台風のせいか身体がふわふわする。
自律神経がおかしくなっている。気分悪い。
認知行動療法は認知科学・行動科学の実験に基づいて作られた療法である。臨床心理学系でも古い心理学の系譜である実験心理学をもとにしている。
認知行動療法は臨床心理士ほかによって歪んだ認知を修正し、場合に寄っては行動をも修正していくという手法である。
これはいわゆるロジャース系統の来談者中心法の「傾聴」よりも、「指示的」であり「科学的」である。「認知や行動を修正する」という考え方自体が心を数値化する計量心理学を軸にしており「正しい認知」という概念が設定される。いわゆる「来談者中心法」とは軸を異なるものとしている。来談者中心法はむしろ本人の実存を何よりも尊重し、そこから自身が「気づく」ことを促していく。
最初、暴力や暴言をはじめたとき、認知行動療法を受けた。このときにはいまだ双極性2型障害の診断は受けておらず、一般の鬱病や共依存の問題として認知行動療法をしていた。
結果的にこの間、主治医を変更して抗うつ剤によりみごとな躁転をして、結果双極性2型障害であることが確定した。結果的に病院と非連携でおこなっていたカウンセリングセンターの認知行動療法は打ち切りとなった。
双極性障害がもし現在の精神医学が考えている脳バランスの偏り・循環によって起こる脳の病気であるなら、認知行動療法は補助的な役割は担えたとして、メインで行うことは不可能だと思う。そしてクライアントの主治医との連携なくして認知行動療法は双極性障害の場合ありえないと思う。
そしてもうひとつの問題は科学的な認知行動療法立場にしろ、結局クライアントとの信頼関係が成立していなければ、療法の効果も捗らないことである。
ボクの場合、カウンセラーは決して悪い人ではなかったが、安心して信頼を置くことができなかった。その理由のひとつはボクが精神科で薬をもらっているにも関わらず、カウンセラーにボクが処方されている一般的な抗うつ剤や抗不安薬や眠剤の名前を言っても、彼女が薬についてほぼ知識がなかった点だ。
大学の頃、臨床心理士の教授たちはみなそろって精神薬について精神科医でなくとも詳細な知識をもっていた。
最低限、精神障害者を相手にカウンセリングや認知行動療法をするのならば、精神薬とそれぞれの障害についての詳細な知識くらいは持っていてもらいたい。
たぶん、その点がボクが認知行動療法が上手くいかなかった最大の理由であり、一方で気を遣う性格なのでカウンセラーを変えてもらうことができなかったのが敗因だと思う。
遺伝要素も多少ある慢性脳機能疾患としての双極性障害の立場をとるとき、理想的なのはやはり同一の病院・クリニックの中に認知行動療法部門や臨床心理士が常駐しており、薬物療法と精神療法を担っている精神科医との連携の下でなされることが一番正しいのではないかと思う。