小麦句会 on blog

俳句「麦の会」の句会のひとつです。 ネット句会を月二回行っています。 この句会は誰でも参加できます。

第507回小麦句会結果発表

2023年08月24日 21時39分27秒 | 15日句会

「エンジョイ・ベースボール」の言葉が賑わっておりますね。
毎日、もうこれ以上は無理って思うことが多いのですが、出来る範囲で努力しようと過ごしています。
努力を積み重ねて重ねてようやく楽しいかもって思えるときがあります。
3486校の頂点に立った高校は始終笑顔でしたが、笑顔になるまでは結構大変だったんだろうなと思いました。
優勝校の「部訓」は読み応えがありました。

兼題:残
大谷が残るか否か秋暑し  泉
〇(藤三彩)大谷のことはあまり心配しないが。サッカーのネイマールがサウジに移籍。神戸に居たイニエスタはUAEへ。秋暑し

老骨をまだ灼きくるる残暑かな  瞳人
○(仙翁)本当に暑すぎますね。年寄りには特に。

残虐な史実や甘い桃を剥く  宙虫
○(泉)十分な解釈ができませんが、戦争と平和という事でしょうか?
◎(カンナ)中七から下五への展開が上手い。読む人により、いろいろな解釈ができる優れた句だと思います。
○(ちせい)甘い桃と残虐な史実。何か私の空想を掻きたてました。

天災地変凌ぎ生き残って晩夏  カンナ
〇(瞳人)まるでこの夏の北京のようです

夕立へカバンを傘に駆け出しぬ  楊子
○(仙翁)よくある光景かと思いますが。
△(卯平)景として実感し句材には十分共感。語順等を配慮すれば選候補。但し「カバンを傘に」では臨場感がぼやけるのでは。たとへば「カバンを頭に」だとリアル感が増すのでは。

気づかうよ残念捻挫八日月  吾郎

残量の合わぬ錠剤秋暑し  餡子
○(アネモネ)しばしばあります(笑)
〇(珠子)ちょっとどきりとする日常の一コマ。「アレ、飲んだっけ?」毎日きちんと薬を飲むのは意外に難しい。  
〇(楊子)合うことの方がめずらしいです。なぜでしょうかね。人のせいにしておきましょう。
〇(あき子)心当たりのある情景、秋暑しが救いです。
○(卯平)この錠剤は睡眠薬の錠剤か。「残量の合わぬ」と言う設定に物語性があるだろう。「秋暑し」の措辞も中七上五を支える季語。おそらく上五の残量との関係で避けたであろう「残暑」より「秋暑し」に物語性の膨らみを感じる。
〇(春生)暑さのため、注意力散漫になりますね。錠剤の数でそのことをうまく表現したと思います。

残月に向かひて登る墓参り  仙翁
〇(あき子)残月と墓参りが、自然な流れでひとつの光景を作り上げています。

腰低きフェンス横列街残暑  卯平

台風七号残念な旅予約  藤三彩
〇(瞳人)決行していたら、蒸し風呂新幹線でした?

残暑なほ関帝廟の屋根反つて  アネモネ
〇(藤三彩)横浜中華街の関帝廟には外国人旅行者がたくさん出ている。日本人はお家で暑さを凌ぐ。
〇(めたもん)関帝廟の描写である下五が上手く、「残暑」との取り合わせもいいと思います。

百歳の語り部の黙残る蝉  あき子
〇(カンナ)季語が適っていると思います。
◎(幹夫)語り部は終戦当時22歳の青年だった。「残る蝉」が適っている。

黙祷に揺らぐ体幹残暑光  珠子  
〇(藤三彩)昼の一分間の黙とう。八月十五日の日本武道館での全国戦没者追悼式に天皇皇后両陛下が御臨席。平和と人々の幸せを願う天皇陛下のおことばが述べられました。少しは我慢してね。
◎(楊子)およそ俳句にはあまり使わない「体幹」という言葉が喩となっています。あまりにも遠くなった戦争です。
○(吾郎)体幹の揺らぎに実感
◯(道人)「体幹」が佳い。猛暑の今年の六日九日十五日に相応しい句(ただ15日は台風7号が上陸したので場所次第)
◎(あき子)「体幹」を中心にしたことで、「黙祷」の心情が静かに伝わってくる。
◎(餡子)八月は黙祷の多い月です。気持ち的に揺らぐのと共に、やや身体的(老化?)にも揺らいでしまうこの頃です。 
○(あちゃこ)揺らぐのは体幹、そしてどうしようも無い心かも。
◎(まきえっと)「体幹」は硬い表現ですが、残暑光と黙祷に対して効果的に使っています。
◯ (アゼリア) 緊張のせいでしょうか?それとも熱中症でしょうか?私もこういうことがあります。
○(卯平)残暑光であるから黙祷は八月十五日のあれだろう。八月九日の「ナガサキ忌」はあくまで暦上の残暑であり、より残暑光を実感する黙祷は八月十五日午後十二時の一分間であろう。両眼を閉じての平衡感覚は歳を重ねる毎不安定。だから「揺らぐ体幹」には実像に迫る叙。更に戦後七十八年目の不安的な今の世界情勢、それに対する詠み手の思いも感じないわけではない。ただ「残暑光」では弱いのでは。例えば「黙祷に揺らぐ体幹街残暑」とすると戦後七十八年の思いがよりリアルになるかも知れないし、「残暑かな」とすれば「黙祷」と「残暑」の対比がより明確になり句全体が醸す緊張感が増すかも知れない。しかし、原句でも鑑賞者を満足させる句。

残響にあまたの声や海晩夏  あちゃこ

敗戦忌廃船島に残されて  春生
〇(あき子)船だけでなく朽ちた飛行機や兵器が、戦地となった島々に残されたまま

残暑なお三角コーンの赤き列  道人
〇(楊子)進入禁止のコーンもこのように使うと暑苦しい存在になりますね。
◯ (アゼリア) なんか想像しただけで暑さが伝わってきます。
○(ちせい)工事現場を彷彿とさせる場面。赤き列に残暑の炎を見ました。

残る蝉箪笥預金の茶封筒  アゼリア
○(泉)ユーモラスな俳句だと思います。
○(餡子)或るお友達が、亡くなったお母さまの遺品整理をしていて、箪笥の抽出から現金が出てきたという話は 私も聞いたことがあります。茶封筒が良いですね。 
◎(めたもん)くすっとなるような俳諧味が魅力。「空蝉」ではなく「残る蝉」としたのも絶妙です。
△(卯平)箪笥預金にはそれを為している人(この句の場合必ずしも詠み手とは限らない。そこの曖昧さも気になる)の思いがある。その思いが「茶封筒」。残念なのは「残る蝉」でそれを言い尽くしてしまったことだ。

御巣鷹の残暑ほてりの尾根の石  幹夫
〇(カンナ)説明がない上手い句だと思います。

五引く三残り二人に空夕焼  めたもん
○(幹夫)「・・・からすといっしょにかえりましょ♪」童謡「夕焼け小焼け」を口遊む。
◯(道人)「空夕焼」の「空」は惜しいが、「五引く三残り二人」の措辞の意味が(隠れんぼなど郷愁を誘われる子供の遊び)(永い友人が一人欠け二人欠け、と読むと切ない)等々重層的に解釈出来る。
〇(あき子)残りは二人なんですね。五三二のリズムが明るく悲しい。
△(卯平)言葉遊びが興じて得た句であろう。鑑賞者であれば「残る二人や夏夕焼」と詠みたくなる軽ろさに滑稽さを感じる。

居残りの広き教室西日濃し  まきえっと
○(アネモネ)「西日濃し」がいかにもです。
○(餡子)とてもよーーーくわかります。たった一人の教室の広さは、物理的だけではなく心理的な物! 
○(宙虫)この空間に想い出がいっぱい詰まっているにちがいない。
◯ (アゼリア) 皆が帰ると教室広くて寂しい感じなんですよね。思い出してしまいました。
◎(春生)私にもあった少年時代を思い出しました。居残りの少年には教室は広すぎます。 
△(卯平)言葉遊びが興じて得た句であろう。鑑賞者であれば「残る二人や夏夕焼」と詠みたくなる軽ろさに滑稽さを感じる。

花の名は土で汚れて残暑かな  ちせい
○(宙虫)夏の嵐を乗り越えて花は秋を咲く。口にできない苦境もあった。

テーマ:駆け込み
かなかなや縁切寺の磴の減り  珠子
〇(めたもん)下五の「磴の減り」への観察眼・気付きが素晴らしいと思います。
○(あちゃこ)どれだけの人が救いを求めて登ったのでしょう。

定番の閉店ソング秋暑し  まきえっと
○(泉)ユーモラスな俳句だと思います。
○(アネモネ)どんな閉店ソングなんだろう?
○(あちゃこ)建て替え閉店やら移転やら。ソングというより蛍の光のメロディ。
◎(卯平)何故「蛍の光」がパチンコ店等の閉店ソングになったのかは知らないが、季節を問わずの「螢の光」はもう聞きたくないと言いたくもなる。秋暑しの感覚が絶妙だ。迷わず特選にいただいた。

なまくらなナイフめり込む熟トマト  楊子
〇(瞳人)引かないと、そうなりませんか
○(幹夫)深夜駆け込んだのは、種夫のお父さん。警視庁佐藤誠元警部補は「豚にナイフを突き刺しての実験で、自殺はあり得ない。」と語る。真犯人はX子かZ氏か?以上、地上波ではあまり語られていないが、文春砲「木原事件」の安田種夫さん不審死事案を連想した。
○(宙虫)めり込むが面白い。ぐちゃぐちゃ感が伝わる。

駆け込み需要果てて一服虫時雨  アゼリア
○(アネモネ)「果てて一服」が上手い。

新涼や芦毛の馬のゴールイン   道人

懸け込みの寺院驟雨に叩かれて  春生

考える容(かたち)いくども芋虫は  アネモネ
◯(道人)思想詩のような俳句。「芋虫」の斡旋が見事。
◎(仙翁)小説が思い出されましたが、なかなか面白いですね。
〇(まきえっと)なるほど、なるほど。

駆け込んで申請したら病葉に  カンナ

糸瓜忌よ急げ影添い良き街へ 吾郎
◎(藤三彩)そうだ根岸の子規庵にゆこうという気にさせる回文。正岡子規の糸瓜忌は9月19日。まだちょっと早いかな。

駆け込みの園に夾竹桃が咲き  ちせい
○(ちせい)白と赤が等分に咲いていたのかもしれません。桃源郷とはいかないでしょうが。
選外(吾郎)あ~あ。毒の苑に自から飛び込んだ

秋暑し公園遊びついざぶん  瞳人

小走りのをんな過ぎたる白雨かな  卯平
◎(吾郎)北斎の東海道五十三次辺りにありそうな風情
〇(めたもん)抑え気味に表現され渋い句だと思います。「をんな」「白雨」がいい味を出しています。

駆け込んで閉じた車窓の炎暑かな  めたもん

新涼や皆で助けるベビーカー  泉
〇(瞳人)そうしたいですね

蝉の死に間に合うバスは定刻で  宙虫
○(泉)十分な解釈ができませんが、魅力的な俳句だと思います。
○(あちゃこ)取り合わせが何故かぐっと来ます。
○(卯平)シュールな切り口に詩情を感じる。この場合「蝉」は何の暗示なのか。それは鑑賞者一人一人に委ねられている。そこを魅力とするか否かでこの句に対する評価は別れるのだろう。鑑賞者はこの句にシュールな一筋の光を感じた。「バス」とは何だろうか?地球の事か?定刻だと言う、だからシュールな緊張感が。「死」」と「定刻」。例の地球滅亡へ向かっている針の事かも知れない。

天の川シェルター入所一日目  あき子
△(卯平)DVから逃げてきたのか。その初日に眺める天の川に作者の複雑な思いは伺える。おそらく子どもを置き去りにしてきたのだろうか。但し詠み手の体験としては報告の範囲を越えていないのでは。寧ろこのように詠む事で詠み手の抑制された心情が吐露されているのかも知れない。が再度観賞してもその奥の襞が欲しい。

突然の雷雨駆け込むパチンコ屋  藤三彩
〇(瞳人)きっと出るぞう
◯ (アゼリア) 雨があがってもなかなか帰る気になれなそうですね。そういう時に限ってよく出そうですよね。
〇(春生)どこでもよかったのですね。ついでにパチンコして雨のやむのを持とうか、となったのでしょうか。  

日傘畳み走る娘やベルの音  仙翁
○(幹夫)電車に駆け込む様子が思い浮かぶ。

戻り梅雨駆込寺に庵主さま  幹夫

夕立や駆け込む庇なき家並み  餡子
◎(アネモネ)景がよく見えます。
〇(楊子)庇も犬走もなくブロックが転がったような家が多くなりました。「夕立」でその家並みをうまく表しました。
○(ちせい)庇がない家を前に思わず佇んでしまったのかもしれません。夕立も忘れて。
〇(春生)今様の建物は軒がなかったり、「軒を借る」などという昔の情緒などありませんね。

蜻蛉のすいと駆け込む門の内  あちゃこ

雑詠
サイダーをごくり少年告白す  楊子
○(吾郎)かなり思わせぶりな素材が連なる
〇(まきえっと)CMが出来そうです。
◯ (アゼリア) なんの告白なんでしょうね。興味があります。
○(卯平)告白にサイダーは似合っている。そして少女では甘ったるい。ごくりに喉仏の動きも見える。少年の瑞々しさが伝わる。
〇(春生)それでどうなったか、いろいろ想像させられます。
(選外)(道人)シンプルだが、純粋無垢な時代の夏の恋が懐かしい。

なでしこの敗退バスケの秋を待つ  藤三彩

ぽつねんと小兵衛を相手秋の冷や  瞳人

持ち替えて話の腰を折る西瓜  まきえっと
〇(珠子)西瓜はたいてい両手を使って食べますし、丸ごとの西瓜でしょうか。いずれにせよ、話の腰を折る小道具としての西瓜がいいと思いました。  
○(吾郎)持ち替えてがよろしいかと

カレー食べクリームパン食べ野分かな  ちせい
○(泉)避難所で食べているのですか?
○(宙虫)非常食で用意したものを食う。子供達にとって、ちょっとした楽しみかも。

茄子の牛黄泉平坂越えたろか  餡子
◎(ちせい)軽口なのかもしれませんが本気なのではと、ふと思いました。茄子の牛が付与した勇気なのかもしれません。

絵のなかの雨降りやまず夜の桃  あき子
◎(珠子)広重の雨でしょうか。あの雨の線は日本人独特の感性なのでしょうか。しみじみいいなあと思います。そして芳醇な桃。私には全く思いつかない取り合わせですが魅力的です。
◎(宙虫)「絵のなかの雨」が不思議な夜の世界を作り出した。桃に様々な心象風景を見る。
○(仙翁)絵の中の雨模様、面白いですね。
〇(めたもん)上五、中七の措辞と下五「夜の桃」に少し距離があり、いろいろなことを考えさせられます。 
〇(まきえっと)視点がいいですね。桃の香が漂ってきます。
△(卯平)夜の桃に先ずは共感。但し「絵の中の雨」をどう観賞するか。その景がリアル的写であれば「降りや(止)まず」には理の先行を感じる。しかしまだ十分詩情として立つ句になる要素を孕んでいるのでは。

葛の花駆け込み寺は峡の中  アゼリア

気が急きし待つ常慎ましき施餓鬼  吾郎
〇(藤三彩)お施餓鬼もコロナ禍の影響でできなかったお寺さん。ようやく法会が開かれるようになった。なるほどという回文。
◯(道人)回文句独特ので破調が心地よい。
○(餡子)7月25日に、毎年お施餓鬼があります。この句のような気持ちになります。 
○(宙虫)どこか「こども食堂」などを想像する。この国の貧困を映す。
◎ (アゼリア) 和尚さんは、何事も急ぎませんよね。税金もかからないし羨ましいお仕事ですね。回文の句とは思えません。共感の句です。

故郷や大の字に寝る夏座敷  泉
〇(藤三彩)帰省するのも大変だろう。我が家に帰ればほっとするひと時とまずはビール。
〇(カンナ)情景が浮かびます。
◎(瞳人)いちばんのお幸せです
○(幹夫)故郷に寄せる作者の思いに共感する。
○(吾郎)お馴染みの光景ですがこれだけ暑いとあって欲しい景
〇(めたもん)故郷の生家のだだっ広い座敷。中七「大の字」から解放された気持ちがよく伝わります。
△(卯平)素直な句。但し類似類句感は免れないだろう。

渋滞の車の中や敗戦忌  春生
△(卯平)類句は存在するだろう。渋滞と敗戦は予定調和的ではないか。「車の中」が安直過ぎないか。

神鏡の後ろの正面秋の風  珠子
◯(道人)単なる手鏡などではなく「神鏡」がいい。神鏡の作り出す二重構造の世界に見えない秋風が見えるようだ。
◎(あちゃこ)知りたいようで知りたくない。闇か光か?
○(ちせい)面白い見立てだと思いました。秋の風は白いのかもしれません。

素つぴんの人とをりたる夜の秋   卯平
○(アネモネ)なかなか味わい深い(笑)
○(吾郎)こちらもかなり思わせぶりな素材が連なる
〇(春生)爽やか、伸び伸び、気取りのないのもいいものです。    
(選外)(あき子)「素つぴん」だけでその人との関係性が伝わるんですね。

朝刊の社説それぞれ敗戦忌  幹夫
〇(あき子)それぞれが主張できる自由の尊さ。力まない表現が心に沁みます。
○(餡子)社説を読み比べたことはありませんが、きっとそうでしょうね。
〇(まきえっと)各社それぞれに方向性がありますね。

蹄鉄の錆びてこすもすだけ揺れる  宙虫
〇(珠子)馬から外されて調整を待っている蹄鉄なのか、もう使われなくなったものなのかわかりませんが、それとさりげなく取り合わせたこすもすのやわらかい揺れが素敵。残しておきたい日本の景のひとつ。
〇(楊子)農具として馬や牛を使っていた時代が確かにありました。遠い日の労働を詩的に詠まれました。
◎(道人)廃れゆく牧場と毎年変わらぬコスモスの揺らぎの対比。「こすもすだけ」の「だけ」の助詞が見事な詩語。
〇(まきえっと)蹄鉄とコスモスの取り合せがいいです。

煩くも更に切なし油蝉  仙翁
〇(珠子)せせこましい住宅地の中で不意に鳴かれるとあの音量にはビビります。油蝉は最も華やかさの無い蝉なので煩さも格別。が、やはり切ない。

氷水日本は二季になるらしい  カンナ
◎(泉)正に言い得て妙ですね。春と秋は消失しますか?
○(幹夫)最近は温暖化の影響なのか、今夏も暑かった。春と秋が短くなり、「二季」になりつつあるとも言われている。果たして日本の四季はどうなるのだろうか。

編笠のうなじ華やぐ風の盆  めたもん
〇(珠子)笠で顔が見えないからうなじが一層華やぐのでしょう。今年の風の盆は雨でしたね。 
〇(カンナ)説明がない上手い句だと思います。
○(餡子)「風の盆」は憧れです。コロナの前に計画していましたが、行けなくなり、それっきり。あの胡弓の音と共にしなやかな踊りが眼に浮かびます。
○(仙翁)編み笠の盆踊り、いいですね。
△(卯平)綺麗な句であるが、類似感がある。

穂孕みの匂ひ畦越し水路越し  アネモネ

未使用の消毒スプレー終戦日  あちゃこ
〇(カンナ)取り合わせが良いと思います。
○(卯平)敗戦日では陳腐。終戦日だから上五中七が生きる。案外誰かが既に発見している景かも知れない。しかし鑑賞に十分耐え得る一行詩。

夕照やケルンに一つ石を足し    道人
〇(楊子)思いのある登山なのでしょう。夕陽に照らされたケルンの影が長くひきます。
○(仙翁)景色が浮かびます。
○(あちゃこ)石を積むことは、祈りの姿。
△(卯平)綺麗ではある。が夕照で凭れていないか。実感が伝わらないわけではない。

☆☆次回をお楽しみに。



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1 コメント

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ご苦労様でした ()
2023-08-25 11:36:17
まきえっとさん、句会当番のお役目ご苦労様でした。今後とも、よろしくお願いいたします。

八月も下旬だというのに、酷暑にはホトホト参ります。早く寝ないと、体が持ちません。慶応高校が優勝しました。新しい時代と言っても、練習の苦しさは何も変わらないでしょう。しかし、高校球児たちは何かを得たと思います。
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