ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

チロ基金提供「私たちのテスト2023」合格者表彰式

2023-06-28 | 日本文化情報センター
 ミンスク会場で中止された(正しくは計画すらされなかった)日本語能力試験に代わり、チロ基金の提供「私たちのテスト」が予定されています。

 5月27日にN4レベルのテスト実施、そして合格者への表彰式がミンスク市立中央児童図書館で行われました。
 記念撮影はベラルーシ人向けロシア語版サイトで公開しました。
 リンク先はこちらです。(病欠などの理由により、写っていない生徒もいます。)

 N4レベルは今回10人が受験。そのうち7人が合格しました。
 そして優しいチロ基金は9月に追試を行います。本物の日本語能力試験は1年に2回実施されるのですから、「私たちのテスト」も2回行って、ベラルーシ人日本語学習者を救済しないといけないですよ。

 このような状況ですので、また改めてN4の追試結果をこのブログ上でご報告いたします。

 6月17日と28日に「私たちのテストN5」を実施しました。11人が受験し、10人が合格しました。
 記念撮影はベラルーシ人向けロシア語版サイトで公開しています。リンク先はこちらです。

 また6月23日に「私たちのテストN3」を実施し5人が受験し、1人が合格しました。
 
 このように一つずつレベルを上げていこうとみんな勉強に励んでいます。

 ミンスク会場での試験が中止となり、ロシア会場もほぼ中止・・・と今年も日本語学習者受難の年が続いていますが、チロ基金のおかげで救われているベラルーシ人もいます。
 ご支援くださっている方々に深く御礼申し上げます。

 

2023年6月28日。ウクライナ侵攻から491日目

2023-06-28 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
  2023年6月28日。
 ミンスクはほとんど一日中雨が降っていました。

 ベラルーシ大統領が「ベラルーシ国内にいる。」と明言したものの、公には顔をまだ見せず、SNSも発信していないプリゴジン氏。
 
 ウクライナ大統領は「ベラルーシにはウクライナを攻撃するのに十分なワグネル戦闘員はいない。」と発言。さらにウクライナでは約2万人のワグネル戦闘員が壊滅し、ベラルーシに移ったワグネルはウクライナにとって深刻な脅威ではないと述べました。

 ポーランド副首相は、最大8000人のワグネル兵がベラルーシに到着する可能性があることを受け、ポーランド政府はベラルーシとの国境の警備を強化することを決定したと述べました。

 ルカシェンコ大統領はベラルーシに移ったワグネル戦闘員を経験豊富でレベルが高いと評価しており、これからベラルーシ軍の兵士の教官をワグネル戦闘員が担当するそうです。
 
 シリアに展開しているワグネル戦闘員はこのままロシア政府が引き継ぐとシリア大統領にロシア政府側が申し出たそうです。
 アフリカにもワグネル戦闘員がいますが、ボスがプリゴジン氏ではなくなってしまうこと、戦闘員たちはどう思うのでしょうか。
 いや、ロシア政府の言うことは聞きたくないと、ロシアに逃げ帰ろう・・・としたけどそこにももう自分たちのリーダーがいないので、ベラルーシへ流れてくる戦闘員が増えるかもしれません。

 ロシア大統領が命令を出して、ベラルーシ大統領がプリゴジン氏を暗殺するに決まっているとか、ベラルーシで窓のないホテルに滞在していて怯えているらしいとか噂が飛んでいますが、ワグネルは前述のようにベラルーシにとって有用なので、ベラルーシ大統領が同氏を暗殺するとは思えません。
 ロシア大統領が、暗殺しておいてとベラルーシ大統領に頼んだとしても、それを聞いたら、ベラルーシ大統領は、
「え? 反乱初日に残酷にひねりつぶそうとしていたのを1日かけて説得して、モスクワからUターンさせて、生きたままベラルーシへ迎え入れたのに、なんで今また殺せとか言うのか? だったら、25日にロシア国内で自分で殺しとけば良かったのに。私は一生懸命プリゴジンの命を助けたのに、暗殺したらその努力が全部無駄になる。」と反発して、ベラルーシ大統領もロシア大統領の言うことを聞かないと思います。
 ロシア大統領はベラルーシ大統領に貸しを作っておいて、さらにそんな命令をするでしょうか。
 ベラルーシ大統領だって他国の大統領の命令を部下みたいに聞かないといけないわけではないでしょう。
 ロシアとベラルーシの関係が転換期に来たように感じます。

 プリゴジン氏の話をしているときに、さらっとロシアがベラルーシ領内に配備する核兵器のほとんどはもう到着したよ、と「ベラルーシは強くなったアピール」を大統領がした目的は?
 世界中が注視したプリゴジンの反乱の後の、つまり世界が一気にベラルーシに注目する事が分かっている会見の真っ最中の発言ですよ。
 
 プリゴジン氏が暗殺に怯えて窓のないホテル(これって本当にホテル?)にこもっているというのも、見方を変えれば、ロシア大統領がロシアから放つロシア人の刺客から、ベラルーシ大統領が同氏を守ってあげているのかもしれませんよ。