正直言って、読みはじめたとき「この本は、とっつきにくいかな…」と思っていました。さまざまな角度からニホンカワウソについて研究されたデータが、次々と、そして淡々と記されているだけのように感じてしまったのです。
しかし、よく考えれば題名に『学』と書かれているのですから、ニホンカワウソが主人公の物語ではないのは、当然のことでした。
ただ、そのことが逆に、地球上から生き物が『絶滅』していく主な原因は、人間の欲望を実現させるためだけの乱獲という行為に限らず、人間が暮らしやすくするためのさまざまな活動が絡み合った結果であるという事実を、著者は、読み手の心へ詰め将棋のように少しずつ詰んでいきます。
そして、一旦滅んでしまった彼らを蘇らせようとする各地での試みにも触れ、そのためには莫大な費用と多大な労力、そして気の遠くなるような長い時間が必要である…と静かに説いています。
農耕民族だった日本人は、自然を恐れつつ感謝し、自然とともに生きてきたはずなのに、文明や経済が発展するに伴って、自然に対する驕りが、大切なことを忘れさせてしまったのでしょうか…
そしてまた、物事を進める場合には、常に大局から見る視点と迷いのない判断力が大切で、早く修正するほど、被害を最低限度に食い止めることができるということ、つまり「まだ大丈夫」と構えているときは、もう手遅れになりつつある段階だ、という何事にも通じるような鉄則を教えていただきました。
しかし、よく考えれば題名に『学』と書かれているのですから、ニホンカワウソが主人公の物語ではないのは、当然のことでした。
ただ、そのことが逆に、地球上から生き物が『絶滅』していく主な原因は、人間の欲望を実現させるためだけの乱獲という行為に限らず、人間が暮らしやすくするためのさまざまな活動が絡み合った結果であるという事実を、著者は、読み手の心へ詰め将棋のように少しずつ詰んでいきます。
そして、一旦滅んでしまった彼らを蘇らせようとする各地での試みにも触れ、そのためには莫大な費用と多大な労力、そして気の遠くなるような長い時間が必要である…と静かに説いています。
農耕民族だった日本人は、自然を恐れつつ感謝し、自然とともに生きてきたはずなのに、文明や経済が発展するに伴って、自然に対する驕りが、大切なことを忘れさせてしまったのでしょうか…
そしてまた、物事を進める場合には、常に大局から見る視点と迷いのない判断力が大切で、早く修正するほど、被害を最低限度に食い止めることができるということ、つまり「まだ大丈夫」と構えているときは、もう手遅れになりつつある段階だ、という何事にも通じるような鉄則を教えていただきました。