ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年3月3日。ウクライナ侵攻から373日目

2023-03-03 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年3月3日。

 ミンスクの裁判所は今日、昨年のノーベル平和賞受賞者アレシ・ビャリャツキ氏に社会秩序の混乱を図った罪などで懲役10年の判決を言い渡しました。
 ビャリャツキ氏は2021年7月に拘束され、ノーベル平和賞は獄中での受賞でした。
 上告できる権利はあるので、おそらくそうすると思われます。
逮捕された人権擁護センター「ビャスナ」の同僚ら2人も一緒に審理され、それぞれ禁錮9年と同7年を言い渡されました。国外に逃れている別の1人は、被告人不在のまま禁錮8年の判決が下されました。

 
 ブリャンスク州の知事は2日、ウクライナから侵入した工作員が国境近くの村で走ってきた車に向けて発砲し、住民2人が死亡したと主張しました。
 ロシア大統領は「ネオナチによるテロだ」として、ウクライナによる犯行との考えを示唆しました。
 ウクライナのポドリャク大統領府顧問は、「典型的で意図的な挑発だ。ロシアは自国民を怖がらせたいのだ」と、ロシアによる自作自演と主張する声明をSNS上に出しています。
 実際にウクライナ軍がロシア義勇軍であっても越境して攻撃してきたとなると、由々しき事態です。
 ロシアの大統領報道官はウクライナのポドリャク氏の「ロシアの自作自演」説と「信じない」と一蹴。独立系メディア「メドゥーザ」も、ドローン墜落現場の状況からポドリャク氏の説明は「あり得ない」と指摘し、ウクライナ軍の攻撃とみています。

 ロシア当局はウクライナとの国境地帯での警戒レベルを上げました。


 今年の1月と2月だけで1万人以上のウクライナ人がベラルーシに入国した、と国家国境委員会の報道機関が報告しました。
 ウクライナからベラルーシに直接越境できないので、7,689人がポーランド経由で、2,012人がリトアニア経由で、678人がラトビア経由で入国しました。
 ベラルーシ当局は、ロシアのウクライナ侵攻開始直後からウクライナ避難民を受け入れ始めました。
 ウクライナ人は、国境近くの村にある応急処置所で医療を受けることができ、ベラルーシ側の薬局で薬などを購入することもできるようにされていました。
 ベラルーシでは、宿泊施設や住居探しの支援をすぐに受け、またウクライナ人は就職できる権利も与えられています。(すぐに良い就職先が見つかるかどうかは別問題)
 一部のウクライナ人は一時滞在許可を受け取り、ベラルーシ国籍の申請手続きを始めたウクライナ人も出てきました。

 
 ベラルーシの国営テレビ局は3月2日、首都ミンスク近郊のマチュリシ空軍基地から離陸するロシアのベリエフA-50早期警戒管制機の映像を放映し、同機がベラルーシの反政府勢力に攻撃されたとする主張を否定しました。
 同テレビ局は、A-50は損壊されておらず、ベラルーシ国境上空を飛行したと同テレビ局は説明していました。
 これに対して、ベラルーシでロシア軍の動きを監視するグループ「ベラルーシ・ハジュン・プロジェクト」は、メッセージアプリ「テレグラム」で、A-50は単に国境上空を飛行したのではなく、ロシアのロストフ州タガンログにある航空機修理施設に向かったと指摘しています。
 本当に先月28日に損害を受けていなかったのなら、すぐに同機を飛行させたら良かったのに、2日後というのは少し遅くないですか。


 ロシア国防省は太平洋艦隊の潜水艦が今日、ウクライナ侵攻にも使われる巡航ミサイルの水中発射演習を日本海で行ったと発表しました。