「失敗の科学」 池田 圭一 著 技術評論社

　考え得る限りの事態を想定し、備えること。
　言葉ではたやすいが、現実には様々な要因が絡みあい、まず無理である。

　しかし本作品は、数々の「失敗」を単純に切り捨てることなく「検証」して「改良」し「備える」ことの重要性を認識させてくれる。

　中でも、先駆者たちが貴い犠牲をはらって下さった事故の原因が些細なものであるほど、残念でならない…

　人命の保護は最優先事項である。
　想定内の「まさか」から「想定外」まで考え抜いて、できる限りの対応をしなくてはならず、さらにそのシステムを、日々点検しなければならない。

　そして、日本のマスコミどもは「失敗」を、さも楽しそうに、大々的な非難でやり込めようとする風潮を改めるべきである。