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YOSHIの果てしない旅(人々との出会い、そして別れ)

ソ連、西欧列車の旅、英国滞在、欧州横断ヒッチ、イスラエルのキブツ生活、シルクロード、インド、豪州大陸横断ヒッチの旅の話。

ウェールズの旅~助平な若者とミニ スカート論議

2021-09-10 08:54:21 | 「YOSHIの果てしない旅」 第5章 イギリス
                        △南ウェールズのニースの海岸にてのシーラ

・昭和43年9月10日(火)雨後晴れ(助平な若者とミニ スカート論議)
 Swansea(スウォンジー)、Cardiff(カージフ)へ行こうと、7時30分に起きた。しかし雨が降っていて出鼻を挫かれてしまった。テレビの今日の天気予報は、雨時々曇りであった。
降雨時のヒッチ率は落ちるし、雨の中で道路端に立ちっぱなしは辛い。そんな訳で、雨の日のヒッチは、気分も冴えない。しかしダディもマミも親切にしてくれるが、する事がないのに食べてばかりでは、どうも居心地が悪かった。
 そんなこんなで、「出立しようか、今日は止めようか」迷っていると、雨は止んでしまった。ヒッチの旅に出掛ける気分は失せていた。「本当は1日中降ってくれれば良かったのに。そうすれば明日にしたのに」と思いつつ、雨が止んだので思い切って家を出た。既に時刻は11時頃であった。
 1台目はオースチンのミニバンを運転する若者に拾われた。彼から幾つかのウェールズ語を教えてもらった。旅から帰って、教えてもらった簡単なウェールズ語をダディとマミに話したら、「上手だね、誰に教えてもらったの」と褒められてしまった。
又この若者は私と同じく助平で、ミニ スカートの女性を見る度に奇声を上げて喜んでいた。「いいね、イイネ。ミニは男の目を楽しませてくれる。ゾクゾクするね」と彼の正直な表現であった。
そんな話をして赤信号で停車中、歩道を2人のミニ女性が歩いていた。「君は右と左の女の子でどちらが好きか、マイ ジャパニーズ フレンド」と彼。
「左の女性がグッドですネ」と私。
「君も中々やるね。あのスラットした足、そしてあのヒップ。もう少しスカートが短いと、もっとグッドね」と彼。
「所で、日本の女性とイギリスの女性とはどちらがグッドか」と彼。 
「勿論、イギリスの女の子の方がグッドですよ」と私。
「オー、そうか。私もそれを聞いて嬉しいね」と彼。
 ミニの女王ツイギーが日本にやって来て2年、ミニが日本でも流行って来た。しかし日本の女性には申し訳ないが、〝練馬の大根足〟(『短足』=太くて短い足の事で東京近辺の隠語)では、どう見てもヨーロッパの女性と比較するのは所詮、無理があった。
実際に体型、着こなし、立ち振る舞い等、何をとっても西欧の女性の方がミニ ルックは良く似合っていた。特にスウェーデンの女性は、ゾクゾクするのを感じた。余りにも美しいと近寄り難い、何か女性の尊さを感じさせる様な女性もいた。オスロから下がったホールデン城内の公園で逢ったスウェーデン女性もそんな1人であった。そしてえこひいきでなく、その次にミニ スカートが似合うのはイギリス女性で、シーラもミニ スカートが良く似合っていた。
そんなミニ スカート談議等しながら彼の車は仕事の為に途中、何箇所か止まり、或いは寄り道しながらスウォンジーに到着した。彼とのドライブは、ウェールズの旅で一番気楽な、そして楽しいヒッチの旅であった。
 スウォンジーは、カージフに次いで第二の都市と言われ又、工業地帯をなしていた。港には大型船やタンカー等が停泊、市内電車も走り、他のウールズの町と比較すると雲泥の差があった。
 私は街の中でトイレへ行きたくなった。それは何処でも同じだが,特に一番困るは大都会であった。イギリスは使用出来るトイレが少なく、出たくなったら大変であった。この様な場合、公園か大きな駅へ行くのが良いのだが、不案内な私には行きつくまでそれでも大変であった。トイレの場所を人に尋ねる場合、「トイレは何処ですか」ではなく、「ゆっくり散歩でもしたいのですが、この辺りに公園は何処にあるのでしょうか」と尋ねるのがスマートな方法であった。
 そんなこんなで公園を捜し、用を足してすっきりした。その公園で1時間近くボケーと過ごした。晴れて来たが、まだ厚い雨雲が残り、雨が又、降りそうな感じであった。
 高校2年の時にシーラは、綺麗なスウォンジーの公園の写真を送ってくれた事があった。しかし今の私の心情は、そこへ行って見たいとか、この街の観光スポットを見て廻りたいと言う、観光意欲が沸いて来なかった。
 公園に長く居たら冷えて来たので今度、公園の大通りに面した陽の当る所へ移動した。私は車や人々が往来するのをボケーと眺め、気持の不安定な状態で時の過ぎるのを待った。
 『どうしてこんな状態になってしまったのか』と言うのは、自分は複雑な心境に陥っていたからであった。前にも記述したが、私の今回の主たる旅の目的は、ヨーロッパ列車の旅、シーラに逢う事、そしてウェールズに滞在する事であったが、既に果たした。「私の海外旅行願い」を会社が許可していたならば、最初の計画通りの10月上~中旬頃、フランスのマルセイユからM&Mの船で帰国する予定であった。予定通りであるならばウェールズ滞在後ロンドンへ戻り、列車でパリへ、そしてパリでM&Mの乗船予約し、その後マルセイユ出航日の2~3前に着いて予約再確認・乗船手続き等をして、帰国と言う段取りになっていた。しかし会社の旅行許可が下りなかったので、このまま帰国する必要がなくなったのでした。
折角自由な身になったので、「これから異国での生活体験をしたい。イギリスまで来たのであるからロンドンで英語学校へ入学し勉強をしたい。色々な経験体験をしたい。或は色々な国を旅したい」等々の私の希望、或は想いが入り混じり、そこから起こりうる不安、悩み等で私の頭の中は、混乱状態になっていた。
はっきりとした今後の方向性が見付らず、シーラが去った後、余計に複雑な心境になってしまった。そんな訳で、今後如何したら良いのか、結論を見出す為、又ウェールズをもっと知る、と言う意味を含めてウェールズのヒッチの旅に出たのでした。
 昼抜きで、午後3時を過ぎた。そろそろ今日の泊まる所を確保しなければならなかった。約10マイル離れたスウォンジー半島南端の所にユースがあるので、今日の宿泊はそこに決めた。大都会ではヒッチするのが難しいので、郊外の適当なヒッチ ポイントまで1時間要してテクテク歩いて行った。
 ヒッチ ポイントに男女2人がヒッチしていたが、私が先にゲットした。2台目は今までの経験でも初めての大型トラックであった。それはまるで戦車のようで、乗っていても安心感があった。
3台目は30分位して農家のおじさんらしい格好をした人に装甲車みたいな車に乗せて貰った。それから短距離で4台目、5台目と乗り換えスウォンジー半島にあるReynoldston(レィノルドストン)のユースに到着した。
 到着してからユース前の芝生の上で、私は太陽が地平線に沈む頃まで寝転んでいた。ここは、ウェールズの最南端、スウォンジー半島の美しい夕日がそこにあった。
 ホステラーは男性3人、女性1人で今までで一番少なかった。ホステラー仲間と話す機会があったが、今後如何あるべきかを考えると、迷い悩む私は彼等と話をする心境ではなかった。



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2 コメント

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Unknown (jun)
2021-09-11 09:59:14
シーラさんに会い、ヨーロッパの列車旅、ウェールズへの滞在と本来の旅の目的を果たして満足するところでしたが、
この先、また自由な時間を持てるとなると、どうしたものかと悩みますね。
それも遠い異国での事。混沌と思い悩む気持ちが伝わってきます。
でも、さらに旅を続けて体験を積んでいくY oshiさんは、体力気力共にたくましいです👍
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Unknown (nakayoshinotabi)
2021-09-11 17:14:33
Junさん、コメントありがとうございます。

この時は今後どうしたら良いのか、本当に迷い悩みました。
でも頑張ります。どうかYoshiを応援して下さい。

 いつも沢山の「いいね」「応援」「続き希望」「役立った」をして下さいありがとうございます。

                 From Yoshi
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