
『弁慶(べんけい)の立ち往生(おうじょう)』

進退が窮(きわ)まること。

故事:弁慶は、衣川の合戦で、大薙刀(なぎなた)を杖にして立ったまま死んだ。

人物:弁慶(べんけい) 鎌倉初期の法師。熊野別当の子。?~1189。幼名鬼若丸。武蔵坊と称し叡山西塔に住したが、武事を好み源義経に従って武名を挙げた。義経没落の折、安宅関の危難を救ったこと、衣川の合戦で立往生したことなどは、物語、能、歌舞伎などで伝説化された。

<松下幸之助一日一話> PHP研究所編

魂を加えた価格
価格というものは、サービスとか配達とかいろいろな便宜だとか、そういうものを総合した価値判断によって決めるべきで、単によそがいくらだからウチはいくらにするというようなことでは、ほんとうの商売はできないと思います。たとえば、よそで1万円のものを、場合によっては1万500円で売ります。するとお客さんが“なぜよそより高いのか”と聞かれます。そのときに“同じ製品ですが、私の方はお添え物があるのです”“何を添えてくれるのか”“私どもの魂を添えるのです”と申し上げることができるかどうか。そのように、お店の魂をプラスして価格を決定することがお互いの商売には必要だと思うのですが、いかがでしょうか。