ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年12月5日。ウクライナ侵攻から286日目

2022-12-05 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年12月5日。
 今日は風が冷たかったです。

 10月8日にテロと見られる大爆発により一部崩壊したクリミア大橋。12月には修復して全面開通させるとロシア側は宣言していましたが、そのとおり、今日、ロシア大統領自らメルセデス・ベンツ車を運転して橋を走行する様子を国営テレビが放映しました。助手席には副首相が乗っていました。
 修復担当者はこれで面目が立ちましたね。

 
 国営ロシア通信によると、リャザニ州にあるディアギレボ空軍基地で今日、燃料が爆発し、3人が死亡、6人が負傷しました。どうして燃料が爆発したのかは不明です。

 この爆発の後、ロシア軍はウクライナ各地に攻撃を加え、ウクライナ高官によると、ザポリージャ州で少なくとも2人が死亡しました。

 ロシアの複数の独立系メディアは、サラトフ州のエンゲリス空軍基地でも今朝、ドローンによる攻撃があったと通信アプリで明らかにしています。2機のTU95が損傷を受け、軍人2人が負傷しました。
 ドローンが滑走路に落下したそうで、自爆ドローンでは?と考えられています。
 ウクライナのメディアは先に、同国各地に向けてミサイルを発射するTU95がエンゲリス空軍基地から出撃していると報道していたので、今回のドローン攻撃はウクライナ軍によるものである可能性があります。ただ、ロシア本土への攻撃をウクライナ側が認めるかどうか。ロシア国内にいるパルチザンによるものかもしれません。

 タス通信によると、ルハンシク州のアルテフスクでも今日、砲撃があり、現地のロシア側当局は「ウクライナ軍が高機動ロケット砲システム(HIMARS)で宿泊施設を攻撃し、10人が死亡した」と主張しています。宿泊施設とは?

 またウクライナのスムィ軍事責任者によると、ロシアのロケット弾はウクライナのスムィ地区で牛 2 頭を殺し、さらに 3 頭の動物を負傷させました。 同地区の修道院も攻撃されました。
 ロシアがエネルギーインフラも攻撃した後、スムィ地区全域が停電しました。


 ロシアの報道によると、イギリス政府はウクライナ避難民に避難所の提供を拒否し始めました。
 イギリスに到着したものの避難民用シェルターを見つけられなかったウクライナ人の数は、1か月でほぼ30%増加した、とタイムズ紙が報じています。
 3月にウクライナ避難民をホームステイで受け入れたイギリス人。そもそもこれは6ヶ月間だけを予定していたそうです。3月頃はこんなに戦争が長引くと思っていませんでしたからね・・・。
 ホームステイ期間も終了したため、イギリス政府のデータによると、子供がいる2000以上の家族と、ウクライナから自力で到着した900人が現在、イギリスでホームレスになっています。これから冬なのに。イギリス政府はウクライナ避難民用の住居の提供をすでに始めていますが、人数も多くスムーズに進んでいないようです。


 ベラルーシ保健省によると、物流、物資、機器のメンテナンスに問題があるため、ベラルーシは西側諸国で製造された医療機器の購入を減らしたいと考えています。現在、新しい調達市場が模索されており、中国が最有力候補のようです。インド製の医療機器もお勧めできると思うのですが。ベラルーシは東芝のMRIを輸入していましたが、これも西側諸国扱いになるのでしょうか。


 ロシアの独立系ニュースメディア「メデューサ」の編集長のツイッター投稿によると、
「ロシアのオリョール州の共産党議員は、野犬を訓練してウクライナの戦車に突っ込ませ、自爆攻撃をさせようとしている。」
 どのような訓練したら、犬が戦車を怖がらず走り込んでいくのでしょう・・・
 ロシアにはもう戦争のための人もいないのでしょうか。


2022年12月4日。ウクライナ侵攻から285日目

2022-12-04 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年12月4日。
 ますます夜が長く、昼が短くなっています。

 ウクライナ軍はロシア軍が実効支配するへルソン州の東部に到達し、国旗を掲揚したとする動画を公開しました。
 というニュース記事を読むとウクライナ軍がどんどん前に進んでいる印象を受けます。
 ロシアのメディアではロシア軍がアルテモフスクでの戦闘で好戦しており、50人のウクライナ軍兵士を殺害したと報じています。
 BBCの報道によると、ロシアが占領したウクライナのマリウポリで、大規模な陸軍基地をロシア軍が建設しているようです。アメリカの人工衛星会社マクサー・テクノロジーズが公開した衛星画像を見ると、街の中心部近くに新たに建てられた建物の屋上ににはロシア陸軍を示す赤と白と青の3色からなる星マークと、「マリウポリの人々のために」との文字が確認できます。
 マクサー社は軍事施設のようだと指摘していますが、公式な発表はありません。陸軍施設としているのはあくまでマクサー社やBBCの推測です。


 今日はベラルーシはこれと言ったニュースもなく、静かでした。嵐の前の静けさでなければいいのですが。
 このブログに書くことがあまりないのが、よい知らせだと皆様思ってください。

 せっかくなので、一つ書くと、うちの子のウクライナ西部に住んでいる友人たちですが、長時間ではないものの計画停電があり、ネットを通じてのコミュニケーションが減ってしまいました。でも停電は一日中ではないので、つながるときはつながります。先日は友達同士で映画館へ映画を見に行ったそうです。
 ウクライナはこの冬、電力不足とか計画停電とか報道されていますが、ちゃんと映画館で上映ができているんですね。何だかすごいと思いました。
 ウクライナ軍兵士が戦死している戦時中に若い人たちが遊んでいると批判的に見る日本人もいるかもしれませんが、私からすると、できる可能性があるうちに何でも好きなことをしておくほうがいいと思います。特に若い人たちは。

 

2022年12月3日。ウクライナ侵攻から284日目

2022-12-03 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
2022年12月3日。

 今日、ベラルーシをロシア国防相が訪問。ベラルーシ大統領やベラルーシ国防相と対面会談しました。
 ロシア国防相は
「ベラルーシは、ロシアの信頼できるパートナーであり続けています。これは、西側諸国からかけられている前例のない圧力と、ロシアに対する宣言されていない戦争に直面している今日、特に重要です。」
と述べました。
 ロシアが始めた特別軍事行動が、いつの間にか「ロシアに対する宣言されていない(開戦を布告していない)戦争」に置き換わっていますね。まあ、それも全て西側諸国のせい、西側諸国の対応がまずいからということになるのでしょう。

 ベラルーシ大統領は、
「ベラルーシは公開された実際の条約に基づいて、すべきことをする。」
と強調。また、
「われわれの領土の一体性を守るための今後の行動について、統一の立場を練ろう。」
と表明しました。
 ロシアのウクライナ軍事侵攻については、「欧米が望む限り、特別作戦が続く」との見方を示しましたが、つまり、この戦争を望んでいるのは「欧米」ということになっています。
 またロシアとベラルーシは今日、地域の安全保障に関する軍事部門の国家間協定を修正することで基本合意しました。今月中にベラルーシ大統領がロシアを訪問し、ロシア大統領と対面会談することも昨日の電話会談で決定したとのことです。
 

 すっかり忘れていましたが、今日よく見たら、職場の近くのマクドナルド、ロシアのフクースナ・イ・トーチカにすっかり変わっていました。しかし店舗の外壁に店名が表示されていなかったです。営業中とはありましたが。


 「百万本の赤いバラ」で有名なロシアの国民的歌手、アーラ・プガチョワですが、出国先のイスラエルでイスラエル国籍を受け取ったようです。雑誌でのインタビュー記事で、
「私は自分の祖国で乞食になりたくありません。乞食にされるぐらいなら、外国で乞食になるほうがいい。」
と語りました。


 G7とEU、オーストラリアがロシア産原油の取引価格に1バレル=60ドル(約8000円)の上限を設けることで合意したことに関し、ロシア政府は「危険で正当性がない」と反発しました。
 在米ロシア大使館はフェイスブックで「不確実性が高まることは避けられず、消費者に原材料コストの上昇を強いる」と強調。「引き続きロシア産原油には需要があると確信している」と主張しました。
 AFP通信によると、ウクライナ大統領府高官は、上限設定を通じて「(ロシア経済が)崩壊する」として歓迎しています。
 ロシア経済が崩壊するとベラルーシ経済も崩壊します。


 ロシア大統領報道官は今日、ロシアが侵攻を経て占領中のウクライナ東・南部について、「ロシアの一地方」なのであるからしてロシア大統領がいずれ訪れることになると改めて強調しました。
 

 ベラルーシ国防相は、国営テレビONTで放送された番組内で、ウクライナ政府が西側諸国に要求している対ミサイルシステムのパトリオットはベ偉ルー氏にとって脅威ではないと述べました。ベラルーシ国内の危険性についても
「現在の状況は予測不可能です。もちろん、将来すべての事例が起こりえます。しかし状況は制御されています。国防省は非常に注意深く全てを監視しており、一連の対策を講じているので、現時点で(国民が)心配する必要はありません。」
と答えました。


 



 

2022年12月2日。ウクライナ侵攻から283日目

2022-12-02 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
  2022年12月2日。

 ウクライナ軍報道官によると、ロシア軍はザポリージャ州の数か所の集落から部隊の撤退を始めている模様だそうです。最近の州内での戦闘でロシア軍の軍事施設や弾薬庫などを破壊したとしています。とにかくザポリージャ原発を安全な状態にしてほしいです。


CIA元職員でロシアに亡命したエドワード・スノーデン氏がロシアへの忠誠を誓い、ロシアのパスポートを取得したと、報道されています。
 ロシア人になったわけですから、徴兵される可能性も出てきましたね。


 ウクライナ外務省は今日、ハンガリーやポーランドなど欧州7か国にあるウクライナの大使館や領事館に、不審な小包が相次いで届いたと発表しました。小包には動物の死骸の一部などが入っていました。
 ウクライナ外務省は声明で、駐バチカンの大使公邸の出入り口が破損被害を受けたことも明らかにしました。在カザフスタン大使館に爆発物を設置したとの情報もあります。

 
 ベラルーシのバラノヴィチにある第61戦闘機航空基地の司令官だったユーリー・ヴォロビヨフ氏が先週自殺したとあるブロガーが明かしています。自分で自分を射殺したとしていますが、どのような銃器を使ったのかははっきりしません。
 自殺した理由は年金受給の契約が更新されなかったから、とされていますが、変ですよね、これ。年金を受給し始めたのなら、後で契約が更新されないということはありえないと思うのですが。年金ですよ。
 この大佐は元治安当局者だったようです。
 そして、これは2020年の大統領選挙後、当時の抗議活動を起こした市民を弾圧した治安部隊関係者が自殺した4例目だと指摘する声が上がっています。

 ビリニュスのベラルーシ人心理支援センターの共同創設者オルガ・ヴェリチコ氏によると、平和的な抗議活動を(上層部からの命令だから)残酷に鎮圧した治安部隊員が心理的なトラウマに苦しんだとしています。
 その後、治安部隊院の自殺が2021年になってから増えてピークを迎えたとしています。自殺の事例は4例だけではないということです。
 ヴェエリチコ氏によると大統領選挙日だった2020年8月9日から11日まで警察署や留置所で拘束された人々を治安部隊が激しく殴打したときは、ストレスを感じていませんでした。しかし、何十万人ものベラルーシ人が平和的な抗議運動に参加したとき、治安部隊はストレスを感じるようになったそうです。そして人によっては心理的トラウマからうつ病になってしまったと予想されます。

福祉センターで日本の着物レクチャー

2022-12-01 | 日本文化情報センター
 ミンスク市フルンゼンスキー区にある福祉センターで、区内に住む聴覚障碍者の皆さんのために日本の着物レクチャーを実施しました。
 新美南吉の詩「明日」朗読プロジェクトで手話のパートを担当したオリガさんが現在、このセンターで手話通訳士をしているご縁から、今回のイベントが企画されました。

 福祉センターは想像以上に立派で、大勢のスタッフが働いていました。
 レクチャーは私がロシア語で説明するのをオリガさんが手話に通訳する形で行いました。このような形のレクチャーをしたのは初めてだったので新鮮でした。
 他にも3人の若い手話通訳士がいて、順番に交代しながら訳してくれました。後で尋ねたら、ミンスク言語学カレッジの最終学年の学生さんたちで、外国語ではなく手話専攻だということでした。実習のためこのセンターで手話通訳の研修を受けており、卒業後は就職するかもしれないと話していました。
 いわゆる外国語大学の中に手話学科があるということです。日本だと医療福祉系の大学や学部で学べることが多いですが、ベラルーシでは手話は言語の一つという捉え方なんですね。

 オリガさんはご両親が聴覚障害者なので、幼少のときから手話でコミュニケーションを取っており、大学で勉強していなくてもできて当たり前という感じでしたが、話を聞くと、聴覚障害者の法律相談に乗れるようなレベル、つまり手話で法律用語が語れるというレベルではないので、今も仕事をしながら勉強中ということでした。
 ロシア語の手話と日本語の手話はちがうのが少々残念ですね。唯一私が知っている日本語手話「仕事をがんばります!」をやってみましたが、ロシア語手話とは似てなかったです。ロシア語手話で自分の名前を表現する方法は教えてもらいました。(頑張って覚えた。)

 ・・・で、本来の目的である着物レクチャーですが、やはり百聞は一見にしかずで、色留袖と袋帯をお見せしました。
 帯の長さに「どうやって巻くの?」とみなさん驚いていました。
 他にも着物の画像のスライドをスクリーンに投影できたので、
「冬は寒くないの?」「下駄は何でできているの?」「髪型はどうなっているの?」
などとたくさんの質問が出ました。手話通訳士のオリガさんたちのおかげで、質問の意味もわかるし、助かりました。
 
 この福祉センターでは障碍者の方々が定期的に集まって、楽しく手話でおしゃべりし、交流する機会を設けているそうです。他にも個別福祉相談を受け付けているそうで、そのための窓口やコンサルタントの部屋もありました。
 今回は交流会にお邪魔する形で、着物の紹介ができました。
 また要望があれば、別の日本文化のテーマのレクチャーもできそうだと思いました。
 日本文化情報センターもまた出張レクチャーできたらいいなと思える素晴らしい場所でした。ベラルーシは福祉大国ではけっしてないのですが、予算不足の中、懸命に努力している人たちがたくさんいるのだと認識を新たにしました。


2022年12月1日。ウクライナ侵攻から282日目

2022-12-01 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年12月1日。

 今日付でウクライナ副首相に任命されたアレクサンドル・クブラコフ氏がベラルーシの内務大臣イワン・クブラコフ氏の甥であるとネット上で話題となっています。親戚同士で敵味方に分かれてしまったということでしょうか。
 アレクサンドル・クブラコフ氏は自分の親戚にベラルーシの政治家がいることを特に話していませんが、知っている上での任命だと思います。


 ローマ教皇庁(バチカン)の公式ウェブサイトが11月30日午後から夜にかけ、閲覧できない状態となりました。ウクライナの駐バチカン大使は、ロシアによるサイバー攻撃だと非難しています。フランシスコ・ローマ教皇が、ウクライナ侵攻を続けるロシア軍の兵士のうち少数民族のチェチェン人とブリャート人が「最も残虐だ」と述べたことが影響しているのは明らかです。

 
 ロシアのチェリャビンスク砂糖工場へ出稼ぎに来ていた7人の外国人が今週の月曜日出勤すると上司に呼ばれ、職場で召集令状を手渡されました。このうち一人はベラルーシ人です。もちろんベラルーシ国籍を持っている人であり、ロシアの国籍も居住権もありません。
 この工場で以前働いていた外国人の多くは徴兵を怖れてすでに帰国したとのことです。
 ベラルーシ人のアレクサンドルさんは自分の召集令状の画像をSNSに上げて、フェイクニュースではないとしています。上司からは
「ベラルーシ人は外国人なので前線に送られることはない。徴兵に逆らえば解雇する。」
と言われたそうです。また上司は、
「ロシア大統領が国内の外国人を徴兵せよという命令を出している。」
とも言ったそうですが、そんな動員令を出してましたっけ?
 アレクサンドルさんの令状には12月1日午前8時に徴兵センターに出向くこととありました。今日の朝、アレクサンドルさんは実際に徴兵されてしまったのでしょうか・・・。
 
 

豊橋市民文化会館「世界の子どもの本」展「おりづるの旅」感想画

2022-12-01 |   おりづるの旅
 ハーモニー絵画教室の生徒さんたちが描いた絵本「おりづるの旅」の感想画、すでに日本へ贈られていますが、この絵本の作者であるうみのしほさんの手元で大切に保管されています。
 12月1日から豊橋市民文化会館で「世界の子どもの本」展が始まりました。
 その中の「おりづるの旅」コーナーで、ベラルーシの子どもたちの感想画も展示されました。
 ベラルーシの子どもたちは平和を愛しているのだと、日本の皆様に感じてほしいです。
 それにしても、子どもの本の世界には国境はないですね。