ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年3月17日。ウクライナ侵攻から387日目

2023-03-17 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年3月17日。

 14日にアメリカの大型ドローンMQリーパーがが黒海に墜落した件で、ロシアは15日、同機の残骸の回収を試みると明らかにしました。アメリカは、ドローンのプロペラがロシアの戦闘機に接触して「飛行不能」になったため、損傷したドローンをわざと墜落させたと発表しました。
 そして今日、ロシア国防省は、ショイグ国防相がアメリカの無人機MQ-9 リーパーが、黒海で墜落する前に追尾していたSu-27戦闘機のパイロットに国家賞を授与したと発表しました。


 トルコは、ロシアとベラルーシの航空会社のボーイングとエアバス機への給油を含むサービスを拒否しました。
 どうしてトルコがこのようなことをするのでしょう。トルコはロシアとウクライナの仲介役を買って出ていたはず。ロシアへの経済制裁の抜け穴にもなっていたトルコ。それなのにロシアとベラルーシへの嫌がらせをするのはなぜなのか。先月トルコで大地震があったときは、ベラルーシの救助隊や軍医が救助活動をしていたのですが。もうロシアとベラルーシから距離を取りたいのでしょうか。


 国際刑事裁判所は今日、ウクライナの子どもの違法連行をめぐる戦争犯罪の疑いで、ロシアのプーチン大統領に逮捕状を出しました。
 ウクライナ大統領府長官はソーシャルメディアへの投稿で、「これは始まりにすぎない。」と指摘。同国の検事総長もICCの決定を歓迎し、「これはウクライナと国際法制度全体にとって歴史的決定だ。」と書き込みました。
 ICCは合わせて、ロシアのマリア・リボワ・ベロワ大統領全権代表(子どもの権利担当)に対しても同様の疑いで逮捕状を出しました。

 ロシア大統領府報道官は記者会見で、同国はICCの管轄権を認めておらず、逮捕状は法的に「無効」だとの見解を示しました。
 ロシア外務省報道官は、
「ロシアは国際刑事裁判所のローマ規程の締約国ではなく、その義務を負わない。ロシアはこの機関に協力していない。」
と自身のテレグラムチャンネルに書きました。


 ロシア大統領とシリア大統領がモスクワで会談し、シリア大統領は改めてロシアによるウクライナ侵攻への支持を表明しました。

 

2023年3月16日。ウクライナ侵攻から386日目

2023-03-16 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年3月16日。

 ベラルーシの国境警備隊は、リトアニア国境との検問所で昨日、他人のパスポートを使用してベラルーシに入国しようとした男を拘束しました。
 この男は、ラトビア人のパスポートを提示しましたが、写真と顔が全く違っていて、すぐに他人のパスポートを使っていると分かったそうです。
 どうしてすぐばれる嘘をつくのか・・・
 取り調べに対し、男は親戚を訪ねるためにラトビアからリトアニア、ベラルーシを経由してロシアに行くつもりだったと話しました。
 ということは、ラトビアからリトアニアに越境するとき、両国の検問所では、パスポートの写真と顔が全く別人なのに、国境を通過させたということになります。それがおかしいとベラルーシ国境警備隊は指摘しています。
 この容疑者の真の目的は別にあると思われます。


 ポーランドのメディアによると、昨日ロシア人とベラルーシ人からなるスパイ6人がポーランド国内で逮捕されました。スパイ活動していたのはは、ウクライナ国境近くのジェシュフ付近で、彼らは隠しカメラで軍事装備を搭載した列車を撮影し、受信した情報をネットワークにリークし、破壊工作の準備をしていたとされています。
 このことが明るみになってからポーランドの鉄道といくつかの重要なインフラ施設に警報が発せられ、治安部隊は厳戒態勢に置かれました。
 ジェシェフには、西側の武器と弾薬をウクライナに移送するためのハブ空港であるジェシュフ空港や鉄道があります。
 ベラルーシ当局はポーランドでベラルーシ人3人がスパイ容疑で拘留されたことを事実だと確認しましたが、スパイ活動などとは無関係だと主張しています。


 ロシアのロストフナドヌーにある連邦保安局(FSB)国境警備隊の庁舎敷地内で今日、爆発を伴う火災が発生し、1人が死亡、2人が負傷しました。弾薬庫が爆発したとの情報がありますが、こんな町中の庁舎の中に弾薬庫があるの?と疑問に感じました。
 現地メディアによると、電気系統のトラブルが原因の可能性があるそうですが、よくある火災発生の原因の一つですね。


 1420チャンネルが新しくベラルーシでのインタビュー動画をアップしました。
 今回の質問は「ロシアと西側、仲良くしたいのは、どちらですか? ベラルーシ人にきいてみた。」
 ベラルーシ人の今の心境がとてもよく理解できます。
 リンク先はこちら。 


 モルドバ議会は今日、公用語の名称を従来のモルドバ語からルーマニア語に変更する法案を政権与党などの賛成多数で可決しました。
 混乱は起きないのでしょうか。国民はどう思っているのか?

壺井栄ロシア語訳作品集をバラノヴィチの図書館に寄贈しました

2023-03-16 |   壺井栄
 壺井栄ロシア語訳作品集「二十四の瞳」をベラルーシ各地の図書館に寄贈し回っています。
 3月16日には、バラノヴィチ市立中央図書館に寄贈するため訪問しました。
 この図書館には外国語文学室があり、英語が得意な司書が担当しています。
 贈呈式には国立バラノヴィチ大学の学生さんや、図書館関係者が訪れ、真剣に壺井栄文学の紹介を聞いてくださいました。
 司書の方は、新しい外国文学の新刊書が来た、しかも書店では販売していない稀少本だとまで表現して、喜んでいました。こちらも翻訳した甲斐があった、寄贈した意味があったと本当に嬉しかったです。

 贈呈式の様子はバラノヴィチ中央図書館のサイトで見ることができます。リンク先はこちらです。ベラルーシ語ですが画像が見られます。

 バラノヴィチの地元の新聞「ナーシ・クライ」2023年3月17日付の記事です。(ベラルーシ語)

 司書さんが撮影してくれた画像はまとめてこちらで見られます。
 

 司書の方々は、「世界に不協和音が多い時代こそ、文化活動を熱心にするべきと思って仕事をしている。」と話していましたが、同感です。
 また「二十四の瞳」のあらすじをお話しした後に「教育が大事。これで人生が変わる。」と司書の方が話すとバラノヴィチ大学の学生さんや先生がうなずいていました。会場には女性が多かったです。
 
 「二十四の瞳」の物語は12人の子どもとその先生の人生の話ですが、その過半数が女性という設定にしてあるのが、つまり女性の運命についてよりいろいろと作者は書きたいと思っていたということです。
 物語の最後では、12人の子どもたちが25歳になっており、それぞれの人生が描写されているのですが、自らの力(学力)で、希望する職業に就けたのは2人(と大石先生)だけで、この2人がなった職業が、助産師と学校教師というところに作者の意図するところが表現されていると思います。

 バラノヴィチ図書館で出会った大学生の皆さんや司書の方々、その子ども世代の人たちはこれからどんな人生を送るだろうかと思いました。
 よりよい人生を送ることができるようによりよい社会になってほしいと思いました。
 壺井栄も社会がよくなってほしいと、啓発するつもりもあって作品を書いていたと思います・・・と出席者の方々には話しておきました。

2023年3月15日。ウクライナ侵攻から385日目

2023-03-15 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年3月15日。
 今日はベラルーシは憲法記念日です。しかし祝祭日ではなく、平常通りみんな仕事をしています。
 ミンスクは今朝、とても蒸し暑く、その後みぞれが降り続けています。雪がだいぶ溶けてあちこちに水溜りができています。

 ベラルーシ大統領のイラン訪問ですが、テヘランでイランの最高指導者ハメネイ師、ライシ大統領と相次ぎ会談し、貿易、農業、文化などの包括協力文書を交わしました。テヘランへの直行便も再開することが決定しました。ロシアがベラルーシを通じ、イランに一段の軍事協力を求めたのではないかという推測もありますが、どうでしょうか。
 ともかく話し合いは大事ですよ。

 ロシア国防省は今日、ロシア国防相がアメリカ国防長官と電話で会談したと発表しました。アメリカ側からの提案で行ったものだとしていますが、詳細は明らかにされていません。
 14日の黒海上空を飛行していたアメリカ空軍の偵察用の無人機にロシア軍の戦闘機が妨害を行ったうえ衝突し、無人機が制御できなくなり海上に墜落させたとい問題を巡っての話し合いだったようです。双方の意見が食い違っていますが。

 ベラルーシ国境警備隊がウクライナとの国境地帯に掲げた屋外宣伝ですが、そのうち一つをベラルーシ側が撤去したとウクライナ側がSNS上で伝えています。

 14日から15日にかけて、ミンスクのオクチャブリスカヤ地下鉄駅で、緊急事態省とミンスク地下鉄の合同演習が行われました。
 非常事態が起こったことを想定した訓練です。
 地下鉄車両のうち2両に激しい煙を伴う火災が発生し、負傷者や意識不明の重態者も出たという想定です。1000人の乗客の誘導避難ができるかどうかなどを訓練しました。
 真夜中過ぎ、ミンスク中心部の十月広場に20台以上の消防車と救急車と100人以上の救助隊が到着し、シュミレーションに従って救援活動の訓練を実施。
 その結果、短時間でこのような事態に対処、避難誘導できることが分かりました。地下鉄テロが起きても大丈夫ですね。
 これからベラルーシの各地でテロを想定した避難訓練が数多く実施されそうです。

 

2023年3月14日。ウクライナ侵攻から384日目

2023-03-14 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年3月14日。
 気温が10度に上り、雪がどんどん溶けてきました。

 アメリカ軍によりますと、今日に黒海上空の国際空域を飛行していたアメリカ軍の無人偵察機「MQ9」にロシア軍の「Su27」戦闘機2機が接近し、このうちの1機が「MQ9」のプロペラに衝突しました。
 そして「MQ9」は、墜落。米露間の新たな摩擦の種にならないければいいのですが。
 これに対して、ロシア国防省は「ロシアの戦闘機は無人機と接触していない」と主張し、衝突はなかったと否定しました。


 ウクライナ産の穀物を黒海を通じて安全に輸出するための合意について、期限が4日後に迫るなか、ロシアの高官が延長に応じる姿勢を示しました。ただし、期間はこれまでの120日間の半分となる「60日間だ」として「その後はロシアの農産物輸出の正常化が進展するかによる」と付け加えました。


 ロシア大統領は今日、ロシア極東のブリヤート共和国を訪れ、ヘリコプターなどを製造する工場を視察しました。
 そして工場の従業員たちを前に、ウクライナへの軍事侵攻について「これは単なる地政学的な戦いではなく、国家の存続をかけた戦いだ。敵は、われわれを侮辱し、分裂させようとしてきた。国の発展や子どもたちの将来をかけた戦いとなっている」と述べ、国民に危機感を訴えて軍事侵攻を続ける姿勢を改めて強調しました。
 また、「敵はわれわれの経済が崩壊することを期待していたが、そうはならなかった。ロシアの基盤は彼らが考えているより強固だったということだ」と述べました。
 ロシア国防相も今日、モスクワ州の精密誘導ミサイルを製造する工場を視察しました。
 このなかで、「課題はただ1つ、製造を増やすことだ。倍増するということだ」と述べました。


 ウクライナ政府は、11世紀に建立されたキーウ洞窟大修道院の修道士らに対し、ロシアとのつながりを理由に立ち退きを求めています。
 パブロ・レビッド修道院長は、「立ち退く意思はない」と宣言していますが、今日、多数の車両が修道院から出て行くのを目撃されました。
 修道士の一人は「不足の事態」に備えてかさばる物を移動させたと説明しました。
「聖職者の多くはここ以外に行く当てがない。ここは私たちの家だ。今回の決定は晴天のへきれきだった。」
 キーウ洞窟大修道院は、最近までロシア正教会の影響下にあったウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)の修道士らが住んでいます。
 ウクライナ正教会は、ロシア正教会の最高指導者キリル総主教がウクライナ侵攻を支持したことを受け、ロシア正教会とのつながりを絶つと発表した。
 しかし、キーウ洞窟大修道院など複数の宗教施設は昨年、ロシアとの関係を疑われ、ウクライナ保安当局から家宅捜索を受けました。
 今月10日には、ウクライナ文化情報相が、キーウ洞窟大修道院の一部を無償で貸し出すことを定めたウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)との契約の終了を発表しました。複数のメディアが期日は3月29日だと報じています。
 キリル総主教は11日、ローマ教皇や英国教会の最高位聖職者ウェルビー・カンタベリー大主教、グテレス国連事務総長らに書簡を送付。ウクライナ政府が、ロシア正教会の傘下にあるウクライナ正教会の一派に加えている弾圧をやめさせるよう訴えています。
 ウクライナは独自の正教会を設立しており、1月にはキーウ洞窟大修道院でクリスマス礼拝を行いました。モスクワ総主教庁は、この新たな正教会を認めていません。


 今日はベラルーシは特に大きなニュースはありませんでした。 
 代わりに私の職場(?)ニュース。
 上司が真顔でこんなことをきいてきました。
「今の日本の若者は、1945年に広島に原爆を落としたのはロシアだと思っているって本当?」
 この上司の夫がロシアのテレビ番組を見ていたら、「若い年齢層の日本人は、アメリカが広島に原爆を落としたこと知らない。ロシアが落としたと思っている。」と言っていたので、びっくりして妻(私の上司)に
「え、これって本当かな? そういや、君の職場に日本人が働いていたよね。本当かどうか聞いておいて。」
と頼まれた・・・そうです。
 私が、「いや、広島に原爆を落としたのはアメリカですよ。」と答えると、それはあなたの感想・・・じゃなくて、回答でしょ、と上司に言われ、さらに「今の日本の若者はロシアだと思っているのは本当なのかどうか」を聞いてくるのです。
「歴史や地理の勉強がすごく苦手で、アメリカとロシアを勘違いしている日本人もいるかもしれませんけど、そういう人は少数派ですよ。」
と答えると、日本の若者の多くがロシアが原爆を落としたと思っており、それはつまりわざと日本国が正しくない情報を広めていて、ロシアを悪者にしようとしている効果が出ているのではないか・・・とその番組から、この上司夫妻は感じたようなのです。
 私から言わせれば、この二人のほうがロシアのテレビの言うことを信じすぎているように思うのですが、
「いや、そんなことないでしょう。日本政府が若者に向かって、広島に原爆を落としたのはロシアだと刷り込んでいるわけがない。」
と反論しても、上司は素直に受け取らず、「知り合いの日本人の若い人にきいといて。」と言ってきました。
 ユーチューバー1420さんみたいに、私も日本で街頭インタビューしましょうか。(^_^;)
 というか「広島に原爆を落とした国はロシアですか?」などと日本の若い人に質問したら、私のほうが頭がおかしい人扱いされますよ。
 ともかく、ロシアとベラルーシで「日本の若者はロシアが広島に原爆を落としたと信じているらしい」と思っている人が今増えているのかと思うと・・・。
 このブログを読んだ日本の若い方々へ。もしロシア人やベラルーシ人の友人がいましたら、「日本人の若者はそんなに馬鹿ではない。」と話しておいてください。お願いします。
  

2023年3月13日。ウクライナ侵攻から383日目

2023-03-13 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年3月13日。

 ベラルーシ大統領がイランを公式訪問しています。訪問するのは過去17年間で初めてだそうです。少し意外ですね。 交渉のテーマは、二国間関係の発展、貿易、経済協力などで、ロシアのウクライナ侵攻について、ベラルーシとイランは二国間の関係を強化することで合意しました。


 ラトビアとの国境地帯のベラルーシ側で不法移民の凍死体が発見されました。もちろんベラルーシ側は、この移民がラトビアのほうへ越境しようとしたのをベラルーシ側に押し返した、そんなことをしなければ生きていたはずなのに、という論調でニュースにしています。


 モスクワで働いていたユーラシア経済委員会委員長補佐のベラルーシ人男性が、今月10日から所在不明になり、こちらでニュースになっています。


 ロシアの制裁回避の主な物流ルートの一つであるトルコが3月上旬、制裁対象品のロシアとベラルーシ向けトランジット(通過)手続きを停止しました。ロシアの友好国なのに。ロシアへの物流が一部止まることで、今後ロシア国内で値上げや品不足が起きる可能性があります。しかし、結局複数の抜け穴を通して、少しずつ商品は入ってくると思います。物価高も続くと思います。
 
 ベラルーシ当局の公式発表によると、昨年末と比較して、ベラルーシの年間インフレ率は11.7%に達しました。
 最も値上がりしたのは野菜で10.6%のインフレ率。アルコール飲料は4.6%のインフレ率。
 逆に価格が下がった商品もあります。穀物と豆類は1.5%安くなり、香水と化粧品は1.3%安くなりました。


 徴兵年齢の段階的引き上げに関する法案がロシア連邦下院に提出されました。おそらく可決される見通しです。
 徴兵される年齢は今までは18歳からですが、21歳からに変更されます。徴兵の最高年齢も27歳未満から30歳に引き上げられます。
 これで高校を卒業してすぐに徴兵されるということななくなりそうです。
 ちなみにべラルーシでは18歳から27歳未満の間が徴兵対象年齢です。しかし、結婚して子どもがいる人などは免除されます。こうして、早く結婚して早く子どもを持とうと考える人が増え、少子化対策の一つになっています。


 

 
 

ベラルーシ最大の日本の絵本コレクション (5) 蔵書目録

2023-03-12 | 日本文化情報センター
 ミンスク市立中央児童図書館外国語文学室日本語文学コーナー所蔵目録です。

日本文化情報センターから移した絵本 56冊 (ベラルーシ語訳4冊、ロシア語訳52冊)

 日本おはなし名作全集3・かさこじぞう他 大石真:他 村上幸一:他 小学館 1989年(ロシア語訳付)
 ももたろう 西本鶏介 講談社 1983年(ロシア語訳付)
 宗圓さんとてんぐの茶づくり 森林忠義 ひらのりょうこ ふるさとの緑と文化を守る会 1991年(ロシア語訳付)
 ちいさいみちこちゃん なかがわりえこ やまわきゆりこ 福音館書店 1972年(ロシア語訳付)
 のんびりおじいさんとねこ 西内みなみ わかやましずこ 福音館書店 1972年(ロシア語訳付)
 あらいぐまとねずみたち 大友康夫 福音館書店 1974年(ロシア語訳付)
 くずのはやまのきつね 大友康夫・西村繁男 西村繁男 福音館書店 1974年(ロシア語訳付)
 ちいさなたいこ 松岡享子 秋野不矩 福音館書店 1974年(ロシア語訳付)
 おばあさんのいない間に なかのひろたか 福音館書店 1975年(ロシア語訳付)
 くいしんぼうのあおむしくん 槇ひろし 前川欣三 福音館書店 1975年(ロシア語訳付)
 いもうとのにゅういん 筒井頼子 林明子 福音館書店 1983年(ロシア語訳付)
 おつかい さとうわきこ 福音館書店 1993年(ロシア語訳付)
 みんなおそろい 山脇恭 末崎茂樹 偕成社 1995年(ロシア語訳付)
 てんとうむし 内藤貞夫 フレーベル館 1995年(ロシア語訳付)
 ゴリラのパンやさん 白井三香子 渡辺あきお 金の星社 1994年(ベラルーシ語訳付)
 よもぎだんご さとうわきこ 福音館書店 1987年(ロシア語訳付)
 ぴかぴかのウーフ 神崎利子 井上洋介 ポプラ社 1989年(ロシア語訳付)
 さっちゃんのかさ 金森三千雄 鈴木博子 岩崎書店 1988年(ロシア語訳付)
 ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス にしのあきひろ 幻冬舎 2010年(ロシア語訳付)
 オルゴールワールド にしのあきひろ 幻冬舎 2012年(ロシア語訳付)
 つるのおんがえし 松谷みよ子 岩崎ちひろ 偕成社 1966年(ロシア語訳付)
 つるのおんがえし 平田昭吾:脚色 大野豊 ブティック社 2003年(ロシア語訳付)
 サンゴのおうち 野村辰寿 ダイヤモンド社 2008年(ロシア語訳付)
 きんぎょがにげた 五味太郎 福音館書店 1977年(ロシア語訳付)
 わたしのワンピース にしまきかやこ こぐま社 1969年(ロシア語訳付)
 はらぺこあおむし エリック・カール もりひさし:訳 偕成社 1976年(ロシア語訳付)
 ジオジオのかんむり 岸田衿子 中谷千代子 福音館書店 1960年(ベラルーシ語訳付)
 おばあさんのすぷーん 神沢利子 富山妙子 福音館書店 1969年(ロシア語訳付)
 ぼくはちいさなしろいふね 南元樹 至光社 1995年(ロシア語訳付)
 うさぎのぴこぴこ 山崎陽子 いもとようこ 至光社 1992年(ロシア語訳付)
 にゃおにゃお たいへんだ 間所ひさこ 夏目尚吾 ひかりのくに 1984年(ロシア語訳付)
 おひめさまとアイスクリーム 大石真 山辺進 チャイルド 1995年(ロシア語訳付)
 ともだちホテル 左近蘭子 ふじしま青年 フレーベル館 1997年(ベラルーシ語訳付)
 よるにきこえるおと おかべりか 大島妙子 フレーベル館 1998年(ロシア語訳付)
 30かいだての30ぴき きりんあん 杉田比呂美 フレーベル館 1998年(ロシア語訳付)
 とん こと とん 武鹿悦子 未崎茂樹 フレーベル館 1999年(ロシア語訳付)
 ゆかいなさんぽ 土方久功 福音館書店 1965年(ロシア語訳付)
 はじめてのゆき なかがわえりこ なかがわそうや 福音館書店 1970年(ロシア語訳付)
 ぼくのはね きたむらえり 福音館書店 1974年(ロシア語訳付)
 はっぱのおうち 征矢清 林明子 福音館書店 1985年(ロシア語訳付)
 てがみをだしに 荒川薫 松生歩 福音館書店 1987年(ロシア語訳付)
 ねずみのおよめさん 小野かおる:再話・画 福音館書店 1988年(ベラルーシ語訳付)
 ぼくのたからものどこですか 角野栄子 垂石眞子 福音館書店 1988年(ロシア語訳付)
 チョイのちいさなかご あきやまじゅんこ 福音館書店 1989年(ロシア語訳付)
 サンタさんからきたてがみ たんのゆきこ 垂石眞子 福音館書店 1989年(ロシア語訳付)
 ぼくはぞうのはなきち 征矢清 中谷千代子 福音館書店 1989年(ロシア語訳付)
 きょうりゅう一ぴきください 竹下文子 高畑純 偕成社 1994年(ロシア語訳付)
 トラベッド 角野栄子 スズキコージ 福音館書店 1994年(ロシア語訳付)
 くらべてみよう 小学館 1988年(ロシア語訳付)
 とんとんとむーむー 村山桂子 さとうわきこ チャイルド 1980年(ロシア語訳付)
 しろいおくりもの 立原えりか 永田萌 講談社 1985年(ロシア語訳付)
 のろまなローラー 小出正吾 山本忠敬 福音館書店 1965年(ロシア語訳付)
 すきなのだあれ? よねやまえいいち 創育 1989年(ロシア語訳付)
 オバケのQ太郎のできるかな しつけ 小学館 1985年(ロシア語訳付)
 でんしゃごっこ たのしいね! 有賀忍 講談社 1989年(ロシア語訳付)
 コッコさんおはよう かたやまけん 福音館書店 1986年(ロシア語訳付)

チロ基金から寄贈した絵本1冊
 Сказка про ката, который жил миллион раз(100万回生きたねこ),Йоко Сано(佐野洋子), Коваль Ю.:пер., Москва, Детгиз, 2011

 上記計57冊にカスチョールの会が翻訳した18冊を加えた合計75冊が絵本コレクションになります。

 絵本コレクションの他にもガイドブックや日本語教科書が日本語文学コーナーに収められています。

日本文化情報センター所蔵から移したガイドブック 3冊
 日本旅行事情 日本語ジャーナル編集部 アルク 1996年(日本語・英語併記)
 Explore Japan, MOFA, 2007(英語版)
 Your guide to Japan, JNTO, 2016 (英語版)

日本文化情報センター所蔵から移した日本語教科書 4冊
 Учебник японского языка: Курс для начинающих. Книга 1(日本語教科書1 ゴロヴニン監修)/ ред. Головнин И. Живой язык, 2003
 Учебник японского языка: Курс для начинающих. Книга 2(日本語教科書2 ゴロヴニン監修)/ ред. Головнин И. Живой язык, 2003
 Учебник японского языка: Курс для начинающих. Книга 3(日本語教科書3 ゴロヴニン監修)/ ред. Головнин И. Живой язык, 2003
 Учебник японского языка: Курс для начинающих. Книга 4(日本語教科書4 ゴロヴニン監修)/ ред. Головнин И. Живой язык, 2003

日本文化情報センター所蔵から移した子ども向け日本語ビジュアル辞典 1冊
 Детский японско-русский визуальный словарь, ACT, 2019


ミンスク市立中央図書館所蔵辞書 2種類 3冊
 和露漢字小辞典 Японско-русский словарь иероглифов, Москва, Русский язык медиа, 2007
 和露小辞典 Японско-русский словарь, Москва, Цитадель, 1996, 2 экз. 2部


 以上、2023年3月の時点で、合計86冊が日本語文学コーナーに所蔵されています。
 末永くベラルーシ人に読んでほしいですね。
 また、この目録や画像を見て、「あ、私が寄贈した絵本がある。」と気づく寄贈者様もいるかもしれません。ご寄贈してくださったこと、心から深く感謝しております。ベラルーシ人の子どもにきっと役立つと信じています。

(画像に写っているイラストですが、これは外国語文学室担当司書さんが印刷してくれたキャッチです。ベラルーシ人司書さんのセンスがこういうところで分かりますね。「日本の魅力」とロシア語で書いてあります。コーナー名はベラルーシ語表記なんですが。ちなみに日本語文学コーナーの隣はドイツ語文学コーナーです。)

ベラルーシ最大の日本の絵本コレクション (4)

2023-03-12 | 日本文化情報センター
 ベラルーシ最大の日本の絵本コレクション(3)からの続きです。

 この画像も1997年の絵本贈呈式で撮影したものです。
 ミンスク市立中央児童図書館も内装が変わって今は見違えるほどきれいですよ。
 雑誌「カスチョール第13号」の記事「ロシアの子ども達に日本の絵本を送る」によると、1996年に60冊寄贈したロシア国立児童図書館でも寄贈式が行われて、カスチョールの会のメンバーも出席したのですが、出席したのは30名。ウクライナ国立図書館では寄贈はしたけど贈呈式は行われたなかったようです。
 それに比べて21冊しか寄贈していないベラルーシではこんなに熱烈歓迎、感謝感激雨あられの反応だったことを報告したら、カスチョールの会のメンバーは「予算の都合でベラルーシには20冊しか送れなくて残念でした。」とカスチョール第13号に書いています。
 ベラルーシ人がこんなに日本の絵本に大喜びするとは思ってなかったのでしょう。ベラルーシには第2弾の絵本寄贈の準備をしています、とカスチョール第14号で編集部が記しているのですが、結局、翻訳絵本ミンスク向け第2弾なるものは届いていません。

 でもいいんです。
 日本の絵本をロシア語とベラルーシ語に翻訳して、学校や図書館に寄贈するという活動はチロ基金が始めましたから。
 カスチョールの会が翻訳した絵本を参考にして、日本語を勉強しているベラルーシ人が訳して、翻訳文を貼り付けるという方法、しかも必ず原文も読めるように工夫しました。
 ちなみにチロ基金はロシア語あるいはベラルーシ語に翻訳した日本の絵本を、1998年にミンスク市立210番学校(チェルノブイリ被災者が数多く移住した地域にある学校)に20冊(ベラルーシ語訳14冊、ロシア語訳5冊)、1999年に結核診療所学校に16冊(ベラルーシ語訳6冊、ロシア語訳10冊)を寄贈しています。
 その後、翻訳した絵本92冊は日本文化情報センターで所蔵していましたが、今回ミンスク市立中央児童図書館内に日本文学コーナーが開設されることになったため、そのうち56冊を日本の絵本コレクションに移しました。

 その結果、カスチョールの会が翻訳した19冊と日本文化情報センターの活動で翻訳した合計56冊、そしてチロ基金が購入したロシア出版社の1冊の合計76冊が絵本コレクションとなりました。
 移さなかった日本文化情報センター所蔵の絵本のうち10冊はミンスク市内のニコライ教会日曜学校図書コーナーに貸出中です。

 このブログ記事を書くためにカスチョール第14号を読み返していたら、編集後記に三浦みどりさんが石井桃子著「ノンちゃん雲に乗る」をロシア語に訳して自費出版したということが書かれていましたが、この本もチロ基金が120冊購入して、ベラルーシ各地の図書館に寄贈するという活動「ノンちゃんをベラルーシの子どもたちの手に」を1998年から2002年にかけて行いました。
 振り返ると私のベラルーシ人生の大部分で、翻訳する(ベラルーシ人に翻訳させる)、出版する、配る・・・とこればかりずっと続けていますね。
 その出発点はやはり、1997年のカスチョールの会から頼まれてミンスク市立中央児童図書館に寄贈した21冊だったなあ、と改めて感慨深く感じました。

 
 ベラルーシ最大の日本の絵本コレクション(5)蔵書目録へ続きます。 


 

ベラルーシ最大の日本の絵本コレクション (3)

2023-03-12 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 ベラルーシ最大の日本の絵本コレクション(2)からの続きです。
 
 1997年にカスチョールの会からミンスク市立中央児童図書館に絵本が寄贈されたときのことです。
 本来はカスチョールの会のメンバーの誰かが、ミンスクの贈呈式に出席して、手渡さないといけなかったのに、その代わりに私が頼まれて出席して間違いなく寄贈しました。
 (私は代わりに贈呈しただけで、翻訳は担当していません。勘違いする人もいるので念の為書いておきます。)

 贈呈式についての報告文と事前に知り合いの子どもに絵本を読んでもらった感想のアンケート結果を私が執筆し、記事はカスチョールの会発行の雑誌「カスチョール第14号」(1997年10月1日発行)に掲載されました。
 「日本の絵本をベラルーシの子どもが囲んだ」というタイトルですが、今になって自分が書いた内容を読み返すと・・・
 1997年2月7日に同館では「絵本を通して知る日本文化の日」と銘打った贈呈式が企画され、朝からラジオ局が「今日、中央児童図書館で日本の絵本の贈呈式が行われます。」とニュースになり、会場には150人の児童が参加。民族衣装を来た一団が私(と絵本)を出迎え、保護者、学校教員、図書館司書、画家、日本語を勉強している大学生、チェルノブイリ関係のボランティア、日本人留学生や日本語教師などが詰めかけ、ベラルーシ人の空手の師範とお弟子さんが、型の模範演技を見せ、マスコミ3社なども取材にやってきて、200人がぎゅう詰めになるという賑やかさでした。

 贈呈式については、現地の新聞「Книга и мы(本と私たち)」紙上でニュース記事(1997年2月14日付)になりました。しかし、この新聞は現在発行されておらず、ネット記事もなかった時代なので、現在ネット上で読むことができません。

 記念撮影した写真も、当時はもちろん紙焼きだったので、今回スキャンして永遠保存版にすることにしました。このブログ上でも公開します。(懐かしい・・・) 
 いやあ、私も若かかったですね。ここに写っている子どもたちも今は全員大人ですよね。
この頃は日本文化情報センターもできていなくて、26年後に中央児童図書館に日本文化情報センターが移転してくるなんて、夢にも思わなかったです。

 ベラルーシ最大の日本の絵本コレクション(4)に続きます。

ベラルーシ最大の日本の絵本コレクション (2)

2023-03-12 | 日本文化情報センター
 ベラルーシ最大の日本の絵本コレクション(1)からの続きです。
 ここでは1997年にカスチョールの会が寄贈した絵本について書きます。

 このころ、カスチョールの会がロシア、ウクライナ、ベラルーシに日本の絵本をロシア語に翻訳して寄贈するという活動を行っていました。
 同会が発行している雑誌「カスチョール第13号」(1997年4月1日発行)の記事「ロシアの子ども達に日本の絵本を送る」によると、1995年から絵本を購入、30人の有志が翻訳作業を担当し(私は翻訳者の1人ではありません。勘違いする人が出てくるかもしれませんので念の為書いておきます。)1年で約50種類の絵本に翻訳文を紙に印刷して、原文の文章のそばに貼り付けるという方法で、ロシア語訳絵本を完成させました。
 他にも文章のない絵本など翻訳をつけていない絵本など約180冊がモスクワのロシア国立児童図書館に50冊、キーウのウクライナ国立児童図書館に50冊、そして予算の関係でミンスクには20冊が贈呈されることになりました。
 この絵本を受け取ってミンスク市立中央児童図書館に持っていく役が私だったのです。

 ミンスクには厳密には21冊寄贈されたのですが、そのうちの追加の1冊は漫画の「はだしのゲン」でロシア語版(モスクワのЯпония Сегодня社出版。田邉美奈子訳)で、絵本ではありません。
 そして2023年、日本文学コーナーがミンスク市立中央児童図書館3階に開設されたため、このカスチョールから寄贈された絵本もこのコーナー所蔵の絵本コレクションに含まれることになりました。
 文献目録は以下のとおりです。

ミンスク市立中央児童図書館外国語文学室日本文学コーナー絵本コレクションのうち、カスチョールの会が翻訳した18冊のリスト

あさえとちいさいいもうと 福音館書店
絵で見る日本の歴史 福音館書店
かさじぞう 福音館書店
かばくん 福音館書店
ぐりとぐら 福音館書店
ぐりとぐらのかいすいよく 福音館書店
しょうぼうじどうしゃじぷた 福音館書店
せんたくかあちゃん 福音館書店
ぞうくんのさんぽ 福音館書店
だいくとおにろく 福音館書店
てんのくぎをうちにいったはりっこ 福音館書店
とんことり 福音館書店
にっぽんちず絵本 戸田デザイン研究室
はじめてのおつかい 福音館書店
ふしぎなえ 福音館書店
ふしぎなたけのこ 福音館書店
みんなのかお 福音館書店
もこもこもこ 文研出版

 寄贈されてから26年が過ぎ、3冊は紛失あるいは廃棄されていましたが、残った18冊の保存状態はよいほうだと思います。ベラルーシ人は物を大切にするというのがよく分かりましたよ。
 でもさすがに、翻訳文の紙が剥がれて紛失していた本もあったので、(日本語のわからないベラルーシ人司書さんは修復できないため)私と日本語教室の生徒複数名で手分けして、紛失した翻訳文を翻訳し直し、紙に印刷して貼り直しておきました。
 年月がこれだけ過ぎたので、表紙のタイトルも取れてしまっている本もありましたが、スペルミスなども修正して、シール印刷して私が貼り付けておきました。今後も定期的にチェックして、修繕作業を私が担当します。
 これでまた20年は読みつがれることでしょう。
 ちなみに紛失あるいは廃棄された3冊は「100万回生きたねこ」(講談社)、「へんしんへんしん」(福音館書店)、漫画「はだしのゲン」です。
 残念に感じますが、つまりベラルーシ人の間で人気があった絵本という証明だとも言えます。
「100万回生きたねこ」は2011年にモスクワの出版社がロシア語版を出版したものをチロ基金が購入して、この絵本コレクションに加えましたので、再びロシア語で読めるようになりました。

(キーウの図書館に1997年にカスチョールの会から寄贈された絵本はロシア語訳であって、ウクライナ語に訳されていないからという理由で、今でも保存されていても廃棄処分になるのでしょうか。)

 画像はカスチョールの会が翻訳して、今回のミンスク市立児童図書館内の日本絵本コレクションに収められている絵本です。

 ベラルーシ最大の日本の絵本コレクション(3)に続く。



 

ベラルーシ最大の日本の絵本コレクション (1)

2023-03-12 | 日本文化情報センター
 ミンスク市立中央児童図書館の外国語文学コーナーに日本文学コーナーが開設されました。
 中でも絵本のコレクション数はベラルーシ国内最大の76冊です。

 このうち56冊は日本文化情報センター日本語教室生徒らがロシア語(53冊)とベラルーシ語(3冊)に翻訳したものです。また1冊はロシアの出版社が翻訳・出版したものをチロ基金が購入したもの。
 さらに18冊は1997年にカスチョールの会がロシア語に翻訳したものです。
 
 絵本のほか、日本旅行ガイドブック(英語版)3冊、日本語教科書4冊を日本文化情報センターから提供しました。
 また和露辞典、和露漢字小辞典計3冊はミンスク市立中央児童図書館所蔵の文献です。
 さらに、子ども向けビジュアル和露辞典はチロ基金が購入し寄贈しました。
 文献目録はこちらです。

 ベラルーシ最大の日本の絵本コレクション(2)へ続く



 

2023年3月12日。ウクライナ侵攻から382日目

2023-03-12 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年3月12日。

 ウクライナ国境警備隊が、ベラルーシとの国境地帯にロシア兵士のダミー人形を設置し、ワレーラという名前をつけました。ただ、この人形は絞首刑にされているようにぶら下げられているそうです。

 対抗するかのようにベラルーシ当局は、ウクライナとの国境にあるいくつかの検問所に、わざとウクライナ語で書いた屋外広告を設置しました。
「我々(ベラルーシ人)はウクライナが真の占領者が誰なのか知る手助けをする」と書いてあり、さらに虫眼鏡のイラストがあり、その中にアメリカ国旗が描かれています。


 ウクライナ大統領は10日、ロシアの呼称を「モスコビア」に変更するかどうかの検討をシュミハリ首相に命じました。検討着手に必要な規定の2万5000人分の署名が集まったことを受けての検討です。しかし、実際に変更されてもこの呼称を使用するのはウクライナ領内、そしてウクライナ人だけだと思われます。
 日本もロシアからモスコビアに変更する必要はありません。
 そして、今日、ロシア外務省報道官は、このウクライナ大統領の指示について、批判しています。当然ですね。


 モルドバで今日、エネルギー価格の高騰に抗議する野党支持者ら数千人がデモを行い、親欧米のサンドゥ政権の退陣などを求めました。
 モルドバの首都キシナウで行われた抗議デモは親ロシア派野党の呼びかけのもと数千人が参加し、3か月分のガス代や電気代を政府が負担するよう要求しました。
 デモ参加者らは親欧米のサンドゥ政権の退陣などを求めていて、一部が警官隊と衝突し、これまでに50人以上が刃物などを所持していたとして拘束されています。
 サンドゥ大統領は先月、ロシアがモルドバの政権転覆を企てていると公表。今回の抗議デモについて、モルドバ当局は「ロシアの情報機関がデモを通じ、不安定化を図っている」と警戒しています。

2023年3月11日。ウクライナ侵攻から381日目

2023-03-11 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年3月11日。
 東日本大震災から12年目ですね。今日は日本語教室の授業があったので、3月11日という日付が持つ意味を生徒に話しました。
 ベラルーシには地震も津波もないので、やはり実感が伴わないというのが本音ですが、逆に福島第一原発事故のほうがすぐに頭の中に浮かぶようで、今はあの原発はどうなっているんですか? という質問が出ました。福島第一原発で事故が起きたのは3月11日ではなく、12日ですよと念の為話すと、驚いているベラルーシ人が多かったです。

 
 ポーランドはベラルーシからの不法入国を防ぐため、国境沿いにフェンスを設置し続けているのですが、これについてベラルーシ外務省は、ヨーロッパバイソンの自由な移動が妨げられ、遺伝子プールが脅かされると主張しています。
 ポーランド外務省はベラルーシ側の主張を否定。環境保護問題を欧州への攻撃材料に利用していると指摘しています。
 ヨーロッパバイソンは1920年代までに激減し、ベラルーシ国内では最も個多数が減ったときが300頭。その後、繁殖が進められて、世界遺産のビャウォヴィエジャの森の昨年の生息数について、ベラルーシは約1万4000頭としています。
 国際自然保護連合(IUCN)は、もはや絶滅の脅威はないとしています。よかった。
 国境沿いには以前からフェンスが設けられていて、ヨーロッパバイソンの自由な移動はできなかったはずです。
 保護に関する姿勢も、ベラルーシ側は動物園などの飼育場所で餌付けもして繁殖を促し、絶滅危惧種からの脱却を目指していて、結局「人工的」に管理しています。
 逆にポーランドはできるだけ自然に任せるという方法で、野生に戻しています。ポーランドで森に放っているヨーロッパバイソンが、ベラルーシ領内に移動しないと絶対いけないものでもないし、そもそもそういう状態ではなかったはずです。
 バイソンのためにならない、というのは名目上で、本来の理由が別になるのでしょう。


 次は非常に残念なニュースです。
 モスクワの全ロシア国立外国文献図書館内で2009年から活動してきた日本の国際交流基金文化事業部が、退去することを決定しました。
 この図書館には、チロ基金がミンスクで翻訳・出版した新美南吉ロシア語訳童話集「ごんぎつね」も寄贈したのですが・・・。
 日本の書籍や日本語学習用の教材がある図書閲覧室の一般利用は今日をもって停止したそうです。ロシア最大の日本語書籍が集まっている貴重な場所だったのに。
 ただ、蔵書は今後も在ロシア日本大使館で閲覧できるよう準備を進めるそうで、ああ、よかったと思いましたが、蔵書数が16000点ですよ。
 これを全部、日本大使館内で収蔵、管理していくのは大変だと思います。

 文化事業部自体は維持し、日本語講座などの活動も継続する見通しだそうです。(今日は公式サイトで、借りている本を今月末までに返却するよう呼びかけています。)
 こちらも大変だと思います。こんな状況で、日本語能力試験をモスクワで実施してくれるのでしょうか? この試験の主催は国際交流基金ですよ。一応、モスクワでは実施する予定だと国際交流基金のサイトには掲載されています。しかし、今日、私が生徒に聞いた情報では、サンクトペテルブルグの日本語能力試験実施は、公式サイトでは予定されている、と表示されているものの、現地の実行委員会は中止をすでに決めており、近日中に公表する予定で、現地で日本語を勉強しているロシア人は周知の事実なのだそうです。

 ちなみに今年のミンスクでの試験実施は、中止どころか、予定すら立てられていませんでした。そのため、弊教室の生徒のうち、5人ほどがモスクワへ越境受験しようと、列車のチケットの値段を調べたりしていたのですが、モスクワの試験実行委員会の公式サイトは、1月は閲覧できて「受験申し込みの詳細は3月に公開します」と表示されていたのに、先月突然このサイトは全く閲覧できなくなってしまいました。
 もう3月の3分の1が過ぎたのに、モスクワ会場の申込の詳細が公表されていません。
 今日も授業では生徒の間であきらめモードになってしまいました。
 まあ、日本人の中には、「侵攻されているウクライナの日本語学習者のほうがよっぽど大変な状況なのに、ロシア人やベラルーシ人には受験機会を与えるのはどうよ? 平和になるまで受験しなくていいでしょ。」と思う人もいるでしょう。
 本当に全て戦争のせいです。前述のモスクワの図書館からの撤退も、サイトで理由ははっきり示されていませんが、結局戦争の影響でしょう。

 ちなみにベラルーシ国内では日本の国際交流基金は図書館事業などはそもそも行っていません。
 勘違いする日本人が出てくるかもしれませんので、念の為に書いておきます。日本文化情報センターは1999年にミンスク市立児童図書館内に開設されましたが、日本の国際交流基金が実施している事業ではなく、ミンスク市立児童図書館(ミンスク市役所さらにその上にはベラルーシ文化省)が管理している一施設です。活動にかかる経費は市役所の予算、そしてチロ基金からの寄付で成り立っています。
 モスクワになる外国語図書館での事業を国際交流基金が縮小する方針ですが、ベラルーシのミンスク市立児童図書館の日本文化情報センターとは全く無関係です。
 とにかく私としては、弊センターの活動(主に、人が通学している日本語教室の授業)を自分なりに続ける他ありません。

2023年3月10日。ウクライナ侵攻から380日目

2023-03-10 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年3月10日。

 先日、ベラルーシで小児性愛者が昨年500人以上特定あるいは逮捕され、この数が急増しているので、加害者に去勢手術をするかしないか法改正を検討しているという記事を投稿しましたが、今日のニュースでは、19歳の大学生女子が高校生(ということは年齢で言うと15歳から17歳の間。ベラルーシでは高校は2年間しかない。まあたベラルーシでは成人年齢は18歳)とネット上で知り合い、数カ月間、性交渉を持ち、学生は女子高生にお金を渡していました。(これは買春では? 強制ではないでしょ?と日本人は思いますよね。)
 さらに新しいスマホをプレゼントしたので、高校生の親が、スマホを買ったお金は一体どこから?と問いただした結果、大学生に買ってもらったことが判明。
 親は警察に通報。成年男性が未成年女性と性交渉を持ったので、「小児性愛者」認定され、逮捕されました。
 この女子高生は、小児性愛者という犯罪者の被害を受けた人という扱いでしょうね。
 
 まだ法律が改正されていませんので、この大学生は去勢手術を受けるわけではないですが、国が定めた性嗜好の矯正プログラムを受けさせられるそうです。
(このプログラムを受けた後もまた再犯をして逮捕された場合、去勢手術・・・というふうに法改正しようかどうか検討中のようです。)

 でも、こういうケースまでカウントしているとなると、ベラルーシで小児性愛者が最近急増している、というのは当然かと思います。
 日本だったら、大学生が2歳年下の女子高生とネットで知り合って、交際を始めたのでプレゼントをあげただけという話になって、逮捕されて小児性愛者認定されるところまで行かないと思うのですが。
 18歳の男子(成人)が17歳の女子(未成年)と大恋愛になっても、女性のほうが18歳の誕生日を迎えるまでは、指一本触れないほうがいいのか、うっかりすると小児性愛者として逮捕されるのかということですね。
 ベラルーシと同じようにカウントしたら、日本はどうなるのか。

 それから、性嗜好の矯正プログラムとはどんなものなのか、効果があるのかどうか、詳しく報道されていないので、よく分かりませんが、内容は「心理カウンセリング」だけではなく、「医療行為」も施され、さらに「器具」を使用する、とニュース記事に書いてありました。
 (性嗜好矯正に使われる器具とは? 私には分かりませんわ・・・。)

 やっぱりベラルーシは日本と比べると刑罰が厳しいと思いますよね。いいのか悪いのか・・・
 昨日は、国家公務員や軍人が国家反逆罪で裁かれる場合、死刑になるという法律が昨日成立されましたしね。
 

 
 

2023年3月9日。ウクライナ侵攻から379日目

2023-03-09 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年3月9日。
 昨日、8日が国際女性デーで祝日だったから、それが終わるまで待っていたという感じで今日は朝から、ウクライナ各地でロシアによる80発以上の大規模なミサイル攻撃があり、少なくとも9人が死亡しました。
 ザポリージャ原発では電力供給が失われたとみられていますが、心配です。


 昨日、紹介したユーチューバーのチャンネル「1420」が、今日、新しい動画を更新しましたが、今回もベラルーシでのインタビューだったので、これもご紹介します。
 今回のインタビューの質問は「ベラルーシは民主主義だと思いますか?」
 答えるのが難しい質問ですが、あえて街頭インタビューをして、動画に編集されています。
 リンク先はこちら。民主主義なの? ベラルーシできく
 質問している1420さんも、答えているベラルーシ人も、コメントを残している日本人にも、全て私は大変興味深く視聴しました。


ベラルーシ大統領は9日、政府当局者や軍関係者が、国家反逆罪を犯した場合に死刑を適用する法律に署名しました。
 これには国家公務員が含まれます。
 同法にはこのほか、テロの「宣伝」や、国軍や準軍事組織などの信用をおとしめる行為、国家機密保護要請の違反について刑事責任を問う規定も盛り込まれています。


 ウクライナ・オリンピック委員会は9日、国内競技団体と会合を開き、同国に侵攻しているロシアと同盟国ベラルーシの選手たちが、侵攻が終わるまで引き続き国際競技会から除外されるようIOCに求める共同声明に署名しました。