以前、担当医と話していて「双極性2型障害はマイナーな病気ですから、いろいろ面倒です」とボクがいうと、「全然マイナーな病気じゃないよ」と言われた。
確かに双極性1型障害(躁鬱病)は統合失調症と共に2大精神病と呼ばれた。けれど統合失調症が100人に1人という統計に対して、躁鬱病はかつては1000人に3人というデータだった。
これは躁鬱病が「躁状態」の発現ではじめて「躁鬱病」と診断されていたためだ。
現在、うつ病学会双極委員会のメンバーが関わっている書籍等では双極性1型障害も2型障害も100人に1人くらいというデータになっている。これは今まで難治うつ病や非定形うつ病等の中にも双極性障害が存在すると考えられる様になったためだと思う。
とすると、大きく「双極性障害」と括ったときに50人に1人は「双極性障害」ということになる。
ただそれじゃあ、社会的認知があるかとか、統合失調症の様に治療モデル・社会モデルが確立しているかといえば、ほぼ確立していないと言っていいと思う。
増して双極性2型障害など下手をすると「普通の人」「怒りっぽい人」「人格が歪んでいる」とか言われそうだ。
もちろん統合失調症の人がたぶん精神病でいちばん大変さを病状にも社会的にも背負っていることは間違いないと思う。ただ最近の統合失調症は薬がよくなったためか、早期発見のためか、病状が軽症化しつつある。だからいままで培ってきた治療モデルや社会モデルも変更を余儀なくされるだろう。
てんかんも100人に1人くらい、統合失調症も100人に1人、双極性1型障害も100人に1人、双極性2型障害も100人に1人、うつ病なら生涯にかなりの割合の人がうつ状態を経験して、10人に3人とかくらいうつ病ってことに統計学上はなっている。
器質性(遺伝的要素)のあるてんかん、統合失調、双極性障害をあわせると100人に4人、25人に1人という割合になる。
こんなにたくさん精神障害者がいるのに、上述の人たちはやっぱり社会的には肩身が狭いように思う。家族もときとして隠す。
医者の立場からすると確かに「メジャーな病気」かもしれんが、なかなかうつ病の様に社会に認知されているとは思えない。