カンナさん、初めまして。
この3連休も台風ですね。雷が鳴ったり太陽が出たりと忙しい天気です。
皆さん、気を付けてお過ごしください。
兼題:重
馬肥ゆる体重計は物置へ 泉
○(餡子)美味の秋!!物置へしまう程ではありませんが、載らないようにしています。
◯(ルカ)ここのところ体重計とは無縁です。
満月や光の重さ掌に受ける 楊子
○(あちゃこ)満月だからこその光の重さ、確かに感じます。
○(アダー女)今年の仲秋の名月見事でしたね。視覚でとらえることの多い月の感覚を掌で受ける感覚で表現したところが新鮮。
○(餡子)先日の十五夜の美しさは、まさにこんなかんじでした。
○(ちせい)光に重さが有るのかと言う疑問以上に詩性を感じました。
◯ (アゼリア) 本当に大きな見事な満月で手に受けたら重そうに輝いていました。
〇(まきえっと)素直に表現しているなと思いました。
○(幹夫)光り輝く満月です。
重き選貶められて散る柳 瞳人
ベコは退け芋桶重いけど運べ 吾郎
○(宙虫)のどかな光景。なかなか牛はいうことをきかない。
◯(道人)濁音のリズムと回文句特有の俳諧味あり。
◯ (アゼリア) 運んだら重そうです。見事な回分俳句です。
国葬の重い足枷今日の菊 カンナ
○(泉)国葬という決定は重いですね。世論が一致しない、というのも不都合ですね。
○(アネモネ)「重い足枷」に得心です。
◎(あちゃこ)中七に心情が滲んでいます。共感の一句。季語もつき過ぎず、さらりとしめて見事。
○(餡子)これだけはっきりと反対が多いのに、止める決断がおできにならないのですね。足枷の意味がいろいろに取れ深いです。お亡くなりになったことへの哀悼の気持ちは皆あると思います。で、・・・・。
◯(道人)俳人は時には政治の非を詠うべき。季語の選択がいい。
ため息をつける貴重な雨、稲田 宙虫
艶やかな翅を重ねて秋の蝶 幹夫
◯(ルカ)艶やかな翅がいいですね。
弧を描いて重く垂れゆく梨の皮 アネモネ
○(泉)いかにも美味しそうな梨ですね。
○(アダー女)私は、梨も林檎も四つ割りにしてから皮を剥く習性がありますが、ぐるりぐるりと丸ごと剥くんですね。確かに瑞々しい梨の皮は林檎より重く弧を描くように垂れ下がるんでしょうね。梨の瑞々しい美味しさも充分伝わってきます。
○(宙虫)何か気がかりがあるのかと心象をのぞきたくなる。
○(幹夫)上手に剥く人がいます。
重心の左右等しき良夜かな 卯平
〇(楊子)心が落ち着いていることを「重心の左右等しき」と表現されたところにまいりました。
○(吾郎)バランスの良さが、その美しさのエレメント
○(仙翁)満月は、左右対称、何となく心も休まりますか。
(選外)(道人)言われてみると確かにその通り。名月の重点を読めるのは題詠の醍醐味かもしれない。
名月の重きに揺れる山の湖 仙翁
○(あちゃこ)湖のさざ波に名月の重さを感じているのでしょう。美しい景。
日の重く枯れ向日葵の項垂れる 敏
◎(アダー女)夏から秋への推移を向日葵が枯れ、その花の部分が残暑の厳しい暑さに頭を垂れているという観察は。元気な花の象徴のような向日葵から栄枯盛衰を感じさせる句となっていて見事です。
重体のこの星コスモス乱れ咲く 餡子
○(あちゃこ)対比が効いて、心情も伝わりました。
◯ (アゼリア) 温暖化、戦争ー心配です。
天高し鰻重にある松竹梅 アダー女
○(泉)多くの人が、「竹」を選ぶのでしょうね。
○(餡子)特上、特、並というのもありますね。お値段の違いにメニューを手にして悩みます。
〇(あき子)天高し、地の鰻重にも序列があって。
〇(めたもん)鰻重は「松」にしようかそれとも…。まさに天高しといった気分ですね。
吹けば飛ぶ平和の重さ花すすき あちゃこ
◎(カンナ)そうですね。平和というのは儚いですよね。
◎(アネモネ)ほんと平和ってそんなものだったんですね。
◎(敏)上五中七=花すすき、の等式に圧倒されました。
〇(めたもん)不思議な共感。軽く白く、華やかさは無い 「花すすき」の「花」 が効いています。
◎(道人)時事句としてではなく時空を超えた「平和」の重さに共感。花すすきは揺れるばかり。
◯ (アゼリア) 花すすきの季語に寂しい気持ちがつのります。
〇(まきえっと)吹けるだけの物があるうちに何とかしたいですね。
名月や金の盃重ねつゝ 道人
○(泉)「金の盃」とは、豪華ですね。
快復の重湯ひとくち木の実降る あき子
〇(瞳人)胃を切ったときの滋酔郎みたいですね
〇(藤三彩)手術後に重湯を啜ることができるようになれば先ずは安堵する
◎(宙虫)安堵の気持ち。やわらかくあたたかく静かに伝わってくる。
〇(めたもん)恢復の重湯を食したときの感じを「木の実降る」が表現。この季語は渋い。
○(ちせい)快癒の口中に命の重湯が広がる。
〇(まきえっと)「木の実降る」がいいですね。
秋の朝重心低きヨガポーズ ルカ
〇(楊子)やはり秋は低いポーズだと、なぜかしら納得させられました。
○(卯平)重心低きポーズと秋の朝の間の関係に暑さを乗り切った詠み手の気持ちを伺う。
重ね置く本不揃いに鳴くちちろ めたもん
〇(カンナ)上手い句。
○(仙翁)本が不揃いに置かれ、こおろぎの声も不揃いに、面白いですね。
〇(あき子)身の回りもちちろも、でこぼこしてまとまらないのが面白い。
虫の夜の重力かろき闇の影 藤三彩
満月へ傾ぐ重心鶴を折る まきえっと
推測する蜻蛉の重量爪を切る ちせい
○(卯平)面白い句。蜻蛉の軽さに軽やかに爪を切る詠み手の景に滑稽感。
戦時の殊勲は平時の重罪曼珠沙華 アゼリア
テーマ:高い
うろこ雲草を褥に先生は アネモネ
○(吾郎)漱石か、もしくはいつか見た朝ドラ
(選外)(道人)「褥に」が巧い。暮鳥先生かも。おーい雲よ‼︎
飛蝗には飛蝗の高さ垣根飛ぶ まきえっと
○(宙虫)天高し。それぞれのいきものが見る高さがあるんだろう。
◎(幹夫)身の丈に合った暮らしをということか。
ひとつしか買えない林檎見比べて カンナ
◎(泉)庶民には物価高は辛いです。
崖淵に両手を挙ぐる秋の風 卯平
秋霖やてっぺん霞む箒杉 アダー女
天高し大地の土は柔らかく ちせい
(選外)(卯平)天と大地の関係が少々安易では。
鶏頭に染まるぷらいど自動ドア 宙虫
月天心銃の重さは知らぬまま あちゃこ
〇(楊子)取り合わせの妙でしょう。戦を詩に詠むのは難しいのですが、うまいと思いました。
○(卯平)時事句で観賞も出来ようがここでは少年の心の重さ(銃の重さ)と月天心の間を観賞したい。
◎(餡子)知らずに一生を終えることの幸せ。行きたくない戦にかり出されたひとびとにとって、銃はどんなにか重かったでしょう。しかし、この銃に惑わされている人達も大勢いるのも事実。兵器は要りません。
◎(ルカ)世界中がそうであってほしい。
〇(あき子)天頂にある月は、銃の重さを知らずに戦場へ行く兵士を照らす。
◎(まきえっと)詩を読んでいるようです。17文字なのにたくさんのことを詠んでいる感じがします。
軒を出て一気に天へ秋燕 敏
○(仙翁)勢いよく空に上る燕の様子がよく見えます。
◎(あき子)一気に天へと一直線に駆け上る、文字を読んでイメージするこの爽快感。
◎(めたもん)颯爽と高く飛び去って行く燕の後ろ姿。からりとした淋しさが気持ちよい。
もう空に届く高さを一位の実 ルカ
◎(楊子)「を」が詩にしています。ここで切れて見上げる時間が生まれます。「一位」という漢字も見つけですね。
○(吾郎)コントラストの美しさ
高階に住み名月を近くする 餡子
〇(瞳人)いや、うらやましいことです
◯(アネモネ)なるほどと思いました。
○(卯平)六本木ヒルズの最上階で住まなければこのような景を実感できないだろう。
○(敏)私は高いところは苦手ですが、一句のような見方ができるのは素敵です。
秋高し定年暮しはケセラセラ 泉
◎(瞳人)そうやって大きく構えるのがいちばんです
○(卯平)羨ましい。と同時にこれは詠み手の夢かも。秋高しとケセラセラは予定調和かも知れない。
初さんま敷居高きを目に詫びて 瞳人
松茸や中国産より加奈陀産 藤三彩
〇(瞳人)したい放題のさばる國のなんかより、ずっといいです
○(ちせい)何となくユーモラスな感じがしました。
人は地に鳶の屈託空高し 仙翁
昼飯に秋刀魚自慢さ煮しめる日 吾郎
○(あちゃこ)煮しめるという言葉の斡旋が見事。
○(仙翁)まだ、今年サンマを食べていません。いいですね。
〇(まきえっと)秋刀魚は金目鯛ぐらいの高級な感じがします。昼には勿体なくて食べれません。
○(幹夫)上手い!
天を指し這ひ上る蔓牽牛花 アゼリア
○(敏)わが家の朝顔はそろそろ終わりが近づいていますが、蔓だけは一句と同様「天を指し這ひ上」がろうとしています。
登高の馬の背中に備前富士 幹夫
◯(道人)この季語で身近な固有名詞をうまく使っている。「馬の背中に」の妙。
(選外)(藤三彩)備前富士は岡山後楽園の借景だそう。江戸時代の句なのかな
武士(もののふ)の高き石垣蔦かづら めたもん
塀の中小さき窓まで秋の月 あき子
〇(カンナ)想像が広がります。
○(アダー女)秋の月が塀の中の一軒家の大きい窓から小さい窓まで煌々と照らしている。そしてその家の中のどの窓からも秋の月が眺められるということに。
◎(仙翁)塀の中、何処になるのでしょうね。月は、みんなの共有です。
霧ぶすま心眼で見る利尻富士 道人
◯(アネモネ)「利尻富士」いいですねえ!
○(ちせい)心眼が印象的でした。
◎ (アゼリア) 実際に見えない時は、心眼で見ればいいのですね。
龍淵に残高不足カード鳴る 楊子
○(吾郎)おやおや臥龍を起こしちゃいますよ
(選外)(道人)何事も気にしない方がいいかも。季語の放れ具合が面白い。
雑詠
邯鄲ら鳴きて夷狄なランタンか 吾郎
〇(めたもん)夷狄といえば中国。邯鄲も混じる鳴き声に異(周辺)国風なランタンの灯りが。意外な語彙の展開が魅力。
名月や青きベランダ千一夜 アダー女
(選外)(卯平)アラビアンナイトの物語がベランダを舞台で展開される。面白い句。
鉄橋の真中で晒す梨の皮 卯平
さりげなく『妻のトリセツ』置く残暑 餡子
〇(カンナ)この句を読んで『妻のトリセツ』を知りました。
〇(藤三彩)市村正親MCの放送。妻の・・・がノウハウ本とは!
◯(アネモネ)笑いました。
◎(卯平)これを発見した妻の気持ちで観賞しても面白い。残暑にその後のご夫婦の関係が伺える。しかし夫の優しさも。妻に夫の気持ちをわかってもらいたいと言う詠み手の心情に共感。
秋の蝶池の周りを離れられず ちせい
鳥影のしづかに消えて源義忌 ルカ
〇(瞳人)源義さん哭いていていますよ、きっと
○(アダー女)五輪汚職で世を騒がせている「KADOKAWA」。でもその初代は俳句を愛し、その貢献は多大でした。「鳥影がしずかに消えて」で初代角川源義氏の悲しみ、無念がひしひしと伝わってきます。
○(敏)角川源義の忌日は「篁に一水まぎる秋燕」からとって秋燕忌ともいうらしい。掲句の鳥影は秋燕を指しているのだろうか。
(選外)(藤三彩)角川源義(げんよし)は角川書店の創立者。次男の会長自宅へは五輪汚職事件の捜索が入った。
足音の後ろに前に虫の闇 道人
〇(カンナ)ちょっと怖いミステリアスな不思議な句。
〇(楊子)人が通る時だけ止む虫の音をうまく詠まれています。音ではなく「闇」としたところもいいです。
◎(吾郎)囲まれたか! 各々方ご注意召されい
○(あちゃこ)自然体で詠まれ、抒情も感じます。
◯(ルカ)闇が広がる夜道、虫の声だけが響く
○(仙翁)虫の声は聞こえるのにどこに居るのか、本当に分かりませんね。
〇 (あき子)暗闇に足音と虫の声だけが聞こえる、深い闇の魅力。
〇(めたもん)秋の夜道を歩くときの雰囲気まで伝わってきます。
◎(ちせい)虫の国が有るのだと思いました。
〇(まきえっと)暗闇を感じます。
○(幹夫)虫の鳴く季節になりました。
青鷺の顔を上げたる秋野かな 仙翁
○(アダー女)蕭々たる秋野の景が、青鷺がひょいと顔を上げた動きでいっそうの哀れを感じます。
◯(道人)客観写生句であろうが、瞬間の動きを捉えて見事。景が大き過ぎるのが難点かも。
新米とおもへば今年の精米日 藤三彩
女王は夫のそばへ秋の虹 泉
〇(藤三彩)エリザベス女王崩御を国葬というのだろう。虹がかかった映像が象徴的だった。
ただならぬ富士の稜線九月ゆく あき子
○(宙虫)見慣れた景のはずなのに、こわれゆく日本の象徴。
重箱の隅つつく国会螻蛄鳴けり アゼリア
〇(カンナ)775になっているのでしょうか?
〇(瞳人)お螻蛄みたいのばかりですからねえ
どれがどれやら釣舟草もその花も アネモネ
○(吾郎)自然を前にしたとまどい
秋の虹バッキンガムの衛兵に 幹夫
◎(藤三彩)9月19日午前11時55分(現地時間)から英国全土で2分間の黙とうが行われるという。赤い衛兵のみなさまご苦労様。
◯(ルカ)女王への追悼句
寺までの徒歩が頭になくて霧 宙虫
残暑なおウクライナもコロナ禍も 敏
三人に人生三つ花野風 めたもん
○(泉)他人の人生は、他人にしか分からない。
〇(あき子)どんな三人で、どんな人生を過ごしてきたのか。花野を吹く風はまだ冷たくなくて、爽やか。
○(ちせい)含蓄のある句だと思いました。
◯ (アゼリア) どこか達観した景の大きい俳句と思いました。
貴て人の笑み懐かしや九月尽 瞳人
加速する終末時計霧の海 あちゃこ
○(宙虫)海は言い過ぎの感はあるが、先の見えないひっ迫感は伝わる。
○(敏)最近の世の中の情勢を見ていると「終末」という語が真実みを帯びてきますね。
(選外)(アダー女)年を重ねる毎に月日の流れが速く感じられます。「加速」「霧の海」という措辞がなんとも同感の意を誘います。
一枚をはおって脱いで秋の朝 楊子
〇(藤三彩)寒暖差の感じられる朝。体調に気を付けましょう
◯(ルカ)本当にその通り。
○(幹夫)「暑さ寒さも彼岸まで」とは言うけれど。
威風堂々都会の空に名月は カンナ
◯(アネモネ)ほんと今年の月はきれいでした。
うっかりと送信うっかり秋の空 まきえっと
〇(藤三彩)うっかりと詐欺メールには返信しないようにしましょう。
〇(楊子)つきぬけた開放感があります。「と」はなくてもいいかなあと思いました。17音ですから。
○(餡子)あっと思ったときにはもう遅い。つい送信ボタンを押しての後悔・・・あります。
◯(道人)秋の空とはうわの空?送信ミスはついうっかりなのか、恋煩いなのか。つい深読みしたくなる句。
☆☆次回をお楽しみに。
日本は国葬で揺れています。安倍元総理はどの様に思っているのか?やはり世論が割れる、という事態は良くないと思います。
広島は秋らしくなって来ましたが、今年はいつまでも暑いです。しかし、コロナ禍は続きます。