ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年6月25日。ウクライナ侵攻から488日目

2023-06-25 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月25日。

 昨日のワグネル武装蜂起について。
 モスクワへの進軍を撤回し、占拠したロシア軍施設も返したプリゴジン氏。
 ロシア大統領報道官によるとベラルーシが身柄引受人になることになり、同氏はすでにベラルーシへ出発。すでに到着したもようです。
 ロシア大統領がベラルーシ大統領に電話していたのは、この件について決めていたからでしょう。

 ベラルーシへ亡命した形となったプリゴジン氏。
 代わりに同氏の罪は問われないことに。
 ワグネル戦闘員の罪も問わない。
 反乱不参加のワグネル戦闘員で希望者は国防省との契約ができる。(元犯罪者の戦闘員も正規のロシア軍兵士になれる。ロシア軍の人手不足問題が少しは解消される。)
 ショイグ国防相などの更迭とプリゴジン氏が要求していたようですが、これも何の変化もなし。

 プリゴジン氏はロシア軍兵士の中の不満分子がワグネル側につくと予測していたものの、それが外れたので勝ち目がないことが分かり、「自分たちは死ぬ覚悟だ。」とか言っていましたが、実際には死ぬつもりはなく、モスクワを前にして「流血を避けるため(自分たちが死なないために)」進軍をやめてUターンしたようです。
 民間軍事会社のワグネルも実質解体され、アフリカなどでも「仕事」をしていましたが、それもなくなりそうです。
 
 心配していた「モスクワ流血開城」は起こりませんでしたが、昨日1日だけでロシア軍のヘリコプター6機と固定翼輸送機1機がワグネルに撃墜され、搭乗員だけで10数名は死亡しています。
 それなのにお咎めなしで、しかも反乱不参加のワグネル戦闘員はロシア軍兵士になれますよと言われて、そうなったところで、正規兵士たちと仲良くやっていけるのか。
 希望者は出るのか。反乱「参加」のワグネル戦闘員(2万5000人)は罪に問われないとしても、これからどうなるのか。刑務所へ逆戻り? 大いに不満が出るでしょう。
 こういう人たちがプリゴジン氏にくっついてベラルーシに流入すると、治安が悪くなるので困ります。(ベラルーシ軍も人手不足なので、ベラルーシの一部隊になる可能性はありますね。で、裏でプリゴジン氏が糸を引こうとする可能性も。)

 仲介役を買って出て、プリゴジン氏の身元引受人にもなったベラルーシ大統領に、ロシア大統領は借りができましたね。両国の関係にも影響が出る、というよりロシア大統領の立場が弱くなり、自国民への影響力も低下しそうです。今回死亡したロシア軍兵士の遺族や周辺の兵士たちはどう思っているでしょうか。


 あー、今頃プリゴジン氏はベラルーシで大統領が用意した昼ごはんでも食べているのかねえと思いながら自分もお昼ごはんを食べていたのですが、こんなニュースが飛び込んできました。
 イギリスのBBCは、同氏の行方について、現地24日夜にロシアのロストフ州を出発して以降、どこにいるのかわかっていないと伝えました。
 プリゴジン氏の広報担当も連絡がつかないとメディアの取材に答えています。
 ベラルーシではプリゴジン氏が今日ベラルーシに到着したという確たる報道はされていません。