2023年6月26日。
今も所在地不明のワグネル・トップのプリゴジン氏。
ベラルーシのニュースを見ても、同氏がベラルーシに到着したという報道や政府の発表はありません。
ベラルーシに入国していないのではないかという見方が多いですね。
ただ、ベラルーシには今までもキルギス大統領の亡命受け入れをしたこともありますが、いつ入国したのか、ベラルーシのどこで暮らしているのか、全く情報を出していません。身の安全のためにわざと出さないようにしているんです。
だからプリゴジン氏がもうベラルーシ領内にいるとしても、入国した日時とかどこにいるのかなどは絶対報道しないと思います。せいぜい「はい、入国しました。いつかははっきり言えません。今どこにいるかも言えません。同氏の安全のためです。それをベラルーシ大統領は保証したから、同氏はベラルーシへ来たのです。大統領が嘘をついてはいけないので、同氏を安全な場所で守っています。」と言って終わりです。
一方でこういう最小限の発表も今のところありませんね。
ロシアの主要メディアは今日、プリゴジン氏の反乱について、刑事事件として現在も捜査が続いていると報じました。
ベラルーシへ行けば、お咎めなしのはずでは?
あるいはお咎めなしって言っていたのに、捜査が続いていることを知ったプリゴジン氏が「嘘をついたな。だったら俺もベラルーシへ行かん。」と、ベラルーシの国境手前で留まったのかもしれませんね。
モスクワでの耐テロ態勢、26日金曜日は出勤しないように、という市長からのお達しですが、昨日の時点で今日就業するかどうかは各職場で決めて下さい、に代わり、道路の封鎖なども全て今日、解かれました。
週明けの外国為替市場では、ロシア通貨ルーブルが対ドルで急落し、一時約1年3カ月ぶりの安値1ドル=87.23ルーブルとなりました。その後は84ルーブル台に下げ幅を縮小。
その影響でベラルーシ・ルーブルも1ドル=3.01ルーブルとなり安値になっています。
昨日と今日の2日間の予定で赤道ギニア大統領がベラルーシを公式訪問する予定でしたが、延期されました。
居場所が分からないプリゴジン氏がSNSに音声メッセージを上げました。
動画ではないので、居場所ははっきり分からないし、本人の口からもどこそこにいますと言っていないので、わざと居場所を隠しているようです。
暗殺されたとかいう噂もありましたが、それを否定したいのでしょう。でもどこにいるのかは知られたくない。
音声メッセージでは「政権転覆のために進軍したのではない」と述べています。あくまで国防省がだめだと言いたいのでしょう。
プーチン政権の崩壊を狙ったものではないと強調し、大統領には忠誠を誓っているようす。
ワグネルを撤収させた理由については、先日通り「ロシア兵の流血を避けるためだ」として、ロシア社会を血で汚すような冷血な人間ではないですよ、ということをアピール。
ロシア軍なんかよりワグネルのほうがよっぽど強いんだよ、軍施設を占拠しながらモスクワに近くまで突き進んだでしょ? と強さもアピールできました。
プリコジン氏は次の大統領選挙に立候補するつもりで、今回の反乱は選挙活動の一つに過ぎなかったのでは?と思えてきました。
今晩、ロシア大統領は国民向け演説を行いました。
「『ロシアの敵』はロシアが血なまぐさい内戦に沈むことを望んでいたが、誤算だった。」
このロシアの敵とは、ウクライナや欧米諸国のことでしょう。
流血の事態を避けるための命令を出したと国民に説明しました。自分ひとりだけの采配で大問題を一気に解決したかのような言い方です。交渉の裏にはベラルーシ大統領やプリコジン氏の努力もあったと思いますが。演説内ではベラルーシ大統領には謝意の言葉を述べました。
さらに「ワグナー戦闘員たちは愛国者だ。」と発言。直近の演説では裏切り者呼ばわりしてませんでしたっけ? すぐに進軍をやめたから今回の演説ではそれを評価しているんでしょうか。
さらに「ワグナー戦闘員の中にはだまされて反乱に参加させられた者もいる。ワグナー・グループの指揮官たちはロシア国防省に勤務し続けることもできるし、ベラルーシや家族の元に行くこともできる」
と語りました。(← あのー、ワグネル戦闘員には受刑中の人間が大勢スカウトされていましたが、その人達も家に帰れるの?)
非常に柔軟です。これからどうするのか、自分で好きなの決められますよとワグナー戦闘員に向かって呼びかけています。心が広いですね。しかし、一度は自分に弓引いた者に対して、弱腰だと批判するロシア国民もいると思います。
複数の独立系メディアによりますと、ロシア各地でワグネルの兵士募集センターが活動を再開したということです。
また、サンクトペテルブルクの独立系メディアは、ワグネルの本社が営業を再開していると報じています。捜査が行われていたはずですが。もう終わってお咎めなしになったということでしょうか。その途端すぐ営業再開?
一方、独立系メディア「ビョールストカ」は、ベラルーシ国内でワグネルの兵士のための8000人規模のキャンプが建設されていると報じています。また、ワグネルの兵士の親族への取材で、兵士がベラルーシに送られる可能性が高いと話していたと報じています。
それが真実なら、ベラルーシ大統領とプリゴジン氏の間にこのことも電話会談で話し合ったでしょう。
キャンプ場をベラルーシ国内に作ってあげるからモスクワへの進軍なんかやめてベラルーシへ来たら?と条件を示し、それをプリゴジン氏がのんだのかもしれません。
一人ぽつんとベラルーシへ亡命・・・ではなく、ワグネルの拠点をベラルーシに作るという計画であれば、戦闘員をUターンさせたのも理解できます。
しかし、それならどうしてワグネルがベラルーシに拠点を作らないといけないのか? ワグネル解体とかプリゴジン亡命などではなく、ベラルーシ軍とワグネルが組んで、ウクライナへ北から攻撃する計画があるのかもしれません。
ロシア軍とは気が合わなかったプリゴジン氏もベラルーシ軍とはうまくやっていけるかもしれないと思ったかもしれません。そのほうが伸び伸びと軍事行動が取れます。ロシア軍のことなんか気にしなくていいんだから、プリゴジン氏からすると目の上のたんこぶが取れたような清々しい気持ちになっていてもおかしくありません。
もっとも同氏がベラルーシ入りしたかどうか分かりませんが、入国してても公表しないのがベラルーシ政府ですから、もうとっくにワグネル・ベラルーシキャンプに入って指揮を取っているかもしれませんね。
それで、そのキャンプのことはまだ秘密なので、居場所を言えない(特定されたくない)ということで所在不明のままなのでしょう。
今も所在地不明のワグネル・トップのプリゴジン氏。
ベラルーシのニュースを見ても、同氏がベラルーシに到着したという報道や政府の発表はありません。
ベラルーシに入国していないのではないかという見方が多いですね。
ただ、ベラルーシには今までもキルギス大統領の亡命受け入れをしたこともありますが、いつ入国したのか、ベラルーシのどこで暮らしているのか、全く情報を出していません。身の安全のためにわざと出さないようにしているんです。
だからプリゴジン氏がもうベラルーシ領内にいるとしても、入国した日時とかどこにいるのかなどは絶対報道しないと思います。せいぜい「はい、入国しました。いつかははっきり言えません。今どこにいるかも言えません。同氏の安全のためです。それをベラルーシ大統領は保証したから、同氏はベラルーシへ来たのです。大統領が嘘をついてはいけないので、同氏を安全な場所で守っています。」と言って終わりです。
一方でこういう最小限の発表も今のところありませんね。
ロシアの主要メディアは今日、プリゴジン氏の反乱について、刑事事件として現在も捜査が続いていると報じました。
ベラルーシへ行けば、お咎めなしのはずでは?
あるいはお咎めなしって言っていたのに、捜査が続いていることを知ったプリゴジン氏が「嘘をついたな。だったら俺もベラルーシへ行かん。」と、ベラルーシの国境手前で留まったのかもしれませんね。
モスクワでの耐テロ態勢、26日金曜日は出勤しないように、という市長からのお達しですが、昨日の時点で今日就業するかどうかは各職場で決めて下さい、に代わり、道路の封鎖なども全て今日、解かれました。
週明けの外国為替市場では、ロシア通貨ルーブルが対ドルで急落し、一時約1年3カ月ぶりの安値1ドル=87.23ルーブルとなりました。その後は84ルーブル台に下げ幅を縮小。
その影響でベラルーシ・ルーブルも1ドル=3.01ルーブルとなり安値になっています。
昨日と今日の2日間の予定で赤道ギニア大統領がベラルーシを公式訪問する予定でしたが、延期されました。
居場所が分からないプリゴジン氏がSNSに音声メッセージを上げました。
動画ではないので、居場所ははっきり分からないし、本人の口からもどこそこにいますと言っていないので、わざと居場所を隠しているようです。
暗殺されたとかいう噂もありましたが、それを否定したいのでしょう。でもどこにいるのかは知られたくない。
音声メッセージでは「政権転覆のために進軍したのではない」と述べています。あくまで国防省がだめだと言いたいのでしょう。
プーチン政権の崩壊を狙ったものではないと強調し、大統領には忠誠を誓っているようす。
ワグネルを撤収させた理由については、先日通り「ロシア兵の流血を避けるためだ」として、ロシア社会を血で汚すような冷血な人間ではないですよ、ということをアピール。
ロシア軍なんかよりワグネルのほうがよっぽど強いんだよ、軍施設を占拠しながらモスクワに近くまで突き進んだでしょ? と強さもアピールできました。
プリコジン氏は次の大統領選挙に立候補するつもりで、今回の反乱は選挙活動の一つに過ぎなかったのでは?と思えてきました。
今晩、ロシア大統領は国民向け演説を行いました。
「『ロシアの敵』はロシアが血なまぐさい内戦に沈むことを望んでいたが、誤算だった。」
このロシアの敵とは、ウクライナや欧米諸国のことでしょう。
流血の事態を避けるための命令を出したと国民に説明しました。自分ひとりだけの采配で大問題を一気に解決したかのような言い方です。交渉の裏にはベラルーシ大統領やプリコジン氏の努力もあったと思いますが。演説内ではベラルーシ大統領には謝意の言葉を述べました。
さらに「ワグナー戦闘員たちは愛国者だ。」と発言。直近の演説では裏切り者呼ばわりしてませんでしたっけ? すぐに進軍をやめたから今回の演説ではそれを評価しているんでしょうか。
さらに「ワグナー戦闘員の中にはだまされて反乱に参加させられた者もいる。ワグナー・グループの指揮官たちはロシア国防省に勤務し続けることもできるし、ベラルーシや家族の元に行くこともできる」
と語りました。(← あのー、ワグネル戦闘員には受刑中の人間が大勢スカウトされていましたが、その人達も家に帰れるの?)
非常に柔軟です。これからどうするのか、自分で好きなの決められますよとワグナー戦闘員に向かって呼びかけています。心が広いですね。しかし、一度は自分に弓引いた者に対して、弱腰だと批判するロシア国民もいると思います。
複数の独立系メディアによりますと、ロシア各地でワグネルの兵士募集センターが活動を再開したということです。
また、サンクトペテルブルクの独立系メディアは、ワグネルの本社が営業を再開していると報じています。捜査が行われていたはずですが。もう終わってお咎めなしになったということでしょうか。その途端すぐ営業再開?
一方、独立系メディア「ビョールストカ」は、ベラルーシ国内でワグネルの兵士のための8000人規模のキャンプが建設されていると報じています。また、ワグネルの兵士の親族への取材で、兵士がベラルーシに送られる可能性が高いと話していたと報じています。
それが真実なら、ベラルーシ大統領とプリゴジン氏の間にこのことも電話会談で話し合ったでしょう。
キャンプ場をベラルーシ国内に作ってあげるからモスクワへの進軍なんかやめてベラルーシへ来たら?と条件を示し、それをプリゴジン氏がのんだのかもしれません。
一人ぽつんとベラルーシへ亡命・・・ではなく、ワグネルの拠点をベラルーシに作るという計画であれば、戦闘員をUターンさせたのも理解できます。
しかし、それならどうしてワグネルがベラルーシに拠点を作らないといけないのか? ワグネル解体とかプリゴジン亡命などではなく、ベラルーシ軍とワグネルが組んで、ウクライナへ北から攻撃する計画があるのかもしれません。
ロシア軍とは気が合わなかったプリゴジン氏もベラルーシ軍とはうまくやっていけるかもしれないと思ったかもしれません。そのほうが伸び伸びと軍事行動が取れます。ロシア軍のことなんか気にしなくていいんだから、プリゴジン氏からすると目の上のたんこぶが取れたような清々しい気持ちになっていてもおかしくありません。
もっとも同氏がベラルーシ入りしたかどうか分かりませんが、入国してても公表しないのがベラルーシ政府ですから、もうとっくにワグネル・ベラルーシキャンプに入って指揮を取っているかもしれませんね。
それで、そのキャンプのことはまだ秘密なので、居場所を言えない(特定されたくない)ということで所在不明のままなのでしょう。