YOSHIの果てしない旅(人々との出会い、そして別れ)

ソ連、西欧列車の旅、英国滞在、欧州横断ヒッチ、イスラエルのキブツ生活、シルクロード、インド、豪州大陸横断ヒッチの旅の話。

ウェールズの旅~如何してコロブレンへ行くの?

2021-09-09 14:52:46 | 「YOSHIの果てしない旅」 第5章 イギリス
                △ウェールズの街は谷間にあった

・昭和43年9月9日(月)晴れ(如何してコロブレンへ行くの?)
 昨夜泊まったユースは、山の中であった。昨日のおじさんが、捜し出すのに苦労したのも無理なかった。
 ユースを出て、ウェールズの美しい山々の景観を楽しみながら山道を1人、街道の方へトボトボと歩いた。ウェールズはどんな山の中の小道でも、アスハルトで整備されていた。今日は晴天となり、昨日とうって変わって気分も良かった。歩いていたらウンコをしたくなった。山道が幸いし道路端で、美しい山々を眺望しながら用を足すのは、最高に気持が良かった。
 山道と街道が交差する左箇所で、村民5~6人が焚き火をしていた。朝晩は、既に寒さを感じる時期になっていた。『毛色の変わった外人がこんな所を歩いている』と言った感じで私の方を皆が見ていた。私が無視して彼等の前を通り過ぎようとしたら、向こうから「グッド・モーニング」と挨拶されてしまった。私も挨拶を返したが、田舎の人は気軽に挨拶をしてくれるので気持が良かった。
 街道を出て左に曲がってトボトボと歩いていたら、おじさんが運転する車が停まってくれて、乗せてくれた。1~2km行った交差点手前で停車し、「私はこちらの道を行くので、降りてくれ」と言うので、降りた。
車が走って行くのを見ていたら、曲がらず真っ直ぐに行ってしまったのだ。おじさんは気が変わって、私をこれ以上乗せたくないので、嘘を言ったのだ。ヒッチをしていてこんな事は、後にも先にもこれ1度だけであった。 
 2台目は、若者が運転する車が10分位して停まってくれた。彼はスピードを出して運転したから、直ぐに最初に乗った車に近付いた。そして追い越す際におじさんに手を振ったら、向こうも気が付いたようであった。この車でBuilth Wells(ビルス ウェルス)まで遣って来た。
 ビルス ウェルスの街で昼食をして、郊外まで歩き3台目をゲット。そして4台目で私は、Brecon(ブレコン)まで来た。ここまで来るとコロブレンまでは、もう近いのであった。ブレコンの郊外まで歩き、そこでヒッチするが車が停まってくれないので、場所を変えた。すると、65前後のお爺さんがリックを背負ってヒッチをしていた。『あんな年齢になっても、ヒッチの旅が出来れば良いなぁ』と思った。
 5台目は、「20ポンド(約20,000円)でスイスまで行って、昨日帰って来た」と言う若い人に、Senny Bridge(セニー・ブリッジ)まで乗せてもらった。私はここで気楽に草の上に寝転んで昼寝をした。
 6台目は、今日最後の婦人の運転する車が停まってくれた。助手席には高等女学生と思われる、とても可愛らしい女の子が乗っていた。早速その彼女から、「何処まで行くのですか」と聞かれた。
「コロブレンまでお願いします」と私。
「如何してコロブレンに用事があるの」と彼女は不思議に思ったのか聞いて来た。
「私は日本人で、ミス シーラ モーガンと言う人と7年間文通しこちらに来る機会があって、彼女の家に滞在しているのです。今、スノードンから帰って来たばかりなのです」と私。
「貴方の様な素敵な日本人と私も文通をしてみたくなったわ」と本気か冗談か分らないが、そんな会話をしている内に直ぐ、コロブレンに着いてしまった。私の案内でモーガン家の真ん前で降ろして貰った。
 私はバスに入って、4日間の旅の垢を落とした。それから洗濯したり、友達から手紙が来ていたので返事を書いたり、妹へも手紙を書いたりして、午後を過ごした。
 明日、再び旅に出るので、早めに床に着いた。


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