質問者:ハイル禅師 中世ヨーロッパの医療行為の状況は
やはり劣悪だったのでしょうか?
私:ローマ帝国崩壊後の中世ヨーロッパでは衛生習慣も
食生活もさらに医療技術までかなり劣悪な状況に文明が
後退してしまったのであります
中世の医療でオカルト的な事が罷り通っていましたが
その中の一つに王様が病人を触ると奇跡が起きて病人が
治るという儀式がありました
特にイギリス王チャールズ二世は延べ十万人に施しましたが
病人の顔や頬を触り横の牧師が王が手を当て病を癒された
と告げる儀式です
王様に触られるだけで病人は光栄なので文句は言いません
が病気など治るはずがありません
ルイ14世によるロイヤルタッチの場合は記念品として
薄い金板も病人に授けたと言われている
また虫歯治療は床屋外科医が行いペンチで歯を抜いたり
針を耳の後ろから刺したり釘に呪文を書いて歯の根元に
刺し込みその釘を木に刺したのです
他には床屋外科医が頭蓋骨にハンマーで穴を開けて
腫瘍を取り出す手術まで行い穿頭治療と言われていた
さらには瀉血と言って血管に傷をつけて血を抜く治療も
ありましたがヤブ医者も多く動脈に穴を開けてしまい
死者も結構出していました
その後は失敗の教訓から知識を持つ大学病院卒の医者と
床屋外科医に分かれて治療服にも差異が設けられました