冬の夕電線多くて鴉鳴く ちせい
白みゆくあけぼのの空春隣 春生
土掴む薄氷砕く下校児ら 瑠璃
○(道人)氷の下の土まで掴む童心が佳いですね。
〇 (多実生) 薄氷を踏み割るのも興味抱く子供の習性ですね。
○(敏)必死に土を掴んだ薄氷に対し、下校児らの他愛ない動作…、一連の動画を見ているようです。
◎(ちせい)季語は「薄氷」。砕かれて氷に抒情を感じました。
たちまちに昏れてしばれの夜が来る アネモネ
◎(餡子)3枚の写真から時系列できちんと詠めていていいと思います。
〇(仙翁)夜も寒いですが、朝の寒さはなおさら厳しいですね。
○(まきえっと)どこに行っても寒いですね。
◎(宙虫)写真では、気温は見えないけれど。夜の冷えは、昼間とは全然違います。
(選外)(道人)列島のこの一週間の天気の象徴のような写真景を巧みに詠んでいる。
寒落暉明日の旅路は何処へやら 道人
〇(春生)想像をいかんなく広げた句です。
〇(藤三彩)寅さん的なアバウトさ
○(まきえっと)リュックの後姿が何ともいえませんね。寒さ対策も必要です。
家路付く夕闇頼りの貼る懐炉 藤三彩
結氷の道をバイトに向かふかな 春生
〇(餡子)我が家の前をこの句と同じように行く人がいます。いいショットです。
○(アネモネ)なるほど景色が見えてきます。」結氷の道」いいですね。
○(ちせい)季語は「結氷」。モダニズムの蝶の俳句を思い出されますね。「バイトに向かふ」に主眼あるかと思いました。
〇(瞳人)こちらは、厳しい冬の儘
夕焼けの白壁貫けて春近し 仙翁
〇(珠子)白壁を染める夕焼け。まだまだ姿は見えませんが、ほんの少しずつ近づいているはずの春。
列外れ薄氷割る登校児 多実生
◯ (アゼリア)学校に遅刻しないといいですね。
〇(餡子)登校児だけではありません。ごみ置き場に行くとき、必ず私も踏み遊びをします。
○(瑠璃)子供らしい伸びやかさの伝わる光景です。
◎(瞳人)子どもって、そうなのですね
タクシーの運賃いくら雪の夜 泉
電線の空を分断寒波来る まきえっと
○(道人)電線が分かつ大夕焼けは、西高東低の冬将軍の二つの貌にも見えます。方や大雪、方や雲一つない寒晴れ。
○(ルカ)既視感はありますが、寒さを実感。
〇(藤三彩)立春寒波と予報のニュースで言っていた
○(敏)電線が空を分断しているという発見が、面白い一句となりました。
〇(珠子)複雑に交差している電線をみていると不安になりますが、とりあえず今は寒波の方が気になります。
○(泉)街中の電線は多いですね。今更ながら驚きました。
初氷ひととからすの化かし合い 幹夫
〇(瞳人)どんな化かし合い?
おとろしか昼なか凍る潦 珠子
今日は朝番暁闇の凍てる街 餡子
◯ (アゼリア) 暁闇の凍てる〜上手な表現と思います。
○(ルカ)凍る寒さが伝わってきます。
(選外)(道人)凍える夜明けのお勤め、ご苦労様です。 「ばん/ぎょうあん」の語呂が佳いですね。
タクシーを呼べば葱煮る音がする ちせい
〇(仙翁)おかしな句ですね、タクシーを呼んだから、ネギが匂う。
◎(道人)「葱煮る音」に後ろ髪が惹かれますね。あまり夜遊びしないように。(自戒の念を込めた勝手読みです)
◯(ルカ)意外なようで納得の一句。
〇(宙虫)葱の持つ意味を想像すると面白い。早く出ていけとか、もっといてとか。いろんな場面が。
凍て朝や豆腐屋の婆湯気膨れ 瞳人
〇(仙翁)何となくおかしな景色が見えます。でもありそうですね。
薄氷の亀の象(かたち)や叔母見舞う アゼリア
◎(藤三彩)寒い中親族のお見舞いお疲れ様でした
○(餡子)叔母さんの具合はどうなんでしょうか。不安な気持ちで足を速める。早朝の寒々とした景。
◎(まきえっと)下五の展開がいいですね。薄氷の亀の象も発見です。
〇(珠子)氷はとけていきます。もうすぐ春だからね・もうちょっとの辛抱だからね・と励ましながらも現実は厳しいのでしょう。
○(瑠璃)亀を出したところに叔母様の病状も深刻さのないもしろユーモアを感じます。
大寒のタクシーを待つリュックかな ルカ
〇(春生)「タクシーを待つリュック」がいいですね。
○(アネモネ)「リュック」への飛び方が上手い。
○(ちせい)季語は「大寒」。リュックを身につけた人はどんな人か。想像力が飛翔しました。
〇(宙虫)リュックはやはり行動的に見えます。
★では、また。
次回の告知をお待ちください。
広島は久し振りに、寒い日々が続いています。積雪はないものの、氷点下の朝も珍しくありません。この様な冬は、あまり経験がありません。しかし、春はもう近いですね。