つづき
自転車や冬の薄日が土に差し ちせい
◎(泉)俳句全体に勢いを感じます。
ブランコや老いて弥増す好奇心 あき子
◎(アネモネ)これはいい!「弥増す」がなかなかです。
○(泉)老いて益々元気です。生涯青春の心意気ですね。
○(仙翁)好奇心が増すとは、若いですね。
(選外)(道人)「弥」の斡旋か面白いともやり過ぎともとれて迷った句。句意には共鳴。
立春や主演で監督九十一歳 瞳人
○(卯平)クリント・イーストウッド。上五を「立春大吉」でも面白い句になるだろう。
〇(あき子)簡潔な表現が颯爽としたその人を描写していている。
◎(ルカ)私はクリントを、存命する監督の中で一番尊敬しています。
(選外)クリント・イーストウッド「クライ・マッチョ」ですね。主演監督でも「マディソン郡の橋」はちょっと年齢的に無理があったかと。私は彼の青二才の時の「ローハイド」が懐かしい!
日脚伸ぶ虎はおろおろ檻の中 あちゃこ
〇(めたもん)動物園の虎は寝ているかうろうろしているかです。とら年の今の状況のようでもありますね。
四温光だーれもゐない遊園地 卯平
〇(あき子)季語が遊園地全体を照らしているよう。
◯(アネモネ)せっかくの「四温光」なのに残念!
公園に遊具の遊ぶ春近し 敏
(選外)(道人)人はいなくても遊具同士で遊んでいるように思えてくるような句。
北風に無人の広場遊具鳴く 仙翁
○(敏)遊具が「泣く」ではなしに「鳴く」ですから希望がありますね。
白梅を風が離れる湯浴み歌 宙虫
〇(まきえっと)風が離れるがいいですね。
○(あちゃこ)静かな情緒ある一句。風が離れるが中々です。
◎(めたもん)中七「風が離れる」も上手いと思います。風と流れる湯浴み歌が耳に心地よく響きます。
自転車のサドルをあげて春隣 ルカ
〇(春生)いよいよ活動的になります。
○(アダー女)もうそこまで春が!サドルをあげてスイスイ遠くへサイクリングに行くぞという気合いが感じられます。自転車にも乗れない私には羨ましいかぎり!
◯(道人)春に向かって勢いのある句。
冬の風ひゅうとレジ袋さらう 楊子
〇(珠子)よく見かけます。破調が雰囲気を現している気もしますし。
〇(めたもん)字足らずでぶっきらぼうな感じの詠みが内容とよく合っていると思います。
会話求め老い集ふ湯屋野水仙 アゼリア
小さき運上がるお守り日脚伸ぶ まきえっと
〇(珠子)小さいからいいのです。神社仏閣では、感謝とお願いひとつ・と決めています。お賽銭も少ないですし大きなお願いはしません。季語があたたかくていいですね。
○(餡子)今年のお年玉年賀葉書は確立悪くたった4枚でした。でも、是も小さい運のひとつ。淡島神社のお守りのお陰?
◯(ルカ)心情が伝わってきます。
探梅や自転車止めて立ち寄る湯 餡子
◯(アネモネ)ふっと銭湯へ行きたくなりました。
◎(アダー女)ちょっと寒いけど、梅の花でも探しに行こうと出かけたけど梅には出会えず、立ち寄りの湯の看板を見つけ、冷えた体を温めて行くかと自転車止めた寄り道。よ〜くお気持ちわかります。さぞかし、気持ち良かったことでしょう。
〇(ちせい)カジュアルな感じがいいと思いました。
自販機の汁粉ごとんと春立つ日 アネモネ
◎(楊子)関連性は何もないのですが、ごとんという音がきっかけで春が来たとおもう感性がいいです。あったかい汁粉を買ってみたくなりました。
〇(珠子)春は名のみの寒い日のあったかい汁粉。ごとんという重い音も嬉しい。
○(餡子)温泉に入った後の自販機前。ベンチに置いたお土産袋?お風呂道具?忘れないで下さい。
◎(あちゃこ)日常を切取った俳句が苦手なので、掲句の視点に感服。音の斡旋が効いています。
◎(春生)取り合わせが自然で雰囲気が出ました。
○(敏)缶入りのお汁粉への加熱はこの日で終了したのでしょうか。
○(アダー女)最近、お汁粉が自販機で買えるんですってね!「ごとん」か「がたん」か大きな音がするんでしょう。美味しそう!
◯(ルカ)発想がいいですね。
◯(道人)聴覚視覚に嗅覚までリアル感満載。落ちて来る春に俳諧味あり。
大寒のどん底湯屋の大鏡 珠子
〇(藤三彩)一年で一番寒いといわれる二十四節気の大寒。大鏡に裸体を映すには気合が必要そう。
◎(まきえっと)湯屋の大鏡が大寒のどん底とよく合っています。それにしてもこの冬は寒い。
○(卯平)この湯屋にいるのは作者ただ一人。自己内観を見詰めている作者。句作上でも「大」の位置を工夫している。
○(あちゃこ)すっぱりとした景の切取りが心地よい一句。大の重複と対比が巧みです。
〇(めたもん)「大寒のどん底」と「湯屋の大鏡」の対句表現が上手いと思います。
〇(あき子)「湯屋の大鏡」に写る湯煙、どん底まで来た大寒は春を待つばかり。
◯(道人)温ったまるでしょうね。「大」「どん底」「大」が巧い。
下萌や湯の町の子の遊び好き 春生
○(餡子)何となくこんな感じがします。このまま、子供達は地元の温泉町の青年団になり、温泉町起こしの役員になって頑張ってくれるでしょう。
法師の湯二十歳の息子と混浴す アダー女
喪の人へ良きこと一つ寒見舞 道人
〇(藤三彩)年賀はがきも来ない方の消息安否に寒見舞い。いいことしんさった。
〇(楊子)年賀状のかわりに出す寒中見舞いに、さりげなくいいことを書くのを真似しようとおもいました。「いつになく早く我が家の梅の蕾がふくらみ始めました」などと。
◎(あき子)いたわりの心あふれる寒見舞。声に出すとさらにあたたかさが感じられました。
◯(ルカ)こういう時の葉書の一言は心に沁みます。
◎(宙虫)多分、迷いながらのひとことなんだろう。
〇(瞳人)これがどうしてもできないのです。こころこめて、どうしてもやらなきゃあいけないことなのに
今月の写真
1枚目のウキのお守りは・・・・熊本県嘉島町の浮島神社のお守り。
3枚目・・・・熊本県菊池市の城乃井旅館の日帰り温泉
菊池温泉 | 【公式】熊本県温泉サイト くまもっと湯美人 (kumamoto.guide)
春も近いというのに、最近の広島は厳しい寒さです。珍しく雪が舞っていました。政治的なトラブルはあるものの、いよいよ北京五輪が始まりました。選手たちには政治は関係なく、その超人的なパフォーマンスに圧倒されるばかりです。やはりオリンピックは特別です。