改元の和みの風や若葉萌ゆ あちゃこ
○(泉)元号は日本だけらしい。伝統と歴史を感じます。
◎(敏)31年目の事象を取り入れての作品。「和み」「若葉」と、それとなく祝賀を込めた気持がうかがえます。
◎(瞳人)令和、いい元号でしたね、10連休も、ま、よかったですね、こちら、無関係ですが
〇 (多実生) 令和と若葉、和みの風も新鮮です。
○(幹夫)中句「和みの風」が気に入りました。
雲万朶定めなき身の島遍路 道人
○(仙翁)万朶、難しい言葉を教えて貰いました。島遍路いいですね。
◎(あちゃこ)中七が見事に一句の詩情を高め素晴らしいと思います。私も色々なお遍路さんに会いましたが、皆さん人生の艱難辛苦を背負って巡っているようでした。
○(ちせい)季語は「遍路」。漂泊の旅の様な気分と推察しました。
賽銭の上に賽銭若葉風 珠子
◎(楊子)この軽みがいい。季語が俳句たらしめている。
○(餡子)賽銭箱などない野仏ならではの光景ですね。どうしても、お賽銭を上げて祈りたくなります。
◯ (アゼリア)リフレインが効いていて、リズムの良い楽しい俳句と思います。
○(ルカ)時間の重なりが賽銭に感じられて新鮮。
〇(まきえっと)「賽銭の上に賽銭」がよいですね。
○(幹夫)景が見えてくる。
〇(宙虫)リズムがいいのが一番。
春霞入り江に亀が辿り着く ちせい
〇(まきえっと)何かいいことがありそうです。
〇(珠子)「ホメラレモセズ クニモサレズ」懸命に生命を繋いでいく生き物たち。長寿の亀でさえ。
(選外)(道人)のどかな景。「亀が辿り着く」が良いですね。
道祖神二体寄り添ふ風五月 アゼリア
○(泉)良く描写された俳句だと思います。
◎(ルカ)風五月がいいですね。
○(敏)「二体寄り添ふ」がいいですね。
○(仙翁)まさしくその通りの景色ですが。
○(幹夫)素直さが佳い。
(選外)「風五月」が効いています。確かに海から山(安曇野など)へイメージも広がっていきます。
村人の祷りみゃくみゃくと暮春 餡子
山つつじ遥かに祈る夫婦仏 仙翁
指を差す小島躑躅に目の眩む まきえっと
聞けなかったこと聞ける岬の凪ぐつつじ 宙虫
〇(道人)静かな湾の岬の躑躅は何かを語ってくれそうです。
〇(まきえっと)そういうことってありますね。自然の力。
新緑の風待つてゐる道祖神 幹夫
〇(珠子)ひたすら待ち・祈る道祖神。
○(餡子)あの、山頂では冬はきっと風がビュウービュウーでしょう。春を待つ野仏・・・。いつからああしてあそこにいたのでしょうか。
◎(ちせい)季語は「新緑」。我々の為に多幸を祈っていてくれているのかもしれません。
五月病ピアノの森に癒される 藤三彩
○(泉)新人には、「五月病」は大変です。
山に幸海に幸ありつつじ咲く 泉
〇(楊子)つつじが動くかどうかはわからないが、圧倒的なつつじの色が効いている。
〇 (多実生) 山の幸はともかく海国日本の海の幸は健在です。
半島へ躑躅せり出す色をして ルカ
〇(楊子)せり出す色という表現にまいりました。
〇(まきえっと)半島が全部躑躅に覆われたらすごいですね。
トンネルを抜ければ青葉風薫る 楊子
○(敏)「トンネル」を出た途端に実感した瑞々しい季節感が表現されています。
〇(瞳人)免許、返上しても目に浮かびます
◎ (多実生)トンネル内と青葉若葉の落差、風薫るがよく効いています。
○(ちせい)季語は「風薫る」。雪国ではないですが、何か期待させるものが。
〇(宙虫)トンネルの出口に見える青葉の山が印象的。
鯛めしに誘はれ宇和ノ海五月 瞳人
○(泉)いかにも五月、という感じです。
◯(アゼリア)旅の大きな楽しみは、美味しいものを食べることですよね。
〇(藤三彩)会社の近くの「鯛屋」でランチしていた。瀬戸の鯛に思いを馳せるという気分がいい句。
藪を漕ぐ五月の空にあいたくて 敏
◎(アネモネ)そんな一生懸命さいいですね。
◎(餡子)3枚の写真からこんな素敵な句が出来るんですね。
◎(アゼリア)五月の空の美しさは格別ですものね。
〇(藤三彩)ヤブ漕ぎという人が踏み固めていない道をひたすら登る、山登りが好きな人だね
○(仙翁)藪を漕ぐ、面白い表現ですね。
◎(道人)「藪を漕ぐ」の措辞と中七下五への展開に惹かれました。
〇 (多実生) 人が入る事の少ない登山道やまた、登山道を外れると藪を分けて登る事になります。やがて尾根に出る光景です。
○(あちゃこ)上五の発想に驚きました。藪には日々の生活の大変さが滲んでいるようです。
◎(宙虫)五月の空と藪の取り合わせがいい。
いくたびも深呼吸して芽吹き山 アネモネ
◯(アゼリア)美味しい空気をたくさん吸って健康に良さそうです。
○(ルカ)確かに何度も深呼吸したくなります。
〇(藤三彩)若葉臭の出す森林浴のフィトンチッドを吸い込む。"ただ"だし思い切り好きなだけ。
○(敏)芽吹き山を行く気持ちの良い作品。
○(あちゃこ)爽やかさとたどり着くまでの心情が重なります。
里若葉日頃の憂さも何処へやら 多実生
誰が積みし仏のケルン山巓に 道人
石仏の孤島へ合掌俊寛忌 藤三彩
○(餡子)俊寛のことを考えると、胸が詰まります。この句は逆に海からの視点でしょうか。
〇(まきえっと)俊寛忌の季語がいいですね。
おにぎりの包み開いてつつじ山 アネモネ
◎(珠子)のびのびとあたたかくてやさしくて。いいなあ〜!
◎(泉)単純明快。おにぎりが美味しい事でしょう。
◎(藤三彩)なんかほのぼのとした感じ。鶏と牛蒡飯などそのままラップで包んでゆきました。
〇 (多実生) 戦後の耐乏時代を思い出しました。
○(あちゃこ)小学生の頃好きだった故郷の秘密の丘を思い出しました。
○(幹夫)情景が佳く詠まれています。
○(ちせい)季語は「躑躅」。何かほっとするひと時に躑躅が咲いて居るのが目に入った。
〇(宙虫)おにぎりは三角だと思う。つつじ燃える山を見ながら。
賽銭を横目に夏の道祖神 ルカ
五月の空連れて地蔵が逢いに来た 宙虫
◎(まきえっと)「地蔵が」としたところがいいですね。
○(幹夫)捉え方が佳い。
山笑うただ手を合わすだけのこと まきえっと
〇(珠子)何があってももう祈ることだけしかできません。
○(泉)意味深といえば、意味深ですね。
○(ルカ)さらっと詠んでいるのに、味わい深いです。
○(仙翁)季節の移り変わりを見ることは、嬉しいことです。
〇(道人)諦観から無の境地へ。人生の呟きのようでもあります。
〇(瞳人)それが幸せというものですと、言われそう
○(あちゃこ)中七は類句を目にした記憶がありますが、この季節ならではの想いが伝わってきます。
〇(宙虫)それだけのこと。すべての行動に深い意味をこめて生きていくならきっとつぶれるなと思う。
春惜しむこんなところに双体神 餡子
○(アネモネ)ほんと、こんなところにという驚き在りますよね。
○(ルカ)春の終わりに出会ったのも何かの縁。
○(敏)「こんなところ」で出会った驚きと喜び。
(選外)(道人)岬の頂上の双体神には吃驚しましたが、ちょっと感動しました。
仏法僧鳴くや郡界道祖神 敏
〇(珠子)藩境に育ちました。松の並木らしきもの一筋越えれば言葉も違えば文化も違いましたし、昭和の真ん中あたりまでは、嫁にやるな・貰うなの関係でした。むろん鳥はずっと自由。
○(餡子)なるほどです。此処からこっちは○○郡、そっちは△△郡。 この石仏はどちらかしら。
〇 (多実生) 美声とは程遠い仏法僧の鳴き声と道祖神、渋い取り合わせです。
野仏に賽銭置いて青き踏む 泉
○(アネモネ)料金を払っているようで面白い。
〇(瞳人)拝むもよし、賽銭もよし、うれしい季節
○(ちせい)季語は「青き踏む」。まるで踏み料の様な賽銭がユーモラスでした。
野仏は旅人の墓蝶の昼 珠子
〇(楊子)野仏と蝶の取り合わせにつきます。
○(餡子)ここで行き倒れになった旅人がいた・・・。小説が書けそうです。
◯(アゼリア)蝶は旅人の化身のような。ドラマのある句ですね。
◎(仙翁)野仏の、墓と蝶の組み合わせがいいですね。
○(あちゃこ)写真の雰囲気を醸し出していると思います。
◎(幹夫)季語「蝶の昼」の選択が佳い。
〇(宙虫)蝶がドラマを生む。
石仏の後ろの躑躅鬼女めきぬ 楊子
○(道人)躑躅を介した二対の石仏と鬼女の取合せが中々。
枇杷実る週に二便の連絡船 アゼリア
〇(楊子) いかにもありそうな日本の島を想像させます。心豊かなくらしが見えます。
○(敏)実り豊かな離島の生活そのものまでが眼に浮かびます。
〇(道人)小さな島暮らしながら、あくせくせずに自然と一体となったゆとりを感じました。
躑躅咲く岬めぐりの夫婦旅 あちゃこ
○(アネモネ)いいなあ。こんな旅してみたいですよね。
〇(藤三彩)夫婦仲がいいんだな。なるべく離れていたい老々への道途次なのですが
〇(瞳人)メロディーが空耳に聞こえます
新樹光風に祀れる道祖神 幹夫
〇(珠子)「風に祀る」美しいと思いました。
○(アネモネ)「風に祀れる」が上手い。
○(ルカ)風に祀れる、がいいですね。
〇(藤三彩)あの石仏は道祖神であったか。新樹光の季節になりました。
○(仙翁)風に祀れる、いい表現ですね。
躑躅咲き地蔵の金運上昇す ちせい
野仏に手合はすベニシア夏帽子 瞳人
〇(楊子)国際的なところがいいです。日本文化は外から見ると良く見えるらしい。
◯(アゼリア)ベニシアさん心も日本人のようですね。
石地蔵遠き小島は朝がすみ 仙翁
○(ちせい)季語は「霞」。石地蔵は道祖神なのか、などいろいろな感慨が湧くのでしょう、遠き小島の朝霞を見ていると。
思い切り我鳴ってみたい遠霞 多実生
○(アネモネ)そんなスカっと感やってみたいですね。
〇(道人)仏と海と花と山。解放感がありますね。
広島は何だか不安定な天気が続いています。それにしても、元号は変わるし、日々歴史は動きますね。今年の広島カープは、確実に得点能力が低下しています。今後の展望は、どうも巨人とヤクルトが走りそうですね。