔郎忌   瞳人 

◯(アネモネ)いかにも江國滋さんの忌日。

◎(餡子)江國滋さん。確か買ったはずと思い本棚を探しましたら、ありました。今一度、読みかえしました。8月10日が忌日ですね。どの句も癌に立ち向かう葛藤が赤裸々に詠まれていて凄さを感じます。8月8日辞世の句「おい癌め酌みかはさうぜ秋の酒」が強烈に心に残っています。 

○(敏)「なめろう」は房総あたりの船頭料理かと。滋酔郎は江國滋さんの俳号。東京やなぎ句会の師匠役。師匠同様永六輔、小沢昭一もすでに故人。

○(卯平)江國 滋「おい癌め酌みかはさうぜ秋の酒」を踏まえた追悼句。「なめろう」と言う郷土料理のこの句での位置は不問。「とろけ」は更に推敲の余地はあるだろう。

〇(めたもん) 江國氏の生き方そして死に方を彷彿とさてくれる句ですね。「とろけ」が上手い。  

◎(道人)辞世の句が「おい癌め酌みかはさうぜ秋の酒」の滋酔郎こと江國茂の忌日(8月10日)に相応しい句。

◯ (アゼリア) 幸せなひとときですね。

 

店たたむ話新酒を交わしつつ   楊子

〇(瞳人)そんな話があいそうな

◯(アネモネ)そんなことあるだろうなと思いつつ新酒が明るい。

○(泉)このコロナ禍で、閉店した居酒屋も多いことでしょう。

〇(幹夫)「新酒」と「閉店」との新旧対比。良い酒は良い水から・・・新潟を代表する銘柄の一つに「上善如水」がある。

○(餡子)客同士の話か此処の食堂の主との話か?コロナ時代の一つの社会現象として歴史に残るでしょうね。  

○(あちゃこ)新しい門出を願って酌む新酒なのでしょう。

○(仙翁)酒を呑んでいる様子がしみじみと浮かびます。

◯(ルカ)新酒に明るさがあります。

◎(卯平)時事句とも読める。が、ここでは「新酒」に店をたたむ主人公の年嵩を感じる。自分の生涯の終焉をそれなりの感慨をもって自覚している。(新酒)を「交わしつつ」(店たたむ)「話」はけして寂しい話しではない。新酒に込めた詠み手の思い。

◯ (アゼリア) 近隣に廃業が増えました。寂しい限りです。

○(宙虫)常連客とのつながりそして未来。さびしさと次への展開がいい。

 

何想ふ生け簀のさかな生ビール    仙翁

〇(幹夫)生け簀のさかなは「魚」でもあり、生ビールの「肴」でもあり。

○(敏)生け簀の魚は何も想っていないでしょう。想っているのは生ビールの主。

◯ (アゼリア) 私たちをどのように見ているのか知りたい気がします。

 

ひょいと寄る港の飯屋涼新た    餡子

◎(アネモネ)「ひょいと寄る」に惹かれました。

〇(珠子)確かに昼ご飯は偶然の出会い。大抵「ひょいと寄る」です。    

○(あちゃこ)港に行くとつい美味いもの屋を探しますね。

〇(まきえっと)今は情報を検索できるけれど、ひょいと寄った店が美味しかったりすると嬉しいです。

◯(ルカ)気分がいい句。

〇(めたもん)上五の「ひょい」が状況や気持ち、店の雰囲気などを自然に上手く表しています。   

◎ (アゼリア) 昭和の映画の一コマのようです。

◎(宙虫)港町には朝早くから開いている飲食店がけっこうある。漁師たちの空気感が伝わっていい。

 

新涼や漁火揺れる黒い海   あちゃこ

〇(珠子)どんな魚を獲る漁火なのでしょうか。黒い海は豊かであり、危険と隣り合わせでもあります。 

◯ (アゼリア) 小麦やとうもろこしを運んだ時も揺れたのでしょうね。ニュースを見ているだけで心が揺れます。

 

海鮮に混ざる焼肉残暑なお   まきえっと

〇(瞳人)その組み合わせを見ました

〇(藤三彩)色々とお客に提供したいと亭主は思うがこの秋の値上がりに悩む

○(泉)やはり焼肉は定番です。外せませんね。

○(ちせい)意外性に俳味が有ると思いました。

〇(あき子)「なお」の力の抜けた感じがいいです。

 

大将のお奨め朱筆しその花    藤三彩

○(餡子)楽しくなるた食べて見ようかなと思わせる大将の見事な筆跡です。「しその花」は意外な取り合わせ 。

◎(めたもん)紫蘇の花のたわわな感じや香り・色が上五・中七といい距離感で響き合います。 

 

生け簀かなどの鰺に目をつけようか    敏

 

午後二時の水槽透かす秋の風       卯平

〇(まきえっと)ちょうどランチが終わってお店が空いた時間ですね。ゆったりした時間の流れを感じます。

 

秋鯵の生け簀はしずかウクライナ   宙虫

〇(楊子)発想をグッと飛ばして時事詩となりました。

◎(幹夫)2月24日の侵攻から半年を超えた。ロシアにとっては、「秋鯖は嫁に食わすな」と言われるほどに魅力的な国土なのか。食べられるのみを待つ生け簀の秋鯖には抵抗の術が無い。

◎(敏)生け簀の鯵から海→ウクライナと連想。海繋がりの現況を思う。

〇(あき子)ウクライナが頭から離れない現在が、生け簀を活写することで滲み出ているように思います。

 

水槽に夜の帳を雨の月   あき子

○(仙翁)水槽と夜の帳、いいですね。

○(卯平)「水槽に夜の帳や雨の月」であれば特選を検討した。水槽と雨に違和感を感じる鑑賞もあるかも知れないが「雨の月」が醸す叙情は捨てがたい。

 

釜めしや秋の魚にあだ名付け    ちせい

◯(道人)食欲の秋!愉しみましょう。

〇(まきえっと)あだ名を付けると愛着感じて食べれなくなりそうですね。

 

釜飯の米は一合秋高し   アゼリア

○(泉)釜めしの米の量までは、気がつきませんでした。

〇(幹夫)目の前でほかほかに炊きあがった釜飯の旨さが伝わってきた。

◎(珠子)「峠の釜めし」の空き容器で釜飯を炊くというレシピを確認しましたら「米一合」でした。天高く馬肥ゆる秋。なかなか旅にも出られない日々ですが、せめておいしいものを頂きましょう。 

〇(まきえっと)新米の季節が待ち遠しいです。

 

メシ食いに二百十日の波の音    珠子

○(あちゃこ)漁師も恐れる二百十日が効いています。上五の軽さがいい。

○(卯平)句材が面白い。「波音の二百十日や・・・・」であれば更に選を進ませた。「メシ食いに」では詩情が遠退くが。

○(ちせい)波の音に威厳が感じられました。飯食いに行く男。

 

白すぎるトレーに二尾の秋刀魚かな   めたもん

〇(瞳人)今年は食べられましょうか

 

もみじ鯛尾鰭御頭お食い初め     道人

〇(めたもん)中七・下五に「O」音が並び、リズムよく大らかで健康的。目出たい感じが溢れます。

 

木像の鶏飛んで秋うらら   ルカ

〇(珠子)あの鶏はどこから来たものでしょう。勢いよく陽気そうで、海の向こうのお土産かもしれません。何の脈絡もなく好きなものを飾ってある食事処は懐かしいです。

〇(あき子)あの堂々とした木像の鶏が、美しい秋の光りの中を飛ぶイメージは豪快。

◯(道人)飛ばないものを飛んでみせる技量に参りました。

 

地蔵盆安倍持つマイク戻りけり   瞳人

◎(ちせい)日本の初秋の季語は当然新たな現象によって根拠づけられるのだと思いました。

 

つづく・・・・・

 

 

 

 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿