「長いお別れ」 中島京子 著 文藝春秋

　作品を読み終えた後、題名の意味するところが理解できました。
　本来、とても深刻で、きちんと向かい合わなければならないとわかっているのに、つい現実から目をそらしてしまうこと…
　「家族」の意味や関係を深く問いつつも、努めて明るい雰囲気に仕上げられた作品でした。

　私と私の実家も、状況は異なりますが、似たような境遇にあります。
　読み進むにつれて、他人事とは思えず、心苦しさや切なさが私の胸に迫りますが、作品の明るさに、親不孝な私自身が助けていただきました。
　せめて、お墓に眠るご先祖や弟に、お詫びをしてきたいと思います。