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お待たせしました。
北京オリンピックがあっという間に始まりました。
なんとなく気分が重いまま、時間が進んでいくばかり。
まだまだ雪の予報が出ている地域もあるようですが、こちらでは梅の花が日々目に付くようになってきました。
いつかはこの気分がすっきりと晴れる日がくることを信じて。
さて、句会の結果発表です。
今回も二回に分けています。
★結果発表
湯あがりの時やわらかし冬銀河 めたもん
〇(まきえっと)湯あがりの時をやわらかいと感じるのがいいですね。
◎(仙翁)湯上りの柔らかさ、冬銀河の柔らかさ、いいですね。
◎(敏)作者の立ち位置がはっきりしませんが、「冬銀河」とありますので、露天風呂に浸かった後の印象かも知れません。ただ「やわらかし」が「時」にかかると見るのが良いのか「冬銀河」にかかる方が素直なのか迷っています。
○(アダー女)冬の天の川はほんのりと明るい。湯上がりのゆったりした体に優しい冬銀河。「やわらかし」に快い時間がしみじみ伝わってきます。
◯(ルカ)対比がいいですね。
〇(宙虫)「やわらかし」がいろいろなものをあいまいにしてしまった感はあるが、雰囲気がいい。
〇(瞳人)この対比に頷きました
公園にかわす目礼春の鳥 あき子
○(卯平)名は知らねど何時も公園だけではなく、例えば道でもでお見かけする人はいる。段々と回数が多くなるとつい心の中に親密感が湧く。春の鳥の季語で作者の心優しさが読める。
○(仙翁)遊具が遊ぶ、面白い表現でいですね。
バレンタインチョコ貰ふとは湯治宿 春生
○(泉)これはラッキーでした。
〇(まきえっと)チョコレートが溶けそうですね。
○(卯平)湯治宿は何処か侘しい佇まい。おそらくそこの仲居さんだろう。これもコロナ禍で客足が伸びない中でのサービスだ。作者はまんまんと引っかかった。
○(あちゃこ)取り合わせの妙。受け取った時の顔を勝手に想像すると愉快なり。これも小さな幸せですね。
◯ (アゼリア) いろいろ想像を膨らませ楽しい句と思いました。美人女将からかしら?
絵の虎は口に二月の風含み ちせい
〇(まきえっと)なるほどなるほど。目のつけどころがいいですね。
〇(瞳人)これもうまいなあ、いかにもそうです
温泉の暖簾短き冬の宿 ルカ
○(餡子)「城乃川温泉」始めて知りました。何とも風情のある玄関ですね。暖簾から女将さんが顔をだしそうです。
〇(春生)寂れた辺地の宿屋でしょうか、中七の「暖簾短き」が効果的です。
○(仙翁)どうってことないが、のれんの短いのが面白いですね。
〇(宙虫)親近感のある宿の姿。
凍空や子ら待ち顔の滑り台 アゼリア
〇(ちせい)仄かに春を待つ心まで含まれているような気がしました。
枯芝に遊ぶ陽の足風の指 あちゃこ
〇(楊子)陽に足、風に指とは言い得て妙です。暖かくなってきた感じがします。
○(敏)「陽の足風の指」に作者のこまやかな観察眼が見て取れます。
〇(あき子)枯芝に春が近づいている様子が見えてきます。
〇(宙虫)縮こまっていた手足の先っぽにちょっとした解放感。
◯(道人)子供は風の子。その肢体の動きを対句でうまく捉えている。
配管がむき出す路地の冬の湯屋 楊子
◎(餡子)温泉場には湯を送る配管がたくさん見られます。温泉町を歩いているような雰囲気の句に惹かれました。早く早く旅に出たーーい!!
○(仙翁)昔の銭湯にありそうね景色ですね。
◯ (アゼリア) 配管がむき出すーなんか鄙びた感じで良いですね。
脱衣所に忘れしお守り日脚伸ぶ 餡子
〇(まきえっと)お守りは大事です。忘れないでください。日が伸びてきて気が緩みますよね。
〇(珠子)中七の字余りがとても気になりますが、脱衣所に忘れられたお守りと日脚伸ぶとの取り合わせた素敵だなあと。
○(卯平)お守りにも色々ある。このお守り何時も例えば首から提げていたのだろう。それが脱衣所に。それを作者が発見したのか。春の日ざしの中での日帰り温泉での景。何処かのんびりした景がある。(「し」の解釈では作者が脱衣所にお守りを忘れた事を思い出したとも取れるが、そうするとこの季語の配置には詩情は感じない)。
○(仙翁)湯屋で忘れ物、よくありそうな。それがお守りなのが面白い。
◯ (アゼリア) きっと見つかりますよね。
◎(ちせい)太陽光に照らされたお守りは映えると思いました。
臘梅や片づけられる身となって 宙虫
○(泉)「片づけられる身」が気になりました。悲観も楽観も自分次第です。
○(敏)「片づけられる」を職を解かれると読むと、臘梅が老梅になったような侘びしさがありますね。
〇(めたもん)中七「片づけられる身」は人生の盛りを過ぎた我が身への悲哀でしょうか。共感です。
◯ (ルカ)季語が合っています。
(選外)(道人)蝋梅と老残の身の不思議な取合せが魅力。これも蝋梅の香の醸し出す連想の結果であろうか。
四肢伸びる大きな湯舟春を待つ まきえっと
〇(藤三彩)いい湯だなあ〜 波郷の大路の春を思い出す。
○(泉)伸び伸びとした感じが、良く伝わってきます。
〇(珠子)大きな湯船にゆったりとつかりたいから温泉にいくのですよね〜。明るくおおらか。
〇(めたもん)伸びやかな気持ちになる句ですね。ゆったりとした湯船の中で待つ春です。
◯ (アゼリア) 本当に幸せな時間ですね。
〇(宙虫)湯船でそのまま沈みそうになる今日この頃。大きなではないけど。
〇(瞳人)今年の寒さ、まったく、我が家の小さな湯では味逢えない
(選外)道人)待春の風情がよく伝わってくる。
獅子と虎対峙し冬の太平洋 泉
特売の惣菜忘る春隣 卯平
〇(春生)特売で買ったのに、忘れ物とは、長閑な感じが出ましたね。
弟の変わらぬ癖字春隣 珠子
◯(アネモネ)字の癖を直すのは難しい笑。
〇(楊子)なにか春に変化でもありそうなのでしょう。めったに来ない弟からの手紙が嬉しそうです。
◎(卯平)姉の弟への愛情が。二人とも既にそれなりの年齢。寒中見舞でももらったのであろう。暫くあっていない弟への思い。もう直ぐ春だ。春になったら会いに行こうか。。。。
〇(ちせい)癖字に春の訪れを直感したのかもしれません。
〇(宙虫)上から目線なのがいいですね。
◯(道人)季節毎の姉弟の便りの交換。ほのぼのとした風情が「春隣」とよく合っている。
雷電とは又おほらかに春の夢 瞳人
〇(藤三彩)雷電為右衛門(らいでんためえもん)以来227年ぶりに信州出身の御嶽海関が初場所優勝した。
◎(珠子)雷電の夢とはまた大げさな!確かにおおらかで楽しい。こういうことを思いつく感性が楽しい。
寒見舞い虎屋の羊羹手にずしり アダー女
◯(アネモネ)いかにも虎屋。
湯けむりに隠れひかるは狐の目 仙翁
寒見舞一円切手貼り足して アネモネ
〇(楊子)1円切手は必需品です。もうしばらく郵送料は変わってほしくないですね。1円分の暖かさとはいかないかな。
〇(藤三彩)年賀をいただいた方に喪中なので寒中見舞いをだす。非礼にならないか悩ましい一円切手。
○(あちゃこ)私生活を覗かれていたみたい。郵便料金が度々変わり、私も一円切手にお世話になっています。力の抜け感がいい。
〇(春生)うっかりすると、一円足りないことがありますね。気をつけなければ。
〇(ちせい)古いはがきが出て来たのかもしれません。
〇(瞳人)前島密、この人がずっと残って、よかった、張り足すときにいつもそう思います
(選外)(道人)まだ63円切手か葉書をお持ちの作者。今時のレトロなアナログの生活感がいい。
お年玉切手がいち枚男運 藤三彩
〇(楊子)年賀はがきと男運を重ね合わせたところがおかしいです。男運も記念切手程度ということで。
○(泉)「男運」もお年玉になりますか。
○(あちゃこ)残念な気持ちを畳みかけるように詠んだ?それとも、細やかな幸福感?中八は気になりますが、がの効果を意図したのかな。
○(アダー女)お年玉付き年賀葉書って当たらないものですねえ。切手が当たれば幸運。男運が切手一枚とはちょっと寂しいけど、まあ、当たっただけラッキーと思ったほうが良いです。
◎(瞳人)郵政省(?)がケチなことをするようになって、この幸運、急にありがたい気持ちになります
歴史ある村の温泉蜜柑無料 泉
○(餡子)良いですね。九州の蜜柑も美味しい物が増えましたね。温泉も蜜柑も村の自慢と言うのが伝わります。
○(アダー女)よく温泉でみかけます。「どうぞご自由に」の張り紙とともにその土地の農作物が置いてあるの。熊本名産の柑橘類で「晩白柚」というのを時々関東でもみかけますがあんな大きな柑橘類ではないですよね。普通の蜜柑かせいぜいデコポンかな?
一月や神の安らう湯の香り 道人
○(敏)出雲から地元に帰ってきた神様の安堵感といったところでしょうか。
遠富士や年玉は亡き子へのもの 敏
◯(アネモネ)せつないですね。
◎ (アゼリア) 親御さんのお子さんへの深い愛情に胸を打たれます。
渓谷に美肌の湯が湧き春近し 藤三彩
泣き虫もやんちゃも育ち冬欅 めたもん
〇(藤三彩)大けやきは子供たちを見守っているようだ。
〇(春生)村の歴史を感じます。
〇(あき子)公園で遊ぶ子らを、冬欅が見守っている。
〇(ちせい)一人の人格に全て備わっている性質であると思いました。
◯ (アゼリア) この景色が子供達の原風景ですね。
◎(道人)庭の大きな冬欅は代々一族の象徴なのであろう。引き継いでゆくものへの讃歌。
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