ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2023年6月16日。ウクライナ侵攻から479日目

2023-06-16 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月16日。

 ロシアの調査委員会がベラルーシ国内に軍事部門を設立することを明らかにしました。
 この調査委員会って何ですか? 何か学術的なことを調べているの?と思う日本人が多いと思うのですが、これは日本で言うところの警視庁の事件捜査班のことです。
 犯罪を調べているのです。それで、その軍事部門をベラルーシの中にも作るということです。
 ベラルーシ領内に核兵器が配備される予定で(もうすでに少しずつ運び込まれているそうですが。)ロシア軍人もベラルーシの軍事基地に入ってくるわけです。
 当然ロシアの調査委員会軍事部門がベラルーシの中に設置されてもおかしくはありません。
 一方で、ロシアの組織がベラルーシの軍人をチェック(捜査する)ことも可能になっていくのではないでしょうか。
 ベラルーシの大統領が、解釈の仕様によっては独断で核兵器の発射ボタンを打つと発言しています。
 その命令を実行しないように、ロシア調査委員会が阻止しようと考えているのかもしれませんね。


 ウクライナ軍は今日、キーウ上空でロシアのミサイル12発を撃墜したと発表しました。キーウにはこの日、アフリカ諸国首脳らの使節団が到着、和平について会談が行われる予定で、そこへこの攻撃です。アフリカ諸国首脳もロシアに文句を言わないんでしょうか。


 ウクライナ南部ヘルソン州の大半を実効支配するロシア側行政府トップは今日、州内のカホフカ水力発電所のダム決壊による洪水に絡んで、これまでに25人が死亡、17人が行方不明になっていると明らかにしました。死者数には避難中に銃撃で死亡した人などが含まれている可能性があるそうです。


 ロシア大統領は今日、サンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムの全体会合で演説し、ウクライナ侵攻開始後にロシアから撤退した外国企業について、復帰の道を「閉ざさない」と表明しました。
 結局、マクドナルドとかユニクロだとかに戻ってきてほしいんでしょうか。戦争が終わらない限り、戻らないに決まっているのに、わざわざそんなことを言うのは何なのでしょう。
 一方で、自国企業による代替が進んでいるとも述べ、外国企業との競争は恐れないとも発言。だったら、外国企業に戻ってきてもいいとか言わなければいいのに。

 今回の全体会合のパネリストは、ロシア大統領のほかはアルジェリア大統領のみ。プーチン政権としては、中立的な新興・途上国「グローバルサウス」の一角の首脳を取り込むことで、西側諸国に対抗する構えとみられますが、今日アフリカ諸国首脳が訪問するキーウにロシア軍は攻撃を仕掛けているんですよ。

 今回は対露制裁を理由に「非友好国」の記者を排除。ロシア大統領報道官は「西側に真実を伝えようとする姿勢が見られない間は、彼らと話さない」と明言しています。 


 ロシア大統領はロシアの戦術核兵器の第1陣が既にベラルーシ領内に搬入されたとも述べました。
 来月7日以降の計画が前倒しされているという発言をベラルーシ大統領がしていたのを裏付けた形です。
 何となく、前倒しのことをベラルーシ大統領が早々と言ってしまったので、ロシア大統領が急いでそのことについて、本当ですよと言ったような印象を持ちました。

 さらに配備作業は「年内に完了する」としています。まだ半年ありますから十分間に合うでしょう。
 またロシアの存立が脅かされた場合に核使用は「理論上は可能だ」が、必要性はないとも語りました。
 それならベラルーシに核配備したのはなぜ?と言われれば、それは、「ベラルーシ大統領が返してほしい」と頼んできたから、というのがロシア側の言い分です。
 

2023年6月15日。ウクライナ侵攻から478日目

2023-06-15 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月15日。
 ベラルーシは気温が28度とやっと夏が来ました。

 ベラルーシは今日、先月下旬に国境地帯でウクライナのドローンを撃墜したと発表しました。どうして今頃の発表なのでしょう。
 報道によるとゴメリ州ロエフスキー地区の国境警備隊がドローンのエンジン音を聞いたそうです。その後、国境警備隊はウクライナから、ベラルーシ領へドローンが飛行するのを目撃したため、武器を使用してドローンの固定要素を爆発、破壊させたそうです。

 ウクライナのマリウポリ港を通じて、ベラルーシ産の穀物が輸出されました。ウクライナ侵攻後、初めてのことです。
 こうしてベラルーシの穀物が外国へ輸出。輸出先の国で穀物価格高騰で飢餓が起こるかも?と懸念されていた地域にとってはベラルーシは助けになります。
 そしてベラルーシも儲けることができるのでしょう。


 オーストラリア議会は今日、首都キャンベラ中心部の国会議事堂に隣接した土地にロシア政府が大使館を移転するのを阻止する法案を可決しました。


 国際原子力機関事務局長は今日、ロシア軍が占拠するザポリージャ原子力発電所を視察しました。決壊したカホフカ水力発電所のダムから冷却水を取水していましたが、事態は「深刻」としながらも、十分は冷却水は確保できているそうです。
 よかったです。我が家はヨウ素剤の予備を買いました。


 ロシア外務省は今日、カナダ政府がロシア籍の貨物機を押収したとして、モスクワ駐在のカナダ外交官を呼び出し、抗議したと明らかにしました。その上で、両国関係は「断交寸前」にあると警告しました。
 カナダにはウクライナ系移民がたくさんいるし、ロシアと断交してもいいやと思っているかもしれませんね。


 ロシアのベルゴロド州から避難した住民2人が、ロシア兵によって自宅を略奪されたと訴えています。
 住民の一人はSNSへの15日の投稿で同州知事に対し、「(非常事態は導入されておらず、民家に立ち入る権利が無いにもかかわらず)ロシア連邦軍の要員は多くの家に侵入している」「彼らは私たちの家に住み、醜悪な生活を送っている。残されたアルコールなどはゴミや汚物と化した。トイレや家は汚され、所持品や財産が盗まれている」と指摘しました。
「私たちの家は既にウクライナ軍の行動で被害を被っているのに、そのうえ我々を守る軍隊の暴挙の場にはなってほしくない」とも訴えました。
 これに対し、地元自治体のトップは「安全保障会議に訴えを転送した」と返答しています。
 14日には、避難した家族の自宅にロシア兵が住んでいるとのコメントも書き込まれた。「民家2棟が侵入を受けた。戸口はバールで壊され、窓は割られた」そうです。
 自分の国の中で軍が何をしているのでしょうか。

2023年6月14日。ウクライナ侵攻から477日目

2023-06-14 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月14日。

 2020年の大統領選挙の後、私立学校への認可法が変わり、私立学校の多くが閉鎖され、現在ベラルーシでは私立学校はたったの5校になってしまいました。
 内訳はミンスク市内に3校、ミンスク地区に2校だけです。首都から離れた地方都市はゼロ。
 この5校の生徒総数は約1000人。1校につき平均200人の生徒ということです。
 ちなみに公立の学校は2900校で生徒総数は108万5500人です。
 ベラルーシの学校教育システムにおける私立学校の割合は0.1%です。

 今日、ベラルーシ大統領は、ベラルーシ大学1年生の三男が、ベラルーシではなく北京大学で勉強していると明かしました。
 短期の留学なのか、中途入学なのかよく分かりません。ベラルーシ大学に戻るつもりなのか、もう退学したのかも分かりません。
 何となく、中国のほうが前線から遠く安全なので、疎開させているような気がします。

 ロシア軍は6月14日未明、ウクライナ南部の港湾都市オデーサを黒海の艦艇から4基の巡航ミサイル「クラブ」で攻撃。そのうちの3基はウクライナ軍防空部隊が要撃しましたが、市民3人が死亡、13人が負傷しました。
 この攻撃で複数の家屋と倉庫1棟、商店やカフェなど複数の施設も被害を受けました。
 

2023年6月13日。ウクライナ侵攻から476日目

2023-06-13 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月13日。

 ベラルーシ大統領は今日、来月初めにベラルーシ領内に配備されるロシアの戦術核兵器を巡り「われわれに対する攻撃があれば、使用の決断をためらうことはない」と述べました。
 NATOに対して牽制しているということですが、ベラルーシ内の核兵器配備に関する文書調印時に「管理や使用の権限は今後もロシア側にある」と決めてあるのですが。

 ちなみにベラルーシ大統領によると、領内の核兵器配備は、ロシアから強制・威嚇されたのではなく、ソ連崩壊後にベラルーシが放棄した核兵器を「返還してほしい」と自分がロシア大統領に求めた結果だと主張しました。
 それをロシア側が受け入れてくれたということです。
 ロシアの命令をベラルーシは大人しく聞いたのではありません、という立場です。

 それから7月上旬に配備を予定しているのは、同月11、12日にリトアニアで開かれるNATO首脳会議に合わせたかったから、だそうです。
 ベラルーシ大統領は、自分では核使用を決断したくないとしつつも、「われわれへの侵略があれば、ためらいはない」とも強調しました。
 この「われわれ」の中に誰が入っているのでしょう? 大勢のベラルーシ人たち? ベラルーシとロシア? 
 前者なら、ベラルーシが侵略されたら、ロシアの決定抜きでベラルーシ大統領が核兵器を敵に躊躇なく放つ、と言っていることになります。ロシアからしたら、勝手な行動をするな、と怒るでしょう。
 後者だったら、ロシアがちょっとでも攻撃を受けたら、ベラルーシから敵に向かって核を発射するということです。
 さらに前者の場合の侵略者がもし、ロシアだったら、ベラルーシからロシアへロシアの核兵器を撃つ、という意味にも取れます。 


 ベラルーシ大統領は、先月流れた自身の体調不安説について、全て愚かな嘘だと述べました。
 実際には足の具合が悪くなり、歩けなくなったことを認め、5月9日にモスクワで行われた戦勝記念式典では、移動にカートを利用しています。
 本当に足が痛くて歩けなかったそうですが、危篤になったとか重態というのはフェイクニュースだということです。
 さらにアデノウイルスに感染していたことも認め、まだ回復期であることも述べました。
 報道陣に向かって「皆さん、心配しないでください、私はまだ生きています、そしてこれからも生きます!」と発言しました。


 ウクライナ南部ドニプロペトロウシク州クリビー・リフにある民間の建物に対するロシア軍の夜間ミサイル攻撃で、少なくとも3人が死亡、25人が負傷したと州当局が今日、明らかにしました。
 
 ロシア南西部クルスク州の2つの村が今朝、ウクライナ軍の砲撃を受け、複数の家屋が損壊したほか、ガスと電力の供給が遮断されました。


 ロシアのプーチン大統領は今日、黒海経由の穀物輸出合意(黒海イニシアティブ)からの離脱を検討していると明らかにしました。西側諸国はロシアの農産物を世界市場に供給するという約束を何一つ履行していないとし、「だまされた」と非難しています。
 17日にまでに合意延長を決定しないと、離脱になってしまうようで、そうなるとまた穀物価格が上昇します。日本も無関係でいられません。


 ロシア大統領は今日、ウクライナを侵攻中のロシア軍には高精度弾薬や無人機などの軍装備品が不足していると認めました。


 ウクライナ南部ザポリージャ州の露側「幹部」は今日、ロシア軍のセルゲイ・ゴリャチェフ少将が州内で戦死したとSNSで明らかにしました。

2023年6月12日。ウクライナ侵攻から475日目

2023-06-12 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月12日。
 ベラルーシはまた気温が下がりました。

 今日はロシアの「ロシアの日」。
 プーチン大統領は今日、演説で愛国心と祖国への貢献に触れ、ウクライナ侵攻への理解と団結を国民に呼びかけました。
 さらに現在が困難な時期であるとの認識を示しました。
 ウクライナの反転攻勢については言及しませんでした。

 ロシアの日をベラルーシ大統領も祝福。
 北朝鮮も祝福。ロシアと「戦略的協力をより緊密にしていく用意がある」とする祝電をプーチン大統領に送りました。


 ロシア大統領は今日、モスクワにある国防省の中央病院を訪れ、ウクライナで負傷した兵士らに国からの賞を授与。
 その上で兵士らに対し負傷からの回復後は引き続き軍務に就くよう促しました。


 ベラルーシのリトアニアとポーランドの国境地帯では長距離トラックの長い列が続いています。陸上輸送がスムーズに行われていない状況がずっと続いています。
 ロシアとの国境では何の問題もありません。ウクライナとの国境は原則閉鎖中。
 ベラルーシはロシアの地方都市との飛行機便を増設しています。今までは空の便がなかった中堅都市へ短時間でベラルーシから行けるようになりました。


 ベラルーシの個人事業主に高い税金が課せられるようになります。新しい法律が議会で審議中です。日本もそうですが、何でも税金税金です。


 アメリカの作家、エリザベス・ギルバートは今日、ロシアを舞台にした新作について、抗議が殺到したのを受け、出版を中止すると発表しました。
 1930年代のソ連を舞台に、独裁政権にあらがう一家の物語で、来年初めに出版の予定だったそうです。
 読んでいないからはっきり分かりませんが、そんなにひどいテーマではないと思います。しかし、まあ、とにかく今はロシアとかソ連をテーマにした文学作品はアメリカでは新しく発表できないのかと思いました。
 それはそれで表現の自由がない感じです。政府による検閲ではなく、ネット民による非難発言による抑圧と言っていいのではないですか。


 ブリンケン国務長官は今日、ロシアでアメリカ人男性のトラビス・リーク氏が拘束されたと明らかにしました。リーク氏はロシアのロックバンドで活動していたミュージシャンで、麻薬取引に関与した疑いで逮捕されたということです。






日本語能力試験モスクワ会場ほぼ中止

2023-06-11 | 日本文化情報センター
 先週はビテプスクに行ったりとても忙しかったので把握していなかったのですが、7月の日本語能力試験が、開始まで一ヶ月を切ったこの時点でモスクワ会場での中止を発表しました。ただしN2レベルの試験は実施するんです。変でしょ。

 昨日、生徒の一人が授業に来るなり、
「T先生、知ってますか? モスクワ中止になりましたよ。」
と言ったので、クラスは騒然。今年は日本文化情報センターの日本語教室からN4が4人、N5が1人モスクワでの受験申し込みをしていたのです。
 中止の理由はベラルーシと同様「国際郵便が機能しておらず、問題用紙や解答用紙などの試験用紙が届かないから。」です。
 ふーん。でも、N2の試験用紙は届くんですね。N2だけ別ルートで郵便が届くの? N1、N3、N4、N5の試験用紙は国際郵便は届けてくれないんですね。

 こんな説明で納得できる人はいないでしょう。
 ちなみにサンクトペテルブルグ会場では、3月の受験申し込みの段階で、「N3しか試験しません。」理由は「国際郵便が機能しておらず、問題用紙や解答用紙などの試験用紙が届かないから。」
 ペテルブルグでは、N3の試験問題は届くけど、それ以外のは届かないそうです。
 何かの魔法を使っているんですか?

 ベラルーシから受験予定の生徒は、夜行列車のチケットを予約キャンセルしに行きました。
 そしてモスクワでの規定では、モスクワ実行委員会の判断で中止になった場合、受験料を払い戻してくれるものの、たったの50%だけ。(@_@)
 受験生が悪いわけでもないのに。

 ただし、12月の試験に受験料を振り替えてくれるので、「今、半分だけ受験料を返してもらう」あるいは「収めた受験料をモスクワに置きっぱなしにして、12月試験を受けに行く」の二者選択になっています。
 私の生徒は12月に受験しに行くけど、また中止になったらどうしよう。(戦争、それまでに終わっているのか???)という考えの人が多いです。

 受験料をすでに払っている人全てに「中止になりましたが、今すぐ、受験料を半分返してもらいたいですか? それとも12月に受験しますか?」と「お伺いのメール」を個別に送信するのが礼儀だと思うのですが、今のところそんなメールはうちの生徒には届いていません。

 やれやれ・・・
 チロ基金がお金を出すから、うちの生徒は無料で日本文化情報センターで「私たちのテスト」を受けて、合格証をもらうほうがいいですよ・・・。
 そういうわけで、次の土曜日には「私たちのテストN5」を実施します。
 「私たちのテスト」実施のためにご支援くださっている日本の皆様、生徒一同、大変感謝しております。
 日本語を勉強するに当たり、やはり目標や励みが必要ですよ。

2023年6月11日。ウクライナ侵攻から474日目

2023-06-11 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月11日。

 キルギスのバキエフ前大統領に金鉱山開発における汚職の罪でさらに懲役10年の判決が出ました。
 同氏は2010年から今もベラルーシで亡命生活を送っています。
 もちろん欠席裁判です。
 こうして合計30年の懲役刑が出たことになります。
 キルギス当局はバキエフ氏をキルギスに戻す計画はないそうですが、同氏が自分の意志で単独帰国した場合は即刻拘束されることになります。 
 ベラルーシ政府が今後も同じ方針を取る限り、同氏とその家族はずっとベラルーシに住み続けられるでしょう。
 このようにベラルーシは亡命者を快く受け入れています。


 ウクライナ軍の幹部は今日、地元メディアの取材に対して、ロシア軍が東部ドネツク州と南部ザポリージャ州の境界に位置するダムを破壊したと発表しました。
 2つ目のダム破壊ですか・・・
 このダムの決壊により川の両岸で浸水が発生しているということですが、被害の状況は明らかになっていません。
 

 カホフカ水力発電所のダム決壊について、ロシア軍が爆破したと訴えるゼレンスキー大統領は今日、国際刑事裁判所の代表者らが同州を訪れ、調査を開始したと表明しました。このダムの真相解明も始まっていないのに、もう2つ目のダムが破壊・・・


 ロシア国防省は、ロシアの艦艇「プリアゾビエ」が今日、黒海の南東部で、ウクライナの無人艇6隻から攻撃を受けたと発表しました。国防省によれば、プリアゾビエに被害はなく、無人艇は破壊されたそうです。


 ロシアとウクライナは今日、約200人の捕虜を交換しました。

2023年6月10日。ウクライナ侵攻から473日目

2023-06-10 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月10日。
 ベラルーシはお祭り「ロシアの日」が昨日の前夜祭から始まりました。
 金・土・日をメインにロシア関連のイベントを開催しています。
 例えば昨日の前夜祭コンサートではロシアの人気歌手がミンスクのコンサート会場で熱唱。ベラルーシの歌手もステージに。
 あちこちで、ロシア大好き、ロシアとベラルーシは友達だというイベントを開催しています。観客はロシアの小旗を振っています。
 それにもれることなく、ミンスク市立中央児童図書館でも今週火曜日に子ども向けですが、ロシアの日イベントをすることになり、ただいま準備中です。


 ウクライナ大統領は今日、ロシアに対する反転攻勢を開始したことを初めて認めました。反攻に自信を示し、
「私は毎日、ザルジニー軍総司令官や、さまざまな前線の司令官らと連絡を取っているが、みな楽観的だ。プーチンにそう伝えてほしい」
と語っています。


 オデーサに今日、ドローンによる攻撃があり、ウクライナ軍が撃墜したものの、破片が高層住宅に落ちて火災が発生、3人が死亡しました。

2023年6月9日。ウクライナ侵攻から472日目

2023-06-09 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月9日。

 ベラルーシ大統領はロシアのソチに到着し、ロシア大統領との非公式会談を行いました。
 非公式だからか二人ともノーネクタイで、場所もロシア大統領が建てたソチの離宮で海を眺めながらです。
 ベラルーシのニュースでは、二人でフルーツを食べながら話をしたとか、そんなことが報道されています。
 まあ、最近はベラルーシの大統領がロシアで何を食べたのか気になる人が多いからかもしれません。
 ベラルーシ大統領は「ソチの海は静かで、とてもいいところですね。」と話したそうです。(ウクライナのヘルソンも水浸しの状態です。)
 ロシア大統領はベラルーシ領内の戦術核兵器配備について「すべて予定通りに進んでいる。7月7~8日には準備が完了し、配備作業が開始される」と述べました。


 ウクライナ保安局は今日、南部ヘルソン州のカホフカ水力発電所のダムをロシアの「破壊工作グループ」が爆破したことを証明する通話を傍受したと発表しました。
 同局はメッセージアプリ「テレグラム」のチャンネルに、証拠とする1分半の音声データを投稿。この中で同局がロシア人兵士とする男の1人は「彼ら(ウクライナ人)は攻撃していない。あれはわれわれの破壊工作グループだ」と話しています。
 このほか「彼ら(ロシアの破壊工作グループ)はあのダムで(人々を)怖がらせたかった」、「計画通りにはいかず、(彼らは)計画以上のことをした」とも語っています。
 

 ロシアのルデンコ外務次官は今日、上月豊久駐ロシア大使を呼び、日本政府によるウクライナへの「軍事物資」提供に抗議しました。
 岸田文雄首相は5月21日、訪日したウクライナのゼレンスキー大統領と広島市内で会談した際、トラックを含む自衛隊車両約100台の提供を申し出ていました。
 これについて、ロシア側は日本が「装甲車両」を渡していると主張。声明で「車両提供は敵意をさらにあおり、ウクライナ側の死傷者増加につながる」と警告しました。
 在露日本大使館によると、上月氏は「今回の事態は全てロシアによるウクライナ侵略に起因して発生している」と強調。「日本側に責任を転嫁しようとするロシア側の主張は極めて不当であり、断じて受け入れられない」と反論しました。


 この他にも岸田首相は今日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、カホフカ水力発電所のダム決壊による洪水を受け、500万ドル(約7億円)規模の緊急人道支援を国際機関を通じて早期に実施する考えを伝えました。
 日本は水害が多い国で、復興の技術も経験も多く持っているので、ウクライナへの支援で力を発揮できると思います。
 しかし、ロシアからしたらダムを破壊したのはウクライナなのに、そのウクライナを支援するとは何事か、というふうに日本を非難するのでしょう。


 ロシア大統領は今日、ウクライナがかねて予告していた反転攻勢を開始したと認めました。
「だが、ウクライナ部隊はどの戦闘地域でも目標を達成していない。」
とも述べています。

 ザポリージャ州で今日、「激しい戦闘」が起きていると、ロシア当局者らがテレグラムに投稿。 
 ウクライナ東部国境に近いロシア西部のボロネジでは今日、集合住宅がドローンによる攻撃を受けました。3人が割れたガラスで軽い怪我を負いました。ロシア当局はウクライナに加担する「テロ行為」との見解を示しており、ボロネジ州知事は非常事態を宣言。
 ロシア西部ではベルゴロドのオフィスビルのほか、クルスクの石油基地付近にもドローンが落下しました。


 広島市長は今日の定例記者会見で、8月6日の平和記念式典に2年連続で招待の見送りを決めたロシアとベラルーシに対し、手紙を送付したことを明らかにしました。見送った理由がロシアのウクライナ侵攻であることを説明したうえで、近い将来、広島を訪問して被爆の実相に触れてもらう日が来ることへの期待を伝えています。


 アイスランド政府は今日、在ロシア大使館の業務を8月1日付で停止することを明らかにしました。国交断絶というわけではありません。


壺井栄ロシア語訳作品集をビテプスク市立図書館に寄贈しました

2023-06-08 |   壺井栄
 6月8日、壺井栄ロシア語訳作品集「二十四の瞳」をビテプスク市立図書館に寄贈しました。
 ビテプスクには市立の図書館が多くあるのですが、その中でも日本文化の紹介に力を入れているビテプスク市立外国文学図書館、中央市立図書館をはじめ、合計11の図書館に1冊ずつ寄贈することになりました。
 6月8日にビテプスク市立外国文学図書館訪問し「二十四の瞳」の他、ANT広島さんから頼まれていた広島の原爆や平和についての絵本など、直接手渡ししました。
 この外国文学図書館も別の場所に移転しましたが、変わらずたくさんの外国語文学、教科書、辞典が数多く所蔵されており、英語の授業、毎週日曜日には多言語カラオケなどの場として市民に活用されています。

 今回の寄贈式には地元の高校1年生が出席してくれました。
 ベラルーシの高校は2年間しかないので、来年の今頃はちょうど卒業式。そして高校1年生の男子は6月は軍事教練に行きます。(女子は応急手当の仕方を勉強します。)
 高校卒業後、大学に進学しなかったら、男子は兵役義務で、秋から徴兵されます。
 1年後、この人たちはどうなっているのかと思いながら「二十四の瞳」の話をしました。

 出版に当たり、ご協力してくださった日本の皆様に厚くお礼申し上げます。
 ビテプスク(日本人にとっては画家のマルク・シャガールの生誕地で有名と言ってもいいでしょうか。)の市民に壺井栄文学が読みつがれていくと思います。
 

 
 



 

2023年6月8日。ウクライナ侵攻から471日目

2023-06-08 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月8日。
 今日はビテプスクの図書館へ壺井栄の「二十四の瞳」を寄贈しに行ったのですが、行く途中、朝ミンスク市内を移動していると、勝利広場に警察や軍服の人が集まっていて、そばの植え込みの中を金属探知機で調べていました。
 きっと政府のお客さんがベラルーシへ来るんだろうなと思っていたら、案の定、ロシア大統領の最側近として知られるパトルシェフ安全保障会議書記がベラルーシを訪問したことがニュースになっていました。ベラルーシ大統領と会談したのですが、その大統領は明日、ソチへ行ってロシア大統領と対面会談すると今日、公表されました。


 ウクライナ大統領は今日、ヘルソン州のカホフカダム決壊の被災地を視察しました。ウクライナ政府はその直後、ヘルソン市中心部とその周辺がロシア軍の攻撃を受け、1人が死亡、救急隊員ら18人が負傷したと発表しました。
 
 ノバカホフカ市のロシア側当局によると、5人が溺死。
 ドニプロ川対岸にあるロシア支配地域の当局は、ウクライナの砲撃によって避難中の住民2人が死亡したと述べています。

 ウクライナ側でも、南部ミコライウ州で避難を拒んだ男性1人(53)が死亡し、犠牲者は計6人となりました。

 ノバカホフカ市では水が引くのは1週間後ぐらいではないかと言う予測が出ています。
 そして、水が引いた後に水死体が発見される可能性もありますね。

 ロシア占領下のヘルソン州オレシキ市では、住民120人が低体温症で市の病院に運ばれました。同市は9割が冠水。ロシアの占領下なのに、ロシア側が住民を避難させることはなかったそうです。
 ウクライナ大統領は7日、ロシア側は住民の避難に「完全に失敗した」と非難。赤十字国際委員会や国際機関に対し水や食料、医療の支援を呼びかけています。

2023年6月7日。ウクライナ侵攻から470日目

2023-06-07 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月7日。
 ベラルーシは気温が上がり、すっかり初夏の天気となりました。

 ヘルソン州のカホフカ水力発電所に設置された巨大ダムの決壊について、ウクライナの当局者らはドニエプル川沿いのロシアとウクライナの支配地域でおよそ4万2000人が洪水被害に遭う危険性があると予想しました。憂鬱です。
 ウクライナ大統領は昨日の記者会見で、発電所を占拠するロシア軍が爆破したと非難し、国際刑事裁判所に捜査を要請する方針を表明しました。
 ロシア大統領はトルコ大統領との電話会談で今日、ウクライナがダムにテロ行為を行ったと激しく批判しました。


 ゼレンスキー氏は7日、自身のSNSでダムの破壊について、「完全に意図的なもの」と改めて非難し、「何十万人もの人々が飲料水を正常に入手できずに放置されている」と訴えた。
 ロシアで偽造されたと思われるユーロ紙幣の偽札をロシアからベラルーシへ持ち込み、ベラルーシ人に両替をネット上で呼びかけた3人がミンスク市内で逮捕されました。

 ベラルーシからワルシャワへマリファナや合成麻薬約1キロを持ち込んだベラルーシ人がポーランドで逮捕されました。ふだんはワルシャワに住んでいるベラルーシ人だそうです。


 2021年5月に起きたライアンエアー緊急着陸事件の際、当時恋人同士だった反政権派ジャーナリスト、プロタセヴィチ氏と同乗していて逮捕され、6年間の更生施設送りという有罪判決を受けていたサペガ氏がベラルーシ大統領の恩赦により、釈放されました。
 ロシアのウラジオストックで生活することも決まり、沿海州知事と面会もしていました。この人はもともとロシア国籍を持っているロシア人なので、いろいろと複雑な背景があったのですが、先月22日にプロタセヴィチ氏も釈放されているので、サペガ氏も釈放されてしかるべき、ベラルーシから遠く離れたウラジオストックへ行って、当分の間、ベラルーシとは無関係の生活を送るでしょう。
 プロタセヴィチ氏は自宅謹慎中に他の女性と結婚したし、今はすっかり改心して、現政権のためのジャーナリストになっています。有名人になったので、政府からするとよい宣伝です。

2023年6月6日。ウクライナ侵攻から469日目

2023-06-06 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月6日。

 国連総会は今日、安全保障理事会(15カ国)の非常任理事国10カ国のうち来年1月から2年間を担当する5カ国を選ぶ選挙を実施しました。東欧枠ではベラルーシが立候補。投票で38対153とスロベニアに大差をつけられ落選しました。当然の結果ですね。
 ベラルーシ国連常任代表ワレンティン・リバコフ氏は記者団に、西側諸国が国連でベラルーシに投票しないよう強制したからだ、と述べました。


 ウクライナ南部のカホフカ水力発電所の貯水ダムが破壊されました。
 ロシアとウクライナ双方が、相手が攻撃したと非難し合っています。この地域は現在ロシア軍の占領下にあります。
 ザポリージャ原発はこの貯水池から取水していますが、原発への影響は現時点で伝えられていません。
 ウクライナ大統領は動画で、既に住民の避難は始まっているものの、80の町や村が水に漬かったと述べました。避難対象者は1万7000人に上るとも。憂鬱です。
 下流の住宅数千棟が浸水。動物園も浸水。逃げられたのは白鳥とアヒルだけ。
 大統領府はさらに、ダム破壊によってドニプロ川は150トン分の工業用潤滑剤で汚染されたと明らかにしました。
 水は今日の午後、ヘルソン市内にも達しました。国営ウクライナ鉄道が避難列車の無料運行を始めましたが、ヘルソン州のドニプロ川西岸の一部地域には、約1万6000人が取り残されているそうです。ヘルソン州内では停電が起きました。
 農作物の価格がまた上昇しそうです。

 
 今日、ワグネル創立者プリゴジン氏が投稿した5月17日付のワグネルの「報告書」によると、ウクライナ東部の占領地で正規軍が「ワグネル部隊の後方の道路に地雷を敷設」しました。ワグネルの戦闘員が地雷を除去していたところ、「ロシア国防省(正規軍)の拠点から砲撃された」そうです。
 プリゴジン氏はその後、拘束したロシア軍正規兵とされる男性を映した動画をテレグラムに投稿。鼻に打撲の痕が見える男性は画面外の人物から尋問を受け、ロシア軍第72旅団の中尉と名乗り、「ワグネルの車両を撃った」「ワグネルを個人的に気に入らないからだ」と話しています。
 ロシア人同士で何をしているのでしょうか。


 AFP通信によると、パリで開催中のテニスの全仏オープンで今日、ベラルーシのアリーナ・サバレンカが試合後の記者会見で、「私はルカシェンコ(大統領)を支持しない」と述べました。
 世界ランキング2位のサバレンカはこの日の準々決勝で、ウクライナのエリナ・スビトリナにストレート勝ち。スビトリナはロシアとベラルーシの選手とは握手をしないと決めているので、もちろん拒否されました。
 そして試合後のサバレンカのこの発言です。今までと変わりましたね。どのような心境の変化があったのでしょう。

2023年6月5日。ウクライナ侵攻から468日目

2023-06-05 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月5日。

 広島市は今日、広島原爆の日に開催する平和記念式典について、ロシアのプーチン大統領とベラルーシのルカシェンコ大統領、両国の駐日大使を招待しない方針を明らかにしました。去年と同じ対応です。
 2政府と協議し「招待すれば式典の円滑な挙行に影響を及ぼす」と判断したそうです。長崎市も8月9日の式典に両国の駐日大使を招待しない方針を示しています。
 まあ、招待しても来ないと思いますが。

 噂で聞いたレベルですが、今日本人に対して、ベラルーシは留学などの長期滞在用ビザを申請してもなかなか出してくれず、4か月待ちになっているそうです。
 ちなみに旅行ビザの場合、滞在期間が一ヶ月以内で、飛行機による出入国だったら、ノービザで入国できます。


 タス通信などによると、ウクライナと国境を接するロシアの州、ロストフ、ベルゴロド、ボロネジで今日、一部のテレビとラジオでプーチン大統領が「ウクライナ軍が領土に侵攻した」と語る演説が突然放送されました。ロシア政府は、映像と音声は捏造されたもので、ハッキングが行われたと主張しました。
 ロシア大統領の「緊急演説」と題され、プーチン氏が「戒厳令が発令された。総動員の法令にも署名する」などと語って、住民に避難を促す内容でした。

2023年6月4日。ウクライナ侵攻から467日目

2023-06-04 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2023年6月4日。
 今日はベラルーシでは正教の三位一体の祭日です。(毎年日付が変わるので、6月4日が三位一体の日だと思わないでくださいね。)
 正教の祭日では「今日はこれこれのことはしてはいけません。」という決まりがあります。
 その中に戦闘も入っているらしく、今日はベラルーシでは特に戦争関連のニュースがありません。
 毎日こうあってほしいんですけどね。
 

 今日は、ロシアの政権と対立して刑務所で服役中の反政府活動家ナワリヌイ氏の誕生日です。
 その呼びかけに応じて今日、ロシア各地で同氏解放を求め、ウクライナ侵攻を続ける政権に抗議するデモが行われました。デモは日本を含む西側諸国にも広がりました。
 人権団体によるとロシアでは45人以上が拘束されたそうです。これは多いのか少ないのか。


 ベラルーシではドローンに関する法律が今日から厳しくなりました。
 ドローンの所有者は、国に登録。ドローンが合法的に取得されたものであることを証明しないといけません。そして登録番号をもらいます。また操縦方法の講習を受けないといけません。
 さらに所有者は使用する空域の申請、離陸許可と空撮許可を事前に取らないといけません。
 自作ドローンも許可なく使用すると違法と見なされます。
 ドローンを兵器として使われないか、国が神経を尖らせているようです。


 「巨匠とマルガリータ」などで知られるウクライナ出身の作家ミハイル・ブルガーコフ(1891~1940年)の像が、赤い塗料で塗られる事件がキーウで起きました。
 犯行を認めた16歳の少年で、実名報道を求めています。
「抗議行動だ。キーウからロシアを一掃する。脱植民地化だ」
と訴えています。両親が子どもの実名を出してほしいと報道機関に頼んでいるのも変ですね。この両親がふだん主張していること(「ブルガーコフはウクライナの作家じゃない。ロシア語で執筆してたし。」など)を繰り返し聞いているうちに感化された子どもが過激な行動(軽犯罪)を起こしたのでは・・・という気がします。

 ブルガーコフが育った家はキーウに残っており、1990年代に博物館となりました。
 館長の女性は、赤く塗られた像をそのままにして「歴史は学ぶべきで、否定すべきではない」といさめる文章を掲示しました。
 賢明な判断ですね。
「ウクライナはとても難しい時期を迎えている。戦争でみんな『白か黒か』で考えるようになってしまった」
とも話していますが、確かにそういう雰囲気が広がっているのだろうなと想像できます。
 もともと博物館では不穏な空気が広がっているのを察し、ブルガーコフの呼称を先月「ロシア・ソ連の作家」から「有名なキーウの住民・医師・作家」に変更したばかりだったそうです。
 当の少年は「ブルガーコフの博物館がキーウにある理由が分からない」と主張。ウクライナ作家連盟も、ブルガーコフを「ウクライナ独立反対論者」と呼び、博物館閉鎖を要求しているそうです。
 ブルガーコフの作品はソ連時代に政府から煙たがられ、禁書扱いだった時期もあるんですけど。