6月 6日(火)
紫陽花 手鞠唄
6月6日は24節気第9 芒種(ぼうじゅ):
稲や麦など穂の出る穀物の種を蒔く時期。蒸し暑さを感じ始め、雨空が増える頃です。
(稲の穂先にある針のような突起を、芒(のぎ)と言います。)
二十四節気の期間は約15日で、2023年の芒種は、6月6日から6月20日です。
その期間を3等分して、初侯を「蟷螂生」、次候を「腐草為蛍」、末候を「梅子黄」の短文で表現されています。
その期間を3等分して、初侯を「蟷螂生」、次候を「腐草為蛍」、末候を「梅子黄」の短文で表現されています。
(From:暮らしの歳時記)
散歩道の朝
6月 6日(火)午前7時晴 気温:17℃ 明け方17℃ 正午21℃ 日中最高22℃の予報です
大門町の日の出 04:26 日の入 18:54
雲が広がりやすく、雨の降る可能性があります。
気温は高め、アップダウンも大きくなりそうです。
梅雨前線の位置により予報が変わる可能性があるので、最新情報の確認を。
気温は高め、アップダウンも大きくなりそうです。
梅雨前線の位置により予報が変わる可能性があるので、最新情報の確認を。
(From: Weather News)
◇閑話休題:「 バナナキャラメル」
私が生涯読んだ小説の中で、最も感銘を受けた作品は司馬遼太郎氏の「国盗り物語」そして北方謙三氏の「望郷の道」であった。 2007年8月6日から日本経済新聞朝刊文化面で始まった連載小説 「望郷の道」である。 話のあらましは次の通りに展開していく。
一家を仕切る渡世人の一人娘「瑠瑋」に恋をした男「正太」は 佐賀の博徒「藤」の家に堅気の身で婿養子に入る。「藤」の家は正太の才覚で発展していくが、拡大した縄張りは狡猾な手段で奪われそうになる。この乗っ取りに動く博徒を 正太は単独で襲い 殺そうとするが失敗してしまう。争いの仲介に入った博徒の元締により両者は九州を追われることになる。
「藤」の家と瑠瑋や家族を守るため 台北航路の船の罐焚きとしてひとりで台湾に渡った正太。経理事務の勤め人から始め、小銭を蓄え銀行に信用を作る。最初に勤めていた菓子工場を買収し菓子メーカーとして起業していく。やがて「藤」の家を捨てる決心を固めた瑠瑋も子供を連れて台湾に渡り 二人で菓子屋の事業を拡大していく。
菓子職人を集め、販売ルートの構築、材料調達のチャネル作りなど さまざまな困難にぶつかるが、正太はそのハードルを小気味良く越えていく。 商品の質を追求し、小豆や砂糖・練乳など材料調達のチャネルが築き上げられていく。現地人にも正太のキャラメルを仕入れて販売する協力者が現れ、売り上げは伸びていく。
基礎ができるや饅頭など本土並みの製品作りにまい進していく。質の高い製品は評判を呼び企業規模は拡大の一途をたどる。途中さまざまな困難にぶつかるが、難なく越えていく正太が頼もしい。いっぽう店舗拡大により急増した販売員の躾など管理面では瑠緯の手腕が発揮される。次から次と待ち受ける苦難を打破し、着々と事業を拡大し、現地での地歩を固める姿は起業家のお手本にでもなりそうな話である。
起業のための元金の作り方、銀行からの信用獲得の手法、菓子職人など技術者の雇用とモティベーション、販売店の接客技術の向上による差別化、などなど渡世人になりそこねた人物が企業経営で花開いていく。登場人物も多彩で 文句なく面白いのである。何度も読んでいると 佐賀弁も分かるようになる。
(初稿:2008年04月08日投稿 次稿:2023年06月5日加筆)
一家を仕切る渡世人の一人娘「瑠瑋」に恋をした男「正太」は 佐賀の博徒「藤」の家に堅気の身で婿養子に入る。「藤」の家は正太の才覚で発展していくが、拡大した縄張りは狡猾な手段で奪われそうになる。この乗っ取りに動く博徒を 正太は単独で襲い 殺そうとするが失敗してしまう。争いの仲介に入った博徒の元締により両者は九州を追われることになる。
「藤」の家と瑠瑋や家族を守るため 台北航路の船の罐焚きとしてひとりで台湾に渡った正太。経理事務の勤め人から始め、小銭を蓄え銀行に信用を作る。最初に勤めていた菓子工場を買収し菓子メーカーとして起業していく。やがて「藤」の家を捨てる決心を固めた瑠瑋も子供を連れて台湾に渡り 二人で菓子屋の事業を拡大していく。
菓子職人を集め、販売ルートの構築、材料調達のチャネル作りなど さまざまな困難にぶつかるが、正太はそのハードルを小気味良く越えていく。 商品の質を追求し、小豆や砂糖・練乳など材料調達のチャネルが築き上げられていく。現地人にも正太のキャラメルを仕入れて販売する協力者が現れ、売り上げは伸びていく。
基礎ができるや饅頭など本土並みの製品作りにまい進していく。質の高い製品は評判を呼び企業規模は拡大の一途をたどる。途中さまざまな困難にぶつかるが、難なく越えていく正太が頼もしい。いっぽう店舗拡大により急増した販売員の躾など管理面では瑠緯の手腕が発揮される。次から次と待ち受ける苦難を打破し、着々と事業を拡大し、現地での地歩を固める姿は起業家のお手本にでもなりそうな話である。
起業のための元金の作り方、銀行からの信用獲得の手法、菓子職人など技術者の雇用とモティベーション、販売店の接客技術の向上による差別化、などなど渡世人になりそこねた人物が企業経営で花開いていく。登場人物も多彩で 文句なく面白いのである。何度も読んでいると 佐賀弁も分かるようになる。
この小説は筆者北方謙三氏の曽祖父である新高製菓の創業者、森平太郎氏がモデルである。佐賀県出身の森氏は、台湾に渡って「バナナキャラメル」などで大きな菓子メーカーを作り上げ近代日本製菓史に足跡を残した人物である。
蛇足ながら 森永もグリコも創業者は佐賀県出身である。 お菓子はなぜ佐賀県なのか? 16世紀、長崎の警固役を務めていた佐賀藩には砂糖が潤沢に手に入ったこと。および長崎街道を通じて南蛮からの製菓技術が伝えられた歴史的背景があるのだとか。 そういえば あの大隈重信公も佐賀の出身であった。
忘れてならないのは倹約家で名高い佐賀県人の気質にもよるらしい。起業を志す者は「まず倹約家たれ」倹約だけでなく「蓄えること」も重要である。「佐賀のガバい婆ちゃん」もいっぱい教訓を残しているではないか。
「望郷の道」は読書家の皆さんにはお薦めの一冊となるが、これだけではない。これから起業したいと考えている人にも必読の一冊となることを今から言っておきたいのである。
蛇足ながら 森永もグリコも創業者は佐賀県出身である。 お菓子はなぜ佐賀県なのか? 16世紀、長崎の警固役を務めていた佐賀藩には砂糖が潤沢に手に入ったこと。および長崎街道を通じて南蛮からの製菓技術が伝えられた歴史的背景があるのだとか。 そういえば あの大隈重信公も佐賀の出身であった。
忘れてならないのは倹約家で名高い佐賀県人の気質にもよるらしい。起業を志す者は「まず倹約家たれ」倹約だけでなく「蓄えること」も重要である。「佐賀のガバい婆ちゃん」もいっぱい教訓を残しているではないか。
「望郷の道」は読書家の皆さんにはお薦めの一冊となるが、これだけではない。これから起業したいと考えている人にも必読の一冊となることを今から言っておきたいのである。
(初稿:2008年04月08日投稿 次稿:2023年06月5日加筆)
今日も良い一日をお過ごしいただけますように。