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『仏(ほとけ)の顔(かお)も三度(さんど)』
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いかに慈悲深い仏様といえども、その顔を三度も撫でられれば腹を立てるという意味で、どんなに温厚な人でも、無法なことを何度もされれば、終(しま)いには怒る。
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類:●地蔵の顔も三度●仏の顔も日に三度●兎も七日弄れば噛み付く★「仏の顔も三度撫ずれば腹立つ」の略<国語大辞典(小学館)>
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<松下幸之助一日一話> PHP研究所編
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顔も商品
私はいままであまり容貌に注意せず、ゾンザイな点が多かった。ところがたまたま銀座のある有名な理髪店に行ったところ、そこのお店の人から次のように言われたことがあった。「あなたは自分で自分の顔を粗末にしているが、これは商品を汚くしているのと同じだ。会社を代表するあなたがこんなことでは、会社の商品も売れません。散髪のためだけでも、東京に出てくるというような心がけでなければ、とても大を成さない」まことにもっとも千万で、至言なる哉と大いに感心し、それ以来、多少容貌に意を用いるようにもなった。私はその人から貴重な当世哲学を教えられたのである。