名邑十寸雄の手帖 Note of Namura Tokio

詩人・小説家、名邑十寸雄の推理小噺・怪談ジョーク・演繹推理論・映画評・文学論。「抱腹絶倒」と熱狂的な大反響。

♪ スクリューボール・ジョーク 【メビウスの帯】

2023年04月09日 | 日記

「メビウスさん。メビウスの帯とは一体何の事ですか」

「三次元ユークリッド空間 R3 に於いて、媒介変数 r,t(-1≦r≦1 ,0≦t≦π)をr = 0と仮定した閉曲線が中央を通る幾何学上の軌跡だが、座標空間では xy 平面上で円となる現象、詰まり位相幾何学において媒介変数表示された曲線と同じ層に存在する位相空間を示す理論だ」
「要するに…一回転ねじってつなげた帯ですね」
「簡単に云えば…そうなるかも知れん。真理とは、単純なものじゃからな」
「いつ、どんな風に発見したのですか」

「泥酔して朝帰りした時に、奥さんに太縄で首を締められた。その時ふと、ガウスの理論が脳裡をよぎったんだ」
「何だ、盗作ですか。あきれたもんですね」
「そもそも、ねじった帯のたぐいは古代遺跡にも多々存在するから、発見という程のものではない。それに、現実に応用しにくい重大な欠陥もあるのだ」
「それは何ですか」

「メビウスの帯を通るものは…皆落っこちてしまうだろう」


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