長い長い夏休みを過ごしている我が家の長男。
(まだ夏休みデス・・・。)
受験生である今年の夏は
それなりに勉強漬けの毎日なのだが、
いつだったか
「新たな勉強場所を発掘してくる・・・。」といい、
ひとりフラリと自転車に乗って出かけていった。
といっても遠くへ出かけるわけでもなく
行ってみたのはすぐ近くの
住宅街の中にポツンとある小さな「公民館」。
夏休み中(~8/31)だけ
子どもたちのために一室を学習室として開放しているという。
しかし、
長男が行ってみたところ、
部屋は用意されているものの学習に来ている人が誰もいないらしい。
つまり、
長男のひとり御殿状態
涼しいし、広いし、静かだし、
この上ない学習環境だったとか。
(つまむお菓子もないし、飲み物もないし、ゲームもないし、PCもないし! )
そしてその日の帰り際に、公民館のおじさん、おばさん(職員の方)から
「○○くん、明日も来てね!」と言われちゃったそうな。
なんだかちょっとうれしかったのだろう…。
それからというもの、
長男はほぼ毎日、
朝早く「公民館」へ行き、お昼は自宅に戻って昼食を食べ、
また「公民館」へ行き夕方まで勉強する・・・という夏休みになった。
出たり入ったりするときに受付に挨拶する程度らしいのだが、
行くと、
「お~今日も来てくれたかぁ~!」と歓迎され、
「しっかりお昼食べてくるんだよ~。」と言われたり、
「明日はおじさんお休みだけど、代わりの人がいるからね。」と
お知らせしてくださったり・・・、
いろいろと心配りをしていただいたようなのだ。
長い夏休みが過ぎ、
一般的な学校の夏休みが終わる8月31日。
「そろそろ眼医者さんに行って欲しいんだけどな~。」という私に
「今日だけはダメだ。」という長男。
なぜか?というと
「今日で学習室が最後だから・・・。」
“いってらっしゃい~”といいながらふと気づく。
フラリフラリと自転車をこいでた後ろ姿は、
暑い夏の日を重ね、
シャキリシャキリと力強くペダルをこぐようになっていた。
夕暮れになって帰ってきた長男が
台所に立つ私の背中に照れくさそうに話しかける。
「帰るとき、皆さんに“元気でがんばれよ~!”って見送られちゃったよ~。」
あは♪
うれしいね!
・・・・感動ある出会いは人を成長させる。
母として
「公民館」の皆さんに「ありがとう」の気持ちでいっぱいになった。
太陽の 光に負けぬ まなざしを
背に受け走れ 18の夏
この街に引っ越してきてよかった・・・そう思えるひと夏の出来事だった。