△ハイドパークのスピーカーズコーナー(PFN)
・寂しさの話
私のロンドンでの生活は、話し相手がシーラ以外、誰も友人知人が居なかったので、孤独であり、寂しさもあった。又、必要最低限以外、お金を使えないので娯楽や食事も楽しめず、おまけにテレビやラジオも無いので、虚しかった。それに輪を掛けて毎日、陰うつな天候が続き、孤独と寂しさに拍車を駈けていた。
私の寂しさを癒してくれたのは、時たまパブへ行ってビールを飲んだ事、シーラの心使いで週に1度、彼女の所へ遊びに行けた事、そして日本から来る先輩のOさんや友達の手紙でした。私もまた手紙を送ってもらえるよう、まめに手紙を書きました。返事の手紙がそろそろ来る頃の9時半前後、1階の郵便受けに手紙が配達されているかどうか、ちょくちょく見に行ったものでした。手紙が来ていると本当に嬉しく、日本を懐かしみながら(望郷の念とは違う)何度も読み返した。
所で話は変わるが、何ヶ月間(10/1の大金以外、3ヶ月間)も日本語を話さないと、人は「言葉に飢えたり、活字に飢えたりする」と言う事を知らなかった。多分、世界の人達も同じだと思った。
しかし、だからと言って折角外国に来たので、ロンドン滞在中や旅行中、日本人に積極的に話し掛けたり、日本人だけで群れをなしたりする様な事は嫌だったので、私は敢えてしなかった。