ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年3月31日。ウクライナ侵攻から401日目

2023-03-31 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年3月31日。

 予定通り、ベラルーシ大統領が「国民との対話」(年次教書演説)を行いました。
 ロシア大統領がベラルーシに配備すると明らかにした戦術核兵器について、1994年に「ブダペスト覚書」で保障された核放棄と引き換えに得た自国の安全保障がなくなったので、ロシアの核兵器をベラルーシに返還されるものだと説明しました。

 また核兵器配備は西側諸国の脅威にさらされているベラルーシの防衛に役立つとし、
「誰かを威嚇したり、脅したりするつもりはない。ベラルーシを守り、国民の平和を確保したいだけだ。」
と述べました。

「ウクライナで本格的な戦争が始まり、核の炎をともなう第3次世界大戦が迫っている」と懸念を示し、「彼ら(米欧)は我が国を破壊するため、進入する準備をしている」と主張。

 その上で、ロシア大統領は配備される戦術ミサイルはロシアの管理下に置く方針だが、ベラルーシ大統領は、自国が脅威にさらされた場合はロシアの同意の下でベラルーシが使用する可能性があることも示唆しました。(これ、重要ですね。ベラルーシも攻撃できるようになりました。)

 ベラルーシは脅威に対抗するための十分な通常兵器を保有しているとしながらも、ベラルーシの破壊が脅威の背後にあると判断すれば、あらゆる手段を行使して対抗するそうです。国を守らないといけませんから、これは当然です。そして、この集団の中に核兵器が含まれることになりました。

 ベラルーシ大統領はまた、ウクライナ戦争の即時無条件停戦を呼びかけ、ロシアが脅威を感じれば「最も恐ろしい兵器」を使わざるを得なくなると警告。「核保有国を打ち負かすことは不可能だ。ロシア指導部がロシアの崩壊を招く状況と判断すれば、最も恐ろしい兵器が使用される。これは許されることではない」と語りました。
 来週中にロシアとベラルーシの間で停戦提案を協議するそうです。
 両国の間で出された提案をそのままウクライナが耳を傾けるかどうか。

 ウクライナ軍が4月か5月に計画している反撃についてベラルーシ大統領は、
「現在の状況で起こり得る中で最悪のものになる。停戦交渉に対するすべての希望を打ち消し、紛争はあ後戻りできなくなり、事態は悪化する。」と予想しています。ウクライナを牽制しました。ウクライナ反撃が始まる前に停戦交渉を始めるほうがいいという考えです。
 本当に今、停戦交渉を始めないと遅くなると焦燥感があります。

 ベラルーシ大統領は「自分の時代は過ぎ去った。」と気弱になっているような発言もしましたが、気が弱くなったと言うより少々疲れているような印象です。停戦を大統領も望んでいるのでしょう。
 「次期大統領を決めるのは、ベラルーシの人々だけ。」と国民に向けてメッセージを発信。
「今日はそれについて話すのをやめてください。」と質問に対して答えました。
 また自分の子供の一人を国家元首にさせるつもりはないと述べ、「私の子供たちは大統領にはならないだろう。」し、次の大統領になるのは3人の息子のうち誰か?と噂するのもやめるよう言いました。

 重要なことは、ベラルーシの市民、その子孫が平和な国に住んでいることだ、と大統領は述べました。