ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年6月24日。ウクライナ侵攻から487日目

2023-06-24 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月24日。

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 午後8時10分(日本時間25日午後2時10分)のベラルーシからの速報です。
 ベラルーシ大統領とワグネル・トップのプリゴジン氏が電話会談をしました。
 べラルーシ大統領は、プリゴジン氏に、これ以上モスクワ方面へ進むのはやめるよう提案し、プリゴジン氏はその提案を受け入れたそうです。


 午後8時45分頃(日本時間25日午前2時45分頃)プリゴジン氏はテレグラムに音声メッセージを投稿し、モスクワに向かっていた隊列は計画通り引き返しつつあると述べました。
 計画通り?
 ワグネルの部下たちがロシア治安部隊と衝突し流血する事態を避けるため、陣営に「戻る」と決めたそうです。

 プリゴジン氏がSNSで報道に反論。
「ベラルーシ大統領からのオファーは受けなかった。交渉はあったが失敗に終わった。メディアで言われていることは全て見え透いた嘘だ。」

 情報が錯綜しています。
 ロシアの国防相などが更迭されることで、モスクワへの進軍を停止したという報道もあります。

 現地時間夜遅くベラルーシ大統領とロシア大統領が今日2度目の電話会談を行いました。
 ベラルーシ大統領が仲介役となってことに対し、ロシア大統領は謝意を述べました。

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 ロシアの民間軍事会社「ワグネル」のトップ、プリゴジン氏は昨日の夜、ロシア軍のウクライナ侵攻に参加するワグネル部隊がロシア軍のミサイル攻撃を受けたと主張し、対抗措置としてワグネル戦闘員がロシア南部ロストフ州のロシア軍南部軍管区司令部に入ったとSNSで発表していました。
「ショイグ国防相や大富豪が自身の利益のために戦争を始めた。」「プーチン大統領がだまされた。」「ロシア国防省が大統領や国民を欺こうとした」と主張し、侵攻開始の前にウクライナがロシアを攻撃する兆候は見られなかったと自身の見解を述べていました。
 ロシアの特別軍事作戦の大義名分を否定するものです。

 世界がロシアのニュースに釘付けになっていると思います。
 そんな中、ベラルーシ大統領が出国した(国外へ逃げた)などという情報が流れたようですが、もちろんフェイクニュースです。

 ベラルーシ大統領も国内の治安部隊などと緊急会議を2回に分けて行いました。

 ロシア大統領はベラルーシ大統領に状況説明の電話をかけてきて、そのまま電話会談。
 ベラルーシ政府もロシアとの同盟関係継続を強調。国家安全保障会議では声明で、ロシア内部の対立は西側諸国を利するだけだと主張しました。


 モスクワ市当局は今日、市民に向けて当面は外出を控え、週明け26日月曜日も仕事を休むよう呼びかけました。対テロ作戦体制の実施を宣言。
 モスクワ市長は市民に対して「状況は複雑です。」とも述べました。
 今は夏のバカンスを取る市民が多い時期ですが、役職を持っている公務員に対して、バカンスの期間を延期するよう指示が出されました。
 夏休みで家族揃って、避暑に行こうとしていた人が休暇を取って、どこへも行けなくなりました。
 モスクワ市長は、市内で一部の道路や地域が通行止めなどになる可能性もあるとし、市民に対し、移動をできるだけ控えるよう求めました。
 また赤の広場も閉鎖されています。
 ロシア南部からモスクワに至る幹線道路M-4号線も封鎖されました。

 屋外や教育関連施設の市民参加行事も7月1日まで全て中止されました。
 ベラルーシでは「旅団(リョダン)」騒ぎのせいで、アニメフェスティバルが(今のところ)無期限中止になりましたが、そのためロシアのアニメフェスティバルに行こうとしていたベラルーシのアニメファンたち。
 ところが、今日ロシアのアニメフェスティバルも中止になりました。


 ベラルーシ外務省はロシア国内に住むベラルーシ人に対し、冷静でいるよう求め、さらに各都市にあるベラルーシ大使館や領事館の緊急連絡先リストを発表しました。 


 ロシア大統領は国民向けの緊急演説を行い、
「我々は裏切りに直面している。常軌を逸した野心と個人的利益が反逆を招いた。」と非難。
「内部の混乱は国にとって致命的な脅威であり、国民への打撃となる。意図的に武装反乱を犯す者らへの処罰は不可避だ」と強調。
 また、ワグネル戦闘員に向けて
「犯罪行為への加担をやめることだけが唯一の正しい選択だ」
と訴え、プリゴジン氏に同調しないよう求めました。ロシア国防省もワグネル戦闘員への声明で「プリゴジンにだまされている」と呼びかけました。
 プリコジン氏は大統領の演説に対し、SNSのテレグラムで、
「『母国への裏切り』に関しては、大統領は大きく誤っている。我々は母国の愛国者であり、我々は戦ってきて、今も戦っている。ワグネルの戦士全員だ」
と反発。
「大統領や連邦保安局(FSB)、その他の人物の要請で投降するものは誰もいない」とも述べました。
 大統領の要請すら耳を貸さないと言い切っています。


 ロイター通信は今日、ロシア西部ボロネジ州を走るワグネルの軍用車の列を露軍ヘリが攻撃したとの目撃者情報を報道しました。
 また、ボロネジ州の知事は、州内の給油施設で火災が発生したと発表しました。